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第10部 姦禁のリリス
#36 由羅VS美里
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体が動かない。
由羅はもがいた。
なんて力だ。
顔から血の気が引く思いだった。
これが念動力?
鍛え抜かれたこの筋肉が、ぴくりとも動かせないなんて。
それに加えて、あの女。
丸尾美里。
以前、杏里から話は聞いていた。
暴走したタナトス試作品。
パートナーのパトスの少女とヒュプノスの老人を殺した殺人鬼だ。
が、正面切って相まみえるのは、由羅の記憶ではこれが初めてだった。
それにしても、と改めて思う。
なんなのだ、あの姿は。
あれじゃ、まるで化け物だ…。
胸をはだけた美里の乳房は上下にぱっくり割れ、食虫植物がつぼみを開くようにその口を開けようとしている。
胸の下からへそにかけての皮膚には無数の噴火口のようなできものが口を開き、乳白色の汁を滴らせていた。
「なんだおまえは? おまえが杏里と同じタナトスだなんて誰が信じるものか。おろせ。うちをどうする気だ?」
由羅はわめいた。
「弱い犬ほどよく吠えるとはあなたのことね。威勢のいいのも今のうちだわ。せいぜいわめくがいい」
美里が言い終わらぬうちだった。
両の乳房の開口部から、ふいに黒い影が伸び出したかと思うと、バシッと由羅の腹を打った。
「ぐ」
体をくの字に折ってうめく由羅。
棘だらけの太い触手が2本、互いに絡みあうようにして宙でのたうっている。
鈍痛の余韻が消えぬうちに、すぐに第2撃が来た。
ブラの肩紐が切れ、生白い乳房が飛び出した。
その乳房を、X字型に交差するようにして、硬い触手が打ち据える。
触手が振るわれるたびに、つややかな由羅の肌に赤い筋が増えていく。
かろうじて下半身に貼りついていたショーツが破れて、由羅はほとんど全裸になってしまっている。
「あう」
由羅は喘いだ。
自分のものとは思えないほど、甘やかな声だった。
打擲の痛撃が、次第に快感に変わっていくのがわかる。
ば、馬鹿な…。
自分で自分が信じられなかった。
どうして?
よりによって、こんな時に…?
意志を肉体が裏切りつつあった。
気持ち、いいのだ。
なぜなら…。
鞭で打たれるのは、ずいぶん久しぶりだったから…。
かつて冬美の支配下に置かれている頃、毎日のように納屋で鞭打たれた。
その時の背徳の快楽を、肌という肌が思い出したのだ。
「ふふ、榊由羅とやら。なんですか。そのざまは」
触手で容赦なく由羅を打擲しながら、可笑しそうに美里が嗤った。
「まさかあなたにこんな性癖があるとは。偶然とはいえ、面白いものね」
「や、やめ…て」
力なく由羅はかぶりを振った。
言葉遣いが変わっていた。
勝気で無鉄砲な少女の自我が身を潜め、マゾヒストのペルソナが潜在意識の底から浮上してきたのだ。
「とても、やめてほしそうには見えないけれど」
美里の言葉とともに、その肌に開いた噴火口から一斉に細い触手が伸びあがる。
おびただしい触手の群れが由羅の裸身にまといつき、ありとあらゆる開口部から体内に侵入し始めた。
口に、耳の穴に、へそに、そして膣に…。
「ああああっ!」
すべての穴を同時に責められて、由羅の裸体が空中でしどけなく反り返る。
脳が痺れるような愉悦に、眼窩の中で由羅の眼球がゆっくりと裏返った。
半開きになった口からはだらりと舌がはみ出し、絶え間なくよだれを垂らしている。
それは股間も同様で、膣から溢れた愛液が小麦色の太腿を滝のように伝って落ちた。
「ルナ、今よ」
快感に痙攣する由羅を見上げながら、冷ややかな口調で美里が言った。
「あなたの念動力で、あの子の手足をばらばらに引きちぎっておやり」
由羅はもがいた。
なんて力だ。
顔から血の気が引く思いだった。
これが念動力?
鍛え抜かれたこの筋肉が、ぴくりとも動かせないなんて。
それに加えて、あの女。
丸尾美里。
以前、杏里から話は聞いていた。
暴走したタナトス試作品。
パートナーのパトスの少女とヒュプノスの老人を殺した殺人鬼だ。
が、正面切って相まみえるのは、由羅の記憶ではこれが初めてだった。
それにしても、と改めて思う。
なんなのだ、あの姿は。
あれじゃ、まるで化け物だ…。
胸をはだけた美里の乳房は上下にぱっくり割れ、食虫植物がつぼみを開くようにその口を開けようとしている。
胸の下からへそにかけての皮膚には無数の噴火口のようなできものが口を開き、乳白色の汁を滴らせていた。
「なんだおまえは? おまえが杏里と同じタナトスだなんて誰が信じるものか。おろせ。うちをどうする気だ?」
由羅はわめいた。
「弱い犬ほどよく吠えるとはあなたのことね。威勢のいいのも今のうちだわ。せいぜいわめくがいい」
美里が言い終わらぬうちだった。
両の乳房の開口部から、ふいに黒い影が伸び出したかと思うと、バシッと由羅の腹を打った。
「ぐ」
体をくの字に折ってうめく由羅。
棘だらけの太い触手が2本、互いに絡みあうようにして宙でのたうっている。
鈍痛の余韻が消えぬうちに、すぐに第2撃が来た。
ブラの肩紐が切れ、生白い乳房が飛び出した。
その乳房を、X字型に交差するようにして、硬い触手が打ち据える。
触手が振るわれるたびに、つややかな由羅の肌に赤い筋が増えていく。
かろうじて下半身に貼りついていたショーツが破れて、由羅はほとんど全裸になってしまっている。
「あう」
由羅は喘いだ。
自分のものとは思えないほど、甘やかな声だった。
打擲の痛撃が、次第に快感に変わっていくのがわかる。
ば、馬鹿な…。
自分で自分が信じられなかった。
どうして?
よりによって、こんな時に…?
意志を肉体が裏切りつつあった。
気持ち、いいのだ。
なぜなら…。
鞭で打たれるのは、ずいぶん久しぶりだったから…。
かつて冬美の支配下に置かれている頃、毎日のように納屋で鞭打たれた。
その時の背徳の快楽を、肌という肌が思い出したのだ。
「ふふ、榊由羅とやら。なんですか。そのざまは」
触手で容赦なく由羅を打擲しながら、可笑しそうに美里が嗤った。
「まさかあなたにこんな性癖があるとは。偶然とはいえ、面白いものね」
「や、やめ…て」
力なく由羅はかぶりを振った。
言葉遣いが変わっていた。
勝気で無鉄砲な少女の自我が身を潜め、マゾヒストのペルソナが潜在意識の底から浮上してきたのだ。
「とても、やめてほしそうには見えないけれど」
美里の言葉とともに、その肌に開いた噴火口から一斉に細い触手が伸びあがる。
おびただしい触手の群れが由羅の裸身にまといつき、ありとあらゆる開口部から体内に侵入し始めた。
口に、耳の穴に、へそに、そして膣に…。
「ああああっ!」
すべての穴を同時に責められて、由羅の裸体が空中でしどけなく反り返る。
脳が痺れるような愉悦に、眼窩の中で由羅の眼球がゆっくりと裏返った。
半開きになった口からはだらりと舌がはみ出し、絶え間なくよだれを垂らしている。
それは股間も同様で、膣から溢れた愛液が小麦色の太腿を滝のように伝って落ちた。
「ルナ、今よ」
快感に痙攣する由羅を見上げながら、冷ややかな口調で美里が言った。
「あなたの念動力で、あの子の手足をばらばらに引きちぎっておやり」
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