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第9部 倒錯のイグニス
#348 破壊された美少女③
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璃子の言葉通りだった。
ふみに臓物を引き抜かれ、ぼろ布のように打ち捨てられていたはずの杏里が立ち上がっている。
しかも、驚くべきことに、胸には美しい釣り鐘型の乳房が盛り上がり、腹の傷も閉じている。
「どういうこと…?」
ヤチカは己の眼を疑わざるを得なかった。
いくら杏里が再生能力を持つタナトスだとはいえ、これはあり得ない…。
あそこまで肉体を破壊されたら、少なくとも完治までに数週間はかかるはずなのだ。
だが、血にまみれているとはいえ、杏里の裸身はすっかり元通りになっている。
傷ひとつない陶器のように白い肌。
芸術作品を思わせる肉感的なボディラインのシルエット。
どれをとってみても、完璧だ。
「むう…。もしかして、あれかな」
百足丸がぼさぼさ頭をかきむしった。
「俺が活性化させたふたつのチャクラ…。それが彼女の治癒能力を爆発的に高めたとか…」
「なるほど。それはありそうね」
ヤチカはうなずいた。
百足丸の鍼に刺されると、人間、優生種問わず、性的能力が一気に強化される。
雄ならペニスの勃起時間が長くなるし、雌なら性器の感度が倍加する。
快感と治癒が密接に結びついているタナトスなら、快楽中枢の強化が治癒能力の強化につながったとしてもおかしくはない。
「だったら、計画は変更だわ。杏里ちゃんが無事な以上、彼女を助けなきゃ」
「処理班に”放火”を待つように言ってくれ。俺たちはなんとかして杏里を救い出す」
「わ、わかった。でも、どうやって…?」
大山の疑問も、無理はなかった。
ヤチカの視線の先では、またふみが動き出していた。
杏里の”再生”に気づいたらしく、口の端から臓物の切れ端を垂らしながら、佇む少女のほうへと大股に歩み寄っていく。
「ふみを見捨てないでくれ」
その様子を食い入るように見つめながら、璃子が言う。
「杏里だけじゃなく、ふみも助けてやってくれないか」
「馬鹿なこというな。あいつはもう人間じゃない。寄生虫みたいなのに取りつかれてるんだ。建物ごと燃やすしか手がないんだよ」
百足丸が気色ばんだ時だった。
狂ったヒグマのように両手を高々と振り上げ、全身から生えた触手を波打たせて、ふみが杏里に襲いかかった。
ふみに臓物を引き抜かれ、ぼろ布のように打ち捨てられていたはずの杏里が立ち上がっている。
しかも、驚くべきことに、胸には美しい釣り鐘型の乳房が盛り上がり、腹の傷も閉じている。
「どういうこと…?」
ヤチカは己の眼を疑わざるを得なかった。
いくら杏里が再生能力を持つタナトスだとはいえ、これはあり得ない…。
あそこまで肉体を破壊されたら、少なくとも完治までに数週間はかかるはずなのだ。
だが、血にまみれているとはいえ、杏里の裸身はすっかり元通りになっている。
傷ひとつない陶器のように白い肌。
芸術作品を思わせる肉感的なボディラインのシルエット。
どれをとってみても、完璧だ。
「むう…。もしかして、あれかな」
百足丸がぼさぼさ頭をかきむしった。
「俺が活性化させたふたつのチャクラ…。それが彼女の治癒能力を爆発的に高めたとか…」
「なるほど。それはありそうね」
ヤチカはうなずいた。
百足丸の鍼に刺されると、人間、優生種問わず、性的能力が一気に強化される。
雄ならペニスの勃起時間が長くなるし、雌なら性器の感度が倍加する。
快感と治癒が密接に結びついているタナトスなら、快楽中枢の強化が治癒能力の強化につながったとしてもおかしくはない。
「だったら、計画は変更だわ。杏里ちゃんが無事な以上、彼女を助けなきゃ」
「処理班に”放火”を待つように言ってくれ。俺たちはなんとかして杏里を救い出す」
「わ、わかった。でも、どうやって…?」
大山の疑問も、無理はなかった。
ヤチカの視線の先では、またふみが動き出していた。
杏里の”再生”に気づいたらしく、口の端から臓物の切れ端を垂らしながら、佇む少女のほうへと大股に歩み寄っていく。
「ふみを見捨てないでくれ」
その様子を食い入るように見つめながら、璃子が言う。
「杏里だけじゃなく、ふみも助けてやってくれないか」
「馬鹿なこというな。あいつはもう人間じゃない。寄生虫みたいなのに取りつかれてるんだ。建物ごと燃やすしか手がないんだよ」
百足丸が気色ばんだ時だった。
狂ったヒグマのように両手を高々と振り上げ、全身から生えた触手を波打たせて、ふみが杏里に襲いかかった。
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