85 / 230
ACT8 帝国の秘密
#7 リコ②
しおりを挟む
火照って桜色になったつるつるの肌を、お湯のしずくが玉になってすべり落ちていく。
『なあ、イオ、何もしてないのに変身するなんて、いったいありゃ、どういうことなんだよ?』
限界まで熱くしたシャワーの湯を全身に浴びせながら、リコは頭の中のイオに話しかけた。
『それが、私にも何が何だか…。乳首の起動装置を経由しないで、未知のパワーがリコの神経中枢にダイレクトに注入された…。そうとしか言いようがないのですが…』
イオも相当戸惑っているらしいことが、その”口ぶり”からわかった。
『未知のパワーだって? じゃ、そいつはどこから来たっていうのさ?』
『リコの性器から…。私はそんな印象を受けたのですが…』
『性器って、おま〇こか? あの時うちのおま〇こを弄ってたのは、確かアリア…』
『ええ。アリアです。あの娘には、謎が多すぎるようです。リコ、注意すべきなのは、ハルよりむしろアリアのほうかも』
『そうかもな。腸詰帝国が血眼で追い回すくらいだ。うーん、アリアには、確かに何か重大な秘密がありそうな気がするな』
むだな摩擦を避けるために露出度の少ないスウェットの上下に着換えると、タオルで髪を拭きながら、リコは浴室を出た。
食堂に顔を出すと、すでにアリアとハルは顔をそろえていて、テレビのニュース番組を見ているところだった。
「待たせたな」
ふたりから少し距離を置いて、リコは椅子に腰かけた。
「それで、手掛かりってのは、何なんだ?」
単刀直入にそう切り出すと、
「そうだな。説明しよう」
振り向くなり、ハルが言った。
「あのマンションの部屋に、これが落ちていた」
テーブルの上にハルが滑らせてよこしたのは、首にかけるひものついた四角いビニールケースである。
「なんですかあ? ネームプレートみたいですけどお」
リコのほうに寄ってきて、アリアが横から口をはさんだ。
アリアのいう通りだった。
ケースの中には品のいいデザインの厚紙が入っていて、
毛珍坊
というネームが恥ずかしげもなく堂々と印刷されている。
「店の名前を見ろ」
ハルの指摘に目を凝らすと、
「あ、これ、カニバルバーガーだ!」
リコよりひと足早く、アリアが声を上げた。
「今もCMでやってたよ! 『みんなもぐもぐカニバルバーガー!』って」
「そう、カニバルバーガーだ。少し調べてみたが、最近急速に店舗を増やしている新興のハンバーガーチェーンらしい」
「そんなのあるのか。ハンバーガーなんて、マックかモスしか知らないぞ」
「このエリアにも出店している。人口の多い港区あたりだ」
「で、どういうことなんだ? つまり、あの怪人が、このハンバーガーショップの従業員だったって、そういうことなのか?」
「ネームプレートが偽物でなければ、そういうことになるだろう」
「ひゃあ、アリア、いやですぅ。あんな変態お猿のいる店のハンバーガーなんて、誰が食べるものですか!」
「気持ちはわかるが、行ってみる価値はあると思う」
アリアの抗議を遮るようにして、ハルが言った。
「だって、臭わないか? 腸詰とハンバーガーだぞ。関連がないはずないだろう」
『なあ、イオ、何もしてないのに変身するなんて、いったいありゃ、どういうことなんだよ?』
限界まで熱くしたシャワーの湯を全身に浴びせながら、リコは頭の中のイオに話しかけた。
『それが、私にも何が何だか…。乳首の起動装置を経由しないで、未知のパワーがリコの神経中枢にダイレクトに注入された…。そうとしか言いようがないのですが…』
イオも相当戸惑っているらしいことが、その”口ぶり”からわかった。
『未知のパワーだって? じゃ、そいつはどこから来たっていうのさ?』
『リコの性器から…。私はそんな印象を受けたのですが…』
『性器って、おま〇こか? あの時うちのおま〇こを弄ってたのは、確かアリア…』
『ええ。アリアです。あの娘には、謎が多すぎるようです。リコ、注意すべきなのは、ハルよりむしろアリアのほうかも』
『そうかもな。腸詰帝国が血眼で追い回すくらいだ。うーん、アリアには、確かに何か重大な秘密がありそうな気がするな』
むだな摩擦を避けるために露出度の少ないスウェットの上下に着換えると、タオルで髪を拭きながら、リコは浴室を出た。
食堂に顔を出すと、すでにアリアとハルは顔をそろえていて、テレビのニュース番組を見ているところだった。
「待たせたな」
ふたりから少し距離を置いて、リコは椅子に腰かけた。
「それで、手掛かりってのは、何なんだ?」
単刀直入にそう切り出すと、
「そうだな。説明しよう」
振り向くなり、ハルが言った。
「あのマンションの部屋に、これが落ちていた」
テーブルの上にハルが滑らせてよこしたのは、首にかけるひものついた四角いビニールケースである。
「なんですかあ? ネームプレートみたいですけどお」
リコのほうに寄ってきて、アリアが横から口をはさんだ。
アリアのいう通りだった。
ケースの中には品のいいデザインの厚紙が入っていて、
毛珍坊
というネームが恥ずかしげもなく堂々と印刷されている。
「店の名前を見ろ」
ハルの指摘に目を凝らすと、
「あ、これ、カニバルバーガーだ!」
リコよりひと足早く、アリアが声を上げた。
「今もCMでやってたよ! 『みんなもぐもぐカニバルバーガー!』って」
「そう、カニバルバーガーだ。少し調べてみたが、最近急速に店舗を増やしている新興のハンバーガーチェーンらしい」
「そんなのあるのか。ハンバーガーなんて、マックかモスしか知らないぞ」
「このエリアにも出店している。人口の多い港区あたりだ」
「で、どういうことなんだ? つまり、あの怪人が、このハンバーガーショップの従業員だったって、そういうことなのか?」
「ネームプレートが偽物でなければ、そういうことになるだろう」
「ひゃあ、アリア、いやですぅ。あんな変態お猿のいる店のハンバーガーなんて、誰が食べるものですか!」
「気持ちはわかるが、行ってみる価値はあると思う」
アリアの抗議を遮るようにして、ハルが言った。
「だって、臭わないか? 腸詰とハンバーガーだぞ。関連がないはずないだろう」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる