9 / 60
8
しおりを挟む
「そう、精液」
久保がうなずいた。
「切断された足首の足の裏に開いた穴から、男性の精液とおぼしき物質が検出されたのです」
サクランボのような唇からこぼれ出た「精液」のひと言は、あまりに倒錯的で背徳感に満ちていた。
「その、せいえきってのは、ひょっとして、あの、興奮すると男のチンポから出るって言う、アレのこと?」
コホンと咳払いして、あたしは無表情に訊き直す。
生まれて16年、男性経験どころか、男子と手を繋いだこともないあたしにとって、”精液”ほど未知な物はない。
「実際に見たことないですけど、だと思います。精液を鼻や口から出すなんて話、聞いたことないから」
「そりゃ、サーカスじゃあるまいし」
「え? サーカスでは精液を鼻や口から出したりするんですか?」
「いや知らん。てか、そんなはずないだろ」
ともあれ、久保も処女らしいとわかって急にあたしは心が軽くなる。
いっそ、今からこいつのこと、親友と呼んでもいいほどだ。
「けど、なんで久保はそんなこと。それって警察の秘密情報じゃ?」
「鑑識の源さんが教えてくれたんです。以前話したでしょ。源さん、うちの隣に住んでるから、よく立ち話で色々な情報を教えてくれるって」
久保は大学教授の父親と二人暮らし。
そういえば、前の事件の時も、そんなことがあったような。
けど、それって犯罪じゃ?
とにかく、美少女は得だと、そういうわけか。
久保がうなずいた。
「切断された足首の足の裏に開いた穴から、男性の精液とおぼしき物質が検出されたのです」
サクランボのような唇からこぼれ出た「精液」のひと言は、あまりに倒錯的で背徳感に満ちていた。
「その、せいえきってのは、ひょっとして、あの、興奮すると男のチンポから出るって言う、アレのこと?」
コホンと咳払いして、あたしは無表情に訊き直す。
生まれて16年、男性経験どころか、男子と手を繋いだこともないあたしにとって、”精液”ほど未知な物はない。
「実際に見たことないですけど、だと思います。精液を鼻や口から出すなんて話、聞いたことないから」
「そりゃ、サーカスじゃあるまいし」
「え? サーカスでは精液を鼻や口から出したりするんですか?」
「いや知らん。てか、そんなはずないだろ」
ともあれ、久保も処女らしいとわかって急にあたしは心が軽くなる。
いっそ、今からこいつのこと、親友と呼んでもいいほどだ。
「けど、なんで久保はそんなこと。それって警察の秘密情報じゃ?」
「鑑識の源さんが教えてくれたんです。以前話したでしょ。源さん、うちの隣に住んでるから、よく立ち話で色々な情報を教えてくれるって」
久保は大学教授の父親と二人暮らし。
そういえば、前の事件の時も、そんなことがあったような。
けど、それって犯罪じゃ?
とにかく、美少女は得だと、そういうわけか。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる