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第283話 穢れた英雄①
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日本は滅亡の危機に瀕していた。
X星人が侵略してきたからである。
X星人は、おびただしい数のUFOと巨大な機械獣を使って、すでにアメリカ、ロシア、中国を占拠しており、次は日本ということで、一気に兵力を投入してきたのである。
東京が火の海と化したその日、とある地方都市で暮らす小学6年生の山本サトシは、朝から下痢気味だった。
が、腹痛をがまんし、とにかく逃げようと両親の寝室に突入したのだが、あいにく父と母は全裸でからみあっていた。
以下が、サトシと両親の会話である。
「パパ、ママ、早く逃げようよ」
「もう無理だ。どこに逃げても助からない」
「そんなの逃げてみなけりゃわかんないじゃないか」
「無駄よ無駄。どうせなら、死ぬ前に楽しいことしなきゃ、ね、パパ」
「昼間っからなにしてんだよ。それが楽しいことなのかよ」
「ああ、そうだ。子どものおまえにはわかるまい」
「あん、とってもいいわ、パパのおちんちん」
腰のところでつながった両親は、すぐに息子に関心をなくしたらしく、せっせと行為に没入していった。
「くそ! 僕だけでも逃げ延びてやる!」
涙をぬぐって家を出ようとした時だ。
急に腹がぐるぐると鳴り、サトシは家の前の道路でいきなり脱糞してしまった。
ずん、ずん、ずん。
見ると、ビルの間をX星人の機械獣が近づいてくるところだった。
「うう、なさけない。こんな大事な時に、うんちをちびってしまうとは」
サトシはむせび泣いた。
昨日食べた牡蠣にあたったのだと思った。
「小学生のくせに、生牡蠣なんか食べるからよ」
ふいに声をかけられ、サトシは仰天した。
目の前に、着流し姿の少女が佇んでいる。
切れ長の眼をした、絶世の美少女というやつだ。
「お、おまえは、緋牡丹のお龍…」
お龍はサトシと同じ、市立曙小学校の6年生である。
その美貌と小学生離れしたボディは生唾ものではあったが、いつも学校に和服で登校するので、周囲からは変人として敬遠されている。
せんずりのおかずとしては上玉だけど、友人や恋人としては御免被りたい。
お龍はそんなタイプの不思議少女だったのだ。
「サトシ、いい? 私の言うことを聞きなさい」
着物の裾を割り、艶めかしい太腿を見せびらかしながら、お龍が言った。
「な、なんだよ。藪から棒に」
下痢便を半ズボンの裾から滴らせながら、サトシは言い返した。
「ほっといてくれよ。俺は今、忙しいんだ」
早く家に戻ってシャワーでウンチを洗い流したい。
現在のサトシの頭には、とにかくそれしかない。
いくらお龍が色仕掛けで迫ってきても、今はそういう気分にはなれないのだ。
が、次のお龍の台詞は、サトシの予想のはるか斜め上を行くものだった。
「そのうんちを食べるのよ。世界を破滅から救うために」
「は?」
サトシはわが耳を疑った。
うんちを、食べる?
今、そう聞こえたけど…。
「わからないの? ウンチを食べて、うんちマンになるの」
「ウンチまん?」
「そう。今なら変身できるの。スーパーヒーロー、うんちマンに」
X星人が侵略してきたからである。
X星人は、おびただしい数のUFOと巨大な機械獣を使って、すでにアメリカ、ロシア、中国を占拠しており、次は日本ということで、一気に兵力を投入してきたのである。
東京が火の海と化したその日、とある地方都市で暮らす小学6年生の山本サトシは、朝から下痢気味だった。
が、腹痛をがまんし、とにかく逃げようと両親の寝室に突入したのだが、あいにく父と母は全裸でからみあっていた。
以下が、サトシと両親の会話である。
「パパ、ママ、早く逃げようよ」
「もう無理だ。どこに逃げても助からない」
「そんなの逃げてみなけりゃわかんないじゃないか」
「無駄よ無駄。どうせなら、死ぬ前に楽しいことしなきゃ、ね、パパ」
「昼間っからなにしてんだよ。それが楽しいことなのかよ」
「ああ、そうだ。子どものおまえにはわかるまい」
「あん、とってもいいわ、パパのおちんちん」
腰のところでつながった両親は、すぐに息子に関心をなくしたらしく、せっせと行為に没入していった。
「くそ! 僕だけでも逃げ延びてやる!」
涙をぬぐって家を出ようとした時だ。
急に腹がぐるぐると鳴り、サトシは家の前の道路でいきなり脱糞してしまった。
ずん、ずん、ずん。
見ると、ビルの間をX星人の機械獣が近づいてくるところだった。
「うう、なさけない。こんな大事な時に、うんちをちびってしまうとは」
サトシはむせび泣いた。
昨日食べた牡蠣にあたったのだと思った。
「小学生のくせに、生牡蠣なんか食べるからよ」
ふいに声をかけられ、サトシは仰天した。
目の前に、着流し姿の少女が佇んでいる。
切れ長の眼をした、絶世の美少女というやつだ。
「お、おまえは、緋牡丹のお龍…」
お龍はサトシと同じ、市立曙小学校の6年生である。
その美貌と小学生離れしたボディは生唾ものではあったが、いつも学校に和服で登校するので、周囲からは変人として敬遠されている。
せんずりのおかずとしては上玉だけど、友人や恋人としては御免被りたい。
お龍はそんなタイプの不思議少女だったのだ。
「サトシ、いい? 私の言うことを聞きなさい」
着物の裾を割り、艶めかしい太腿を見せびらかしながら、お龍が言った。
「な、なんだよ。藪から棒に」
下痢便を半ズボンの裾から滴らせながら、サトシは言い返した。
「ほっといてくれよ。俺は今、忙しいんだ」
早く家に戻ってシャワーでウンチを洗い流したい。
現在のサトシの頭には、とにかくそれしかない。
いくらお龍が色仕掛けで迫ってきても、今はそういう気分にはなれないのだ。
が、次のお龍の台詞は、サトシの予想のはるか斜め上を行くものだった。
「そのうんちを食べるのよ。世界を破滅から救うために」
「は?」
サトシはわが耳を疑った。
うんちを、食べる?
今、そう聞こえたけど…。
「わからないの? ウンチを食べて、うんちマンになるの」
「ウンチまん?」
「そう。今なら変身できるの。スーパーヒーロー、うんちマンに」
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