超短くても怖い話【ホラーショートショート集】

戸影絵麻

文字の大きさ
203 / 605

第196話 傷だらけのヒロイン ー冒涜の記①ー

しおりを挟む
 先の戦闘で負傷したリン・メイを見舞うことにした。
 リン・メイは対機械獣兵器のパイロットだ。
 先週シン・ヨコハマ市に現れたΩ型機械獣アラダマとの戦闘で瀕死の重傷を負い、クロノス本部直属の病院に入院していた。
 僕は彼女の搭乗兵器の整備士で、会えば軽口を交わし合う仲だった。
 病院の白亜の建物を囲む森林地帯はあちこちで途切れ、黒い地肌が剥き出しになっている。
 その隙間から覗く市街地には度重なる機械獣たちの襲撃の爪痕が残り、でそこかしこから白煙が上がっていた。
 幸いなことにリン・メイは一命をとりとめ、ICUから個室に移されたばかりだった。
 入口のネームプレートをを確かめ、中に入った僕は足音を忍ばせてベッドに近づいた。
 広いベッドに、点滴のチューブや心電図のモニターのコードを身体から生やした少女が寝ていた。
 18歳という年齢の割に華奢で幼く見えるリン・メイは、目を閉じていると尚更あどけない顔をしていた。
 が、正確に言うと、その顔の半分は眼帯に覆われて隠れてしまっている。
 搭乗する人型兵器のコクピットがアラダマに潰された時、彼女の左目も潰れてしまったのだ。
 ドキリとしたのは、彼女の病衣の前がはだけて、包帯を巻いた素肌が見えていることだった。
 一度は目をそらしたものの、たまらずまた凝視してしまっていた。
 この美少女に対して、ずっと抑え込んでいた恋情がふつふつと蘇る。
 エリートパイロットの彼女は整備士の僕にとって高嶺の花だった。
 包帯の下を見たい。
 突如沸き起こったその欲望に突き動かされ、僕はリン・メイの病衣をはぎ取り、震える手で包帯をはがしていた。
 おわんのような形の小ぶりな乳房がふたつ、包帯の下から現れた。
 薔薇色のケロイドの跡が、乳房を縦断して平らな下腹まで、何本も走っている。
 たまらなかった。
 火を噴くような劣情の嵐に、理性が吹き飛ぶのが分かった。
 烈しく怒張した股間の器官を無理やり引っ張り出すと、僕はベッドによじ登った。
 リン・メイの柔らかそうな胸の丘には、一対のピンク色の突起物が咲いている。
 その肉芽に己の器官の先端を押し付け、こね回す。
 突起が固く尖る感触にたちまち快感が背筋を駆け抜け、どくんどくんどくん…。
 身体の芯から沸き起こる脈動の果て、
 どびゅっ。
 気づくと生温かい体液を彼女の裸の胸にかけていた。
 と、その瞬間、少女がパッと目を開いた。
 そして、たった一言、吐き捨てるように、こう言った。
「何よアンタ、気持ち悪い」
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...