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第6章 アンアン魔界行
#48 アンアン、ミドルバベルへ⑪
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阿修羅は飛ぶような足取りで恐竜に向かっていく。
スカートの下から時々垣間見える、小麦色に焼けた健康的な太腿と真っ白なパンティが目にまぶしい。
何をするつもりかとその一挙手一投足を注視していると、恐竜の尾のつけ根の真下で立ちどまり、
「えい!」
といきなり独鈷を突き上げた。
物干し竿ほどに伸びた独鈷の先端が貫いたのは、何を隠そう、あろうことか、恐竜の肛門である。
「ぎゃ」
ティラノサウルスが絶句して、尻尾をぴんと跳ね上げるのが遠目にもはっきりと見て取れた。
独鈷を汚したくない、と阿修羅が言っていたのは、このことだったのだ。
恐るべし、アナル攻撃。
さしもの白亜紀の暴君も、アナルを攻撃されたのは、おそらくこれが初めての経験に違いない。
「アンアン、今だよ! やっちまいな!」
独鈷をぐりぐり回しながら、阿修羅が叫んだ。
「おう」
アンアンが力強くうなずいた。
と思ったら、
「ぐあああああああああああああああっ!」
両腕に渾身の力を込めて、恐竜の顎を上下に引き裂き始めたではないか!
めりめりめりっ!
腱の千切れるものすごい音が、静かな道路一帯に響き渡った。
血がしぶき、ドスドスと足を踏み鳴らして暴れるティラノ。
が、アンアンはヘッドロックをかけたまま、いっこうにその口を放そうとしない。
バキッ、ベリッ。
恐竜の頭部がふたつに裂けるまでに、大して時間はかからなかった。
「どうだ、まいったか」
アンアンが腕を放した。
ドスン。
地響きを立てて、顎のつけ根までまっぷたつに裂けた恐竜が、アンアンの足元に崩れ落ちた。
「やったね」
しゅるしゅると等身大に戻ったアンアンと、ハイタッチを交わす阿修羅。
しかし、である。
あのティラノサウルスをやっつけるなんて、まったくもっていいコンビと言うしかない。
「終わりましたかあ?」
そこに、まさおに乗った玉と一ノ瀬が、のんびりした様子でのこのこと戻ってきた。
「最寄りの道の駅まで急ごう」
両手にべっとりついた血糊をふり払いながら、アンアンが言った。
「別のやっかいなやつが、襲いかかってこないうちに」
「そうですよねえ。たとえばあの鳥さんですかねえ」
こともなげに反応して、玉が指さしたのは、空である。
「うは」
僕は息を呑んだ。
頭上を、巨大な鳥が2羽、悠々と旋回している。
ジェット旅客機ほどもある、でっかい鳥だ。
「げ」
一ノ瀬がうめいた。
「げげっ」
バッタめいた顔から、半分以上目玉が飛び出している。
「あ、あれは鳥なんかじゃない。よ、翼竜だ。ほら、なんて言ったっけ。そ、そう、プ、プテラノドンってやつ」
スカートの下から時々垣間見える、小麦色に焼けた健康的な太腿と真っ白なパンティが目にまぶしい。
何をするつもりかとその一挙手一投足を注視していると、恐竜の尾のつけ根の真下で立ちどまり、
「えい!」
といきなり独鈷を突き上げた。
物干し竿ほどに伸びた独鈷の先端が貫いたのは、何を隠そう、あろうことか、恐竜の肛門である。
「ぎゃ」
ティラノサウルスが絶句して、尻尾をぴんと跳ね上げるのが遠目にもはっきりと見て取れた。
独鈷を汚したくない、と阿修羅が言っていたのは、このことだったのだ。
恐るべし、アナル攻撃。
さしもの白亜紀の暴君も、アナルを攻撃されたのは、おそらくこれが初めての経験に違いない。
「アンアン、今だよ! やっちまいな!」
独鈷をぐりぐり回しながら、阿修羅が叫んだ。
「おう」
アンアンが力強くうなずいた。
と思ったら、
「ぐあああああああああああああああっ!」
両腕に渾身の力を込めて、恐竜の顎を上下に引き裂き始めたではないか!
めりめりめりっ!
腱の千切れるものすごい音が、静かな道路一帯に響き渡った。
血がしぶき、ドスドスと足を踏み鳴らして暴れるティラノ。
が、アンアンはヘッドロックをかけたまま、いっこうにその口を放そうとしない。
バキッ、ベリッ。
恐竜の頭部がふたつに裂けるまでに、大して時間はかからなかった。
「どうだ、まいったか」
アンアンが腕を放した。
ドスン。
地響きを立てて、顎のつけ根までまっぷたつに裂けた恐竜が、アンアンの足元に崩れ落ちた。
「やったね」
しゅるしゅると等身大に戻ったアンアンと、ハイタッチを交わす阿修羅。
しかし、である。
あのティラノサウルスをやっつけるなんて、まったくもっていいコンビと言うしかない。
「終わりましたかあ?」
そこに、まさおに乗った玉と一ノ瀬が、のんびりした様子でのこのこと戻ってきた。
「最寄りの道の駅まで急ごう」
両手にべっとりついた血糊をふり払いながら、アンアンが言った。
「別のやっかいなやつが、襲いかかってこないうちに」
「そうですよねえ。たとえばあの鳥さんですかねえ」
こともなげに反応して、玉が指さしたのは、空である。
「うは」
僕は息を呑んだ。
頭上を、巨大な鳥が2羽、悠々と旋回している。
ジェット旅客機ほどもある、でっかい鳥だ。
「げ」
一ノ瀬がうめいた。
「げげっ」
バッタめいた顔から、半分以上目玉が飛び出している。
「あ、あれは鳥なんかじゃない。よ、翼竜だ。ほら、なんて言ったっけ。そ、そう、プ、プテラノドンってやつ」
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