乙女狩り

＃10 第3の死③

　こうしている間にも、時間はどんどん過ぎていく。

　どうしよう。

　アルバイトに行くべきか、行かざるべきか。

　三度目の正直なのか、二度あることは三度ある、なのか。

　たしかにあたしは、二度死んだ。

　二度とも死んで、気づくと朝起きた時の状況に戻っていた。

　夢だと思いたい。

　その証拠に、身体中を点検してみたけど、首を絞められた跡も、苦しみのあまり、その…。

　漏らしてしまった跡も、どこにもない。

　ただ、窒息する瞬間の地獄のような苦しみだけは、心臓を刺された時の激痛とともに、記憶に残っていた。

　ええい、ままよ。

　あたしは跳び起きた。

　とりあえず、行くだけ行ってみよう。

　その代わり、今度は色々試してみるのだ。

　時間はないけど、運命を変えるために、あえてシャワーを浴びた。

　そうして、お気に入りのブラとTバックパンティを身に着ける。

　万が一、また殺されて検死される時、下着は新品のほうがいい。

　ふとそう思ったからだった。