あずみ、フィーバードリーム!

戸影絵麻

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#43 歓楽街の死闘①

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 夜の駅裏は独特のムードを醸し出していた。

 きらめくネオン、露出度の高い服を着たお姉さんたち、そこに黒服やら客引きやらが入り混じってほとんどカオスの状況を呈している。

 少なくとも、あずみのような高校生や僕のような大学生が来るような場所ではない。

「おかしいな、住所からすると、ここなんだけど」

 あずみが立ち止まったのは、ひと際ボロい雑居ビルの前だった。

 そのビルにはファッションヘルスとかガールズバーなどのいかがわしい看板がいっぱい出ていて、セーラー服を着込んだスタイルのいいあずみはそのどれかの従業員に間違われそうだった。

 近くの店の前に立つ客引きたちがさっきからあずみのほうを注視しているのに気づき、僕は気が気でなかった。

 むろん、あずみの身を心配しているのではない。

 万が一事が起こった時、被害を受けるのは間違いなく彼らのほうなのである。

「あずみさあ、あの薬屋の広告、何かの合図だと思うんだよね」

 写メで撮ってきた写真をスマホで見ながら、あずみが言った。

「どういうこと?」

 僕が訊くと、

「だって、あの広告、佐々木さんが集めたヤバい事件の紙面には必ず載ってるわけでしょ? それ以外のところで、青ひげ薬局なんて見たことも聞いたこともないもん」

 確かにそうだ。

 ファイルにあったのは、どこかの廃病院跡で無数の人骨が発見された記事と、連続女子高生失踪事件の記事。

 でも、あれがメッセージだとすれば、誰が誰に当てたものなのだろう?

「薬局があるとしたら地下かな」

 あずみが地下に伸びる階段をのぞきこんだ。

 その先は通路になっていて、いくつかの店が軒を連ねているようだ。

「行ってみよう」

 あずみが僕の手を引いた時、

「あんたたち、何してるの?」

 思いがけないほど近くから声がして、僕は危うく悲鳴を上げそうになった。
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