339 / 625
第315話 離島怪異譚(23)
しおりを挟む
これ、やはり、鋼鉄の処女に似てる。
よじ登って近くで見ると、鋼鉄の巨人は少女の顔をしていた。
ただし、患者の頭部が入るよう、顎の下が空洞になっている。
像の上半身は胸から腹にかけてがやはり空洞になっていて、その中に患者が仰臥する仕組みである。
巨像の肌触りはひんやりと冷たく、裸の肌に気持ち悪いことこの上ない。
肋骨が槍ぶすまみたいに両側に並んだ少女像の中にすっぽりと身体を埋め、両足を像の太腿の上にかける。
そうすると、自然に股が全開になって、髑髏男の前に性器を曝け出すことになった。
「イヒヒヒヒ、いいですねえ。もう少しよく見えるように、角度を変えましょう」
髑髏男の声と同時に像の中からウィーンというかすかな音が響き、下半身がせり上がり始めた。
頭のほうが腰より下がっていき、私はブリッジするような体勢を取らされることになった。
恥辱で顔がカーッと熱くなった。
「おお、これで丸見えだ。ああ、なんて綺麗なんだろう。ヴァギナの縁がピンク色で、ほとんど色素の沈着がない。これは中を見るのが楽しみだぞう」
それに輪をかけるように視界の外で髑髏男がそんなことをつぶやき、私をますます羞恥の虜にする。
「でも、開くにはちょっぴり潤いが足りないなあ。君、あれを取ってくれないか。いつものあれだよ。この前、ネットで注文した新しいのが届いてたはずだろう?」
「あれですかあ? もう、先生も好きですねえ。でもあれは、本当は日本では覚せい剤扱いで法律違反になるんでしょ? そんなに毎回使っちゃって、大丈夫なんですかあ?」
看護師の老婆がさもおかしそうに忍び笑いをこらえながら答えたその台詞に、私は慄然とする。
覚せい剤?
たかが堕胎の手術に、いったい何をするつもりなの?
「いいんだよ。こんな辺鄙な町の小さな個人病院が何を使おうと、誰も知ったこっちゃないさ。それに、あれを使わないと、最悪、患者は痛みに耐えかねてショック死することになる」
「ですよねえ。いつ見ても、この手術は地獄ですもんねえ。はいはい、今お渡ししますよ。えーっと、確かこの引き出しに。ああ、ありましたありました。南米産の、超強力催淫剤入り潤滑液」
顏から音を立てて血の気が引くのがわかった。
南米産?
催淫剤入り、何だって?
「そうそう、それだよ。準備する間、君、彼女のビラビラを、鉗子で左右に開いたまま固定しておいてくれたまえ」
「ビラビラとか、ダメですよ、お医者さんがそんな下品な言葉、使っちゃあ。ちゃんとダイインシンって言ってくださいよ」
「ぐふふふふ、それもそうだねえ。この手術の前には、私もついつい自分が医者だってこと、忘れてしまうんだよ」
なんなのだ? この会話は。
この人たち、私にいったい何をしようとしているのだ?
「ちょ、ちょっと、やめてください…」
不自然な体勢から無理やり上体を起こそうとしたその瞬間ー。
おぞましい感触が突然身体の”中心”で発生し、私は思わず小さな悲鳴を上げていた。
よじ登って近くで見ると、鋼鉄の巨人は少女の顔をしていた。
ただし、患者の頭部が入るよう、顎の下が空洞になっている。
像の上半身は胸から腹にかけてがやはり空洞になっていて、その中に患者が仰臥する仕組みである。
巨像の肌触りはひんやりと冷たく、裸の肌に気持ち悪いことこの上ない。
肋骨が槍ぶすまみたいに両側に並んだ少女像の中にすっぽりと身体を埋め、両足を像の太腿の上にかける。
そうすると、自然に股が全開になって、髑髏男の前に性器を曝け出すことになった。
「イヒヒヒヒ、いいですねえ。もう少しよく見えるように、角度を変えましょう」
髑髏男の声と同時に像の中からウィーンというかすかな音が響き、下半身がせり上がり始めた。
頭のほうが腰より下がっていき、私はブリッジするような体勢を取らされることになった。
恥辱で顔がカーッと熱くなった。
「おお、これで丸見えだ。ああ、なんて綺麗なんだろう。ヴァギナの縁がピンク色で、ほとんど色素の沈着がない。これは中を見るのが楽しみだぞう」
それに輪をかけるように視界の外で髑髏男がそんなことをつぶやき、私をますます羞恥の虜にする。
「でも、開くにはちょっぴり潤いが足りないなあ。君、あれを取ってくれないか。いつものあれだよ。この前、ネットで注文した新しいのが届いてたはずだろう?」
「あれですかあ? もう、先生も好きですねえ。でもあれは、本当は日本では覚せい剤扱いで法律違反になるんでしょ? そんなに毎回使っちゃって、大丈夫なんですかあ?」
看護師の老婆がさもおかしそうに忍び笑いをこらえながら答えたその台詞に、私は慄然とする。
覚せい剤?
たかが堕胎の手術に、いったい何をするつもりなの?
「いいんだよ。こんな辺鄙な町の小さな個人病院が何を使おうと、誰も知ったこっちゃないさ。それに、あれを使わないと、最悪、患者は痛みに耐えかねてショック死することになる」
「ですよねえ。いつ見ても、この手術は地獄ですもんねえ。はいはい、今お渡ししますよ。えーっと、確かこの引き出しに。ああ、ありましたありました。南米産の、超強力催淫剤入り潤滑液」
顏から音を立てて血の気が引くのがわかった。
南米産?
催淫剤入り、何だって?
「そうそう、それだよ。準備する間、君、彼女のビラビラを、鉗子で左右に開いたまま固定しておいてくれたまえ」
「ビラビラとか、ダメですよ、お医者さんがそんな下品な言葉、使っちゃあ。ちゃんとダイインシンって言ってくださいよ」
「ぐふふふふ、それもそうだねえ。この手術の前には、私もついつい自分が医者だってこと、忘れてしまうんだよ」
なんなのだ? この会話は。
この人たち、私にいったい何をしようとしているのだ?
「ちょ、ちょっと、やめてください…」
不自然な体勢から無理やり上体を起こそうとしたその瞬間ー。
おぞましい感触が突然身体の”中心”で発生し、私は思わず小さな悲鳴を上げていた。
3
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる