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第2部 ヒバナ、フィーバードリーム!
#14 カイの怒り
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「何を言い出すかと思ったら」
大男が、むっとした表情になる。
「レオンってのは、タケミカヅチのことか」
「はい。彼はあれでも、一応私の師匠なので」
「師匠だかなんだか知らないが、残念ながら、そうはいかねえんだよ」
吐き捨てるように、大男、武藤塊が言う。
「妹さんのことですか?」
レオンと塊のやり取りを思い出して、ヒバナはたずねた。
「なんだ、聞いてたのか」
鼻白む塊。
「ええ、気を失いかけてる時、色々聞こえちゃったんで」
ぺろりと舌を出すヒバナ。
「なら話は早い。あいつは、妹の頼子の仇なんだ。あいつが、あんなことさえ、しなければ…」
「頼子さんって、言うんだ」
「ああ、生きてれば、18だ。ちょうどおまえさんくらいの年だろうよ」
「何があったんです? よければ教えていただけませんか?」
「はあ? なんで赤の他人のおまえなんかに」
塊が目を丸くする。
「私はレオンを助けたいんです。どんな事情があろうとも」
「ダメだと言ったら?」
「その時は」
ヒバナはベッドから飛び降りた。
身体の調子は上々だ。
むしろ前より軽くなったくらい。
「私が身体を張ってあなたを止めます」
「なんだとォ?」
塊が信じられないといったふうに、ヒバナの全身を眺めた。
セミヌードのヒバナは、スレンダーなボディの小柄な娘である。
近世の取れた体つきをしているが、とても強そうには見えないのだ。
「ここではなんですから、外に出てください」
塊を睨み据えたまま、ヒバナは言った。
「正気かおまえ。そのひ弱な身体で俺に勝てるとでも? だいたいまだ、傷が治ったばかりなんだろう?」
「やってみなきゃ、わかりません。あずみちゃん、武器」
ヒバナはあずみのほうに右手を差し出した。
「あと、コスチュームも」
「はい、これ。コスは洗っておいたから、そろそろ乾いてると思うけど」
あずみは反対する素振りもない。
むしろ事態の成り行きを面白がっているようだ。
「やれやれ」
つぶやいたのは、ミミである。
「若いってのは、いいねえ。あたしやレオンは、少々歳をとりすぎたよ」
「じゃ、10分後。外で」
ヒバナはそう言い残すと、塊にくるりと背を向けた。
その背中に、ひずみがあわてて声をかける。
「ヒバナ、どこ行くの? そっちはトイレだよ? 着替えるなら脱衣場はこっちだってば」
大男が、むっとした表情になる。
「レオンってのは、タケミカヅチのことか」
「はい。彼はあれでも、一応私の師匠なので」
「師匠だかなんだか知らないが、残念ながら、そうはいかねえんだよ」
吐き捨てるように、大男、武藤塊が言う。
「妹さんのことですか?」
レオンと塊のやり取りを思い出して、ヒバナはたずねた。
「なんだ、聞いてたのか」
鼻白む塊。
「ええ、気を失いかけてる時、色々聞こえちゃったんで」
ぺろりと舌を出すヒバナ。
「なら話は早い。あいつは、妹の頼子の仇なんだ。あいつが、あんなことさえ、しなければ…」
「頼子さんって、言うんだ」
「ああ、生きてれば、18だ。ちょうどおまえさんくらいの年だろうよ」
「何があったんです? よければ教えていただけませんか?」
「はあ? なんで赤の他人のおまえなんかに」
塊が目を丸くする。
「私はレオンを助けたいんです。どんな事情があろうとも」
「ダメだと言ったら?」
「その時は」
ヒバナはベッドから飛び降りた。
身体の調子は上々だ。
むしろ前より軽くなったくらい。
「私が身体を張ってあなたを止めます」
「なんだとォ?」
塊が信じられないといったふうに、ヒバナの全身を眺めた。
セミヌードのヒバナは、スレンダーなボディの小柄な娘である。
近世の取れた体つきをしているが、とても強そうには見えないのだ。
「ここではなんですから、外に出てください」
塊を睨み据えたまま、ヒバナは言った。
「正気かおまえ。そのひ弱な身体で俺に勝てるとでも? だいたいまだ、傷が治ったばかりなんだろう?」
「やってみなきゃ、わかりません。あずみちゃん、武器」
ヒバナはあずみのほうに右手を差し出した。
「あと、コスチュームも」
「はい、これ。コスは洗っておいたから、そろそろ乾いてると思うけど」
あずみは反対する素振りもない。
むしろ事態の成り行きを面白がっているようだ。
「やれやれ」
つぶやいたのは、ミミである。
「若いってのは、いいねえ。あたしやレオンは、少々歳をとりすぎたよ」
「じゃ、10分後。外で」
ヒバナはそう言い残すと、塊にくるりと背を向けた。
その背中に、ひずみがあわてて声をかける。
「ヒバナ、どこ行くの? そっちはトイレだよ? 着替えるなら脱衣場はこっちだってば」
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