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#28 テロリスト殲滅作戦⑧

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 中央のサークルの端に立つと、BGMが鳴り響き、いきなり模擬戦闘が始まった。
 ラビと游奈はおそろいのピンクのパジャマ、マオマオはチャイナドレス。
 俺ときたら、セーラー服にミニひだスカートのままだ。
 戦士にジョブチェンジしたラビの武器は右手のロングソード。左手には丸い盾を装備している。
 游奈はいかにも魔法使いっぽい、先が「?」型に曲がった杖を持ち、マオマオはなぜか扇子をかざしている。
 ”女子高生”の俺は、もちろん素手である。
 敵はモルボルクィーン2体とヒグマンモス2体。
 どれも体長数メートルはある、見上げるほどの大物ばかり。
 4匹ともHPバーは俺の10倍はありそうな長さである。
 視界右隅のターンゲージを確認すると、案の定、俺は一番下だった。
 幸いなことにマオマオが一番上で、その後にヒグマンモスA、ラビ、ヒグマンモスB、游奈、モルボルクィーンB、モルボルクィーンA、と続いている。
「じゃあ、みんな行くよ。まずはバリア、張っとくからね」
 
『戦闘開始』

 のテロップが消えると、チャイナドレス姿のマオマオが言い、扇を開いてくるりと旋回した。
 チャイナドレスは背中が腰まで開いていて、踊るマオマオはなんだかバブル時代のディスコクィーンみたいである。
 パンパンパンパン!
 乾いた音とともに、目の前に昆虫の複眼を透明にしたようなバリアが張りめくらされるのがわかった。
 透明なんだけど、照明の加減で一部が光って見えるのlだ。
「これで物理攻撃のダメージは、50パーセント以上カットできるはず」
 踊りを負えてマオマオが言った。
「だから杏里、安心してアレやってみせて」
「アレって?」
 突然話を振られて、俺はきょとんとした。
 なんだろう、あれって?
 第一、まだ俺のターンは来てないのに。
「”女子高生”なら、パンチラに決まってるでしょ? パンチラはターン関係ないし、今すぐにでもできるから」
「は?」
 この時の俺は、おそらく鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていたに違いない。
「あー、そっか、まだ聞いてないんだね」
 俺の呆気にとられた顔を見て、マオマオが納得したようにうなずいた。
「敵の技を”予習”しやすいように、”女子高生”は最初に相手の囮になるってのが、戦い方の基本なの。だから”女子高生”に余分な装備は要らないわけ。そのためのミニスカート、そのための美尻、そのための美乳、そのためのアイドルフェイスなんだから」

 
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