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#27 テロリスト殲滅作戦⑦
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連れて行かれたのは、小さめの体育館のような部屋である。
違うのは、壁面に大きなパネルがあって、色々な動物の画像が並んでいる点だ。
画像にはそれぞれ数字が振ってある。
なんだろう?
その前に立って首をかしげていると、
「これがこの闘技場で戦えるモンスター。数字はそのモブのレベルを現してるの。やり方は簡単。好きなパネルをタッチすれば、4匹までモブをバトルフィールドに出現させられるってわけ」
そう、游奈が説明してくれた。
磨き上げられた床の真ん中に、白線で囲まれたサークルがある。
たぶんあれがバトルフィールドということなのだろう。
「私、まだレベル5だから、このキツネくらいがちょうどいいかな」
キタキツネみたいなモブのパネルに手を伸ばそうとした時である。
「ノンノンノンノン!」
マオマオが僕の手首を握って押しとどめた。
「自分と同じレベルの敵と戦っても、経験値やAPはあまり稼げないよ。少なくとも、マオマオたちとパーティ組むなら、それ以上の相手でないと」
なるほど。
言われてみれば、その通りである。
MMOなどでは、高レベルのパーティに低レベルの者が混じって戦うと、後者には同レベルのモブとの戦闘の時よりたくさん経験値が入る。
短時間で一気にレベル上げしたいなら、当然そのほうがいいに決まっている。
「それ以上って…どれくらい?」
念のため訊いてみると、
「ラビが33、游奈が35、マオマオが42。だからここは42以上の敵でないとね」
レベル42.
ずいぶんと差があるな。
とすると相手は…。
うひゃ、なんだこりゃ。
「42」のナンバーを打たれた画像は、触手が身体中から生えた球体状の奇怪な生き物である。
触手の先はみんな目になっていて、見るからにヤバいムードがぷんぷんする。
「モルボルクィーンか。あは、こりゃ、なかなかの強敵だね」
ラビが茶目っ気たっぷりに、ペロッと舌を出す。
「うーん、これ、複数の状態異常系魔法使ってくるアレでしょ? これ4匹はさすがにきついから、女子高生らしさを発揮できるように、別のも混ぜておいたほうがよくないかな?」
心配そうに游奈が横から口を出す。
「そうだねん。モルボルの弱点を突けるモブっていうと、打撃系がいいよねん。じゃ、このヒグマンモスで」
マオマオが指し示したのは、見るからに狂暴そうなモンスターだった。
名前の通り、マンモスの身体にヒグマの上半身がくっついている。
マジかよ。
いきなりこんなんと闘うのかよ。
いささかげんなりしていると、
「きーめた!」
ぴょんと飛び上がって、ラビが叫んだ。
「あたし、次のジョブ、戦士でいくよ。みんなを盾で守れるようにね」
「あの、ジョブチェンジって、できるわけ?」
意外に思って訊いてみると、
「はあい。レベル30になればねん。だからあなたには当分無理だよん」
あっさりした口調で、マオマオが答えた。
違うのは、壁面に大きなパネルがあって、色々な動物の画像が並んでいる点だ。
画像にはそれぞれ数字が振ってある。
なんだろう?
その前に立って首をかしげていると、
「これがこの闘技場で戦えるモンスター。数字はそのモブのレベルを現してるの。やり方は簡単。好きなパネルをタッチすれば、4匹までモブをバトルフィールドに出現させられるってわけ」
そう、游奈が説明してくれた。
磨き上げられた床の真ん中に、白線で囲まれたサークルがある。
たぶんあれがバトルフィールドということなのだろう。
「私、まだレベル5だから、このキツネくらいがちょうどいいかな」
キタキツネみたいなモブのパネルに手を伸ばそうとした時である。
「ノンノンノンノン!」
マオマオが僕の手首を握って押しとどめた。
「自分と同じレベルの敵と戦っても、経験値やAPはあまり稼げないよ。少なくとも、マオマオたちとパーティ組むなら、それ以上の相手でないと」
なるほど。
言われてみれば、その通りである。
MMOなどでは、高レベルのパーティに低レベルの者が混じって戦うと、後者には同レベルのモブとの戦闘の時よりたくさん経験値が入る。
短時間で一気にレベル上げしたいなら、当然そのほうがいいに決まっている。
「それ以上って…どれくらい?」
念のため訊いてみると、
「ラビが33、游奈が35、マオマオが42。だからここは42以上の敵でないとね」
レベル42.
ずいぶんと差があるな。
とすると相手は…。
うひゃ、なんだこりゃ。
「42」のナンバーを打たれた画像は、触手が身体中から生えた球体状の奇怪な生き物である。
触手の先はみんな目になっていて、見るからにヤバいムードがぷんぷんする。
「モルボルクィーンか。あは、こりゃ、なかなかの強敵だね」
ラビが茶目っ気たっぷりに、ペロッと舌を出す。
「うーん、これ、複数の状態異常系魔法使ってくるアレでしょ? これ4匹はさすがにきついから、女子高生らしさを発揮できるように、別のも混ぜておいたほうがよくないかな?」
心配そうに游奈が横から口を出す。
「そうだねん。モルボルの弱点を突けるモブっていうと、打撃系がいいよねん。じゃ、このヒグマンモスで」
マオマオが指し示したのは、見るからに狂暴そうなモンスターだった。
名前の通り、マンモスの身体にヒグマの上半身がくっついている。
マジかよ。
いきなりこんなんと闘うのかよ。
いささかげんなりしていると、
「きーめた!」
ぴょんと飛び上がって、ラビが叫んだ。
「あたし、次のジョブ、戦士でいくよ。みんなを盾で守れるようにね」
「あの、ジョブチェンジって、できるわけ?」
意外に思って訊いてみると、
「はあい。レベル30になればねん。だからあなたには当分無理だよん」
あっさりした口調で、マオマオが答えた。
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