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#405話 数が合わない
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妻と行きつけの蕎麦屋に入った。
私たちを見て、店員が言った。
「おひとりさまですね? カウンター席でもよろしいですか?」
私は妻と顔を見合わせた。
どういうことだ?
この店員には、私たちのどちらかが見えていないということなのか?
「あなた、ひょっとして、もう死んでたりして」
冗談めかした口調で言い、妻が私の顔をのぞきこんだ。
「はあ? 俺が幽霊だとでもいうのか? 馬鹿な。それはおまえのほうだろう?」
驚いて言い返したその時ー。
「いいですよ。私ひとりですから、カウンター席でかまいません」
後ろで声がしたかと思うと、私たちをすり抜けるようにして、スリムな身体つきの若い女性が前へと進み出た。
「ミホ…」
寂しそうに妻がつぶやき、そのつぶやきに私はようやく思い出した。
私たちは、久しぶりにお墓参りに来た娘のミホに文字通り”憑い”て、ここまでやてきていたのだ…。
私たちを見て、店員が言った。
「おひとりさまですね? カウンター席でもよろしいですか?」
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どういうことだ?
この店員には、私たちのどちらかが見えていないということなのか?
「あなた、ひょっとして、もう死んでたりして」
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「はあ? 俺が幽霊だとでもいうのか? 馬鹿な。それはおまえのほうだろう?」
驚いて言い返したその時ー。
「いいですよ。私ひとりですから、カウンター席でかまいません」
後ろで声がしたかと思うと、私たちをすり抜けるようにして、スリムな身体つきの若い女性が前へと進み出た。
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