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第7部 蹂躙のヤヌス
#42 篭絡
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部屋に重人を導き入れると、隅にあった丸椅子を引っ張り出して、杏里は机の横にセットした。
「何考えてるんだよ。急に勉強教えてだなんて」
部屋の入口に突っ立ったまま、重人が抗議した。
よほど意識しているのか、相変わらず、杏里のほうを見ようともしない。
「いいから座って」
杏里は重人の手を取ると、強引に引き寄せ、丸椅子に座らせた。
「確かに勉強も大事だけど、今は美里の本性を暴くのが先決だろう? 早く尻尾をつかまえて…」
重人が急に黙り込んだのは、自分の椅子に座った杏里が、ぐいと体を密着させたからだった。
当然のことながら、杏里の勉強机はひとりがけである。
そこに二人並んで向かい合うとしたら、身体と体をくっつけるしかない。
杏里はざっくりしたミニワンピースと小さなパンティを身に着けているだけで、ブラジャーすらしていない。
前かがみになると、大きく開いた胸元から、特大のマシュマロみたいな真っ白な乳房が覗いた。
逸らされていた重人の視線が、その胸の谷間に釘付けになる。
面白いほどの変わりようだった。
あれほど性に無関心だったこの少年が、今や磁石に吸い寄せられる鉄釘みたいに、杏里の肉体の虜になろうとしているのだ。
いずなと杏里の中継器の役割を果たしたために、眠っていた快楽中枢を無理やり覚醒させられたといったところなのだろう。
「私だって、ちゃんと考えてる」
机の上に数学の教科書を広げながら、杏里はむき出しの太腿を重人の足に擦りつけた。
「そのことを話す前にね、ほら、この問題」
「しょうがないなあ。どれだよ」
教科書の上に身を乗り出し、シャープペンシルを手に取る重人。
「これなの」
杏里はその重人の腕に乳房を押しつけ、耳に息がかかるほど近くでささやいた。
同時に右手を重人の太腿の上に置き、指をゆっくり上下させ始めている。
「こんなの、いくら杏里でも、例題読んでからやればすぐできるよ。何も僕が教えなくても」
身体を押しつけてくる杏里から逃れようと身をよじりながら、重人が迷惑そうに言う。
「そんなこと言わないで」
杏里の右手はすでに重人のズボンの中心にある。
そこがもう硬くなり始めているのを確認すると、杏里は一気に攻勢に出た。
「ねえ、重人、私のこと、どう思う?」
シャープペンごと、左手で重人の右手を握った。
指を一本一本開かせ、そのつけ根をゆっくりと撫でさする。
「なんだよ、急に…」
重人の手からシャープが落ちた。
びっくりしたように振り向いたその顔から、眼鏡をはずしてやる。
「よ、よせ。見えないよ」
うろたえる重人。
「ふふ、あなた、意外に可愛い顔してる」
杏里は吹き出した。
実際、眼鏡をはずした重人は、あどけなさが増して妙に可愛らしい。
「ねえ、重人。あなた、私のこの身体に、まだ興味がないって言い切れる?」
ぎりぎりまで顔を近づけて、目をのぞき込む。
「ちょ、ちょっと、やめて…」
杏里の右手は、別種の生き物みたいに動き始めている。
ズボンの上から重人のペニスをさぐり当て、リズミカルにもみしだいているのだ。
「答えて」
至近距離で重人の目を見つめたまま、杏里は言った。
「あふ」
重人がうめいた。
杏里の手の中で、未成熟な肉棒がせいいっぱいその存在を主張しようとしている。
「き、君は、確かに魅力的だよ」
やっとのことで、重人が答えた。
「ぼ、僕、い、今まで、君の悪口、いろいろ言ったけど、間違ってたって、今は思ってる…」
「うれしい」
杏里は微笑んだ。
かさかさに乾いた重人の唇に、そっと自分の濡れた唇を押しつける。
「じゃ、触ってくれる?」
重人の右手を引き寄せて、ワンピースの上から胸のふくらみに当ててやる。
「あ、杏里…」
「知ってるでしょ? 私がどんな女かってこと」
餌をついばむ小鳥のように、唇の先で重人の唇に触れながら、杏里は言った。
「私が、何をされれば悦ぶかってことも…」
「待てよ…そんなの、できないよ」
重人がゆるゆるとかぶりを振った。
頬が紅潮して、まるで熱病にでもかかったみたいに全身を震わせている。
「こんなに、硬くなってるのに?」
杏里は左手で重人のペニスをぎゅっと握りしめた。
「くう」
丸椅子に座ったまま、腰を浮かせる重人。
「だ、だめだよ、そ、そんなことされたら、また…」
「また、どうなるの?」
杏里の愛撫は執拗だ。
ズボンの生地を通しても、男を絶頂に導くなどわけはない。
「出ちゃうよ…」
「出ちゃう? 出ちゃうって、何が?」
「そ、そんなの、恥ずかしくて、言えないよ…」
「ふふ、いつも強気の重人君は、どこいったの?」
「だ、だって…これは、僕の領分じゃない」
「ねえ、私としたい?」
だしぬけに杏里は言った。
「きのう、見たでしょ? いずなちゃんとつながるときに、私の頭の中も」
「あ、ああ」
「とっても恥ずかしい私の姿、いっぱい見ちゃったのよね?」
「う、うん…」
「だからこんなに感じ易くなっちゃったんだ。ずっと不感症だったのに」
「不感症は、ひどいな…。僕はただ、目覚めてなかっただけなんだ」
重人の瞳には、何かに憑かれたような光が宿っている。
それを杏里は見逃さなかった。
「この身体、重人の思い通りにさせてあげる」
妖艶に微笑んで、杏里はささやいた。
右手はすでに重人のズボンの中に入り込んでいる。
「あ、杏里…」
生でペニスを握られて、重人が切なそうにため息をつく。
「その代わり、協力してほしいの」
亀頭の裏側を撫でさすりながら、杏里は言った。
「勇次や冬美には内緒で」
手のひらでペニスを包み込み、睾丸まで指を伸ばしていく。
「な、何だよ…」
重人の瞳が宙を泳いだ。
快感ですっかり上の空になってしまっている。
「美里先生のこと。先生は、私がこの手で仕留めたい」
「何考えてるんだよ。急に勉強教えてだなんて」
部屋の入口に突っ立ったまま、重人が抗議した。
よほど意識しているのか、相変わらず、杏里のほうを見ようともしない。
「いいから座って」
杏里は重人の手を取ると、強引に引き寄せ、丸椅子に座らせた。
「確かに勉強も大事だけど、今は美里の本性を暴くのが先決だろう? 早く尻尾をつかまえて…」
重人が急に黙り込んだのは、自分の椅子に座った杏里が、ぐいと体を密着させたからだった。
当然のことながら、杏里の勉強机はひとりがけである。
そこに二人並んで向かい合うとしたら、身体と体をくっつけるしかない。
杏里はざっくりしたミニワンピースと小さなパンティを身に着けているだけで、ブラジャーすらしていない。
前かがみになると、大きく開いた胸元から、特大のマシュマロみたいな真っ白な乳房が覗いた。
逸らされていた重人の視線が、その胸の谷間に釘付けになる。
面白いほどの変わりようだった。
あれほど性に無関心だったこの少年が、今や磁石に吸い寄せられる鉄釘みたいに、杏里の肉体の虜になろうとしているのだ。
いずなと杏里の中継器の役割を果たしたために、眠っていた快楽中枢を無理やり覚醒させられたといったところなのだろう。
「私だって、ちゃんと考えてる」
机の上に数学の教科書を広げながら、杏里はむき出しの太腿を重人の足に擦りつけた。
「そのことを話す前にね、ほら、この問題」
「しょうがないなあ。どれだよ」
教科書の上に身を乗り出し、シャープペンシルを手に取る重人。
「これなの」
杏里はその重人の腕に乳房を押しつけ、耳に息がかかるほど近くでささやいた。
同時に右手を重人の太腿の上に置き、指をゆっくり上下させ始めている。
「こんなの、いくら杏里でも、例題読んでからやればすぐできるよ。何も僕が教えなくても」
身体を押しつけてくる杏里から逃れようと身をよじりながら、重人が迷惑そうに言う。
「そんなこと言わないで」
杏里の右手はすでに重人のズボンの中心にある。
そこがもう硬くなり始めているのを確認すると、杏里は一気に攻勢に出た。
「ねえ、重人、私のこと、どう思う?」
シャープペンごと、左手で重人の右手を握った。
指を一本一本開かせ、そのつけ根をゆっくりと撫でさする。
「なんだよ、急に…」
重人の手からシャープが落ちた。
びっくりしたように振り向いたその顔から、眼鏡をはずしてやる。
「よ、よせ。見えないよ」
うろたえる重人。
「ふふ、あなた、意外に可愛い顔してる」
杏里は吹き出した。
実際、眼鏡をはずした重人は、あどけなさが増して妙に可愛らしい。
「ねえ、重人。あなた、私のこの身体に、まだ興味がないって言い切れる?」
ぎりぎりまで顔を近づけて、目をのぞき込む。
「ちょ、ちょっと、やめて…」
杏里の右手は、別種の生き物みたいに動き始めている。
ズボンの上から重人のペニスをさぐり当て、リズミカルにもみしだいているのだ。
「答えて」
至近距離で重人の目を見つめたまま、杏里は言った。
「あふ」
重人がうめいた。
杏里の手の中で、未成熟な肉棒がせいいっぱいその存在を主張しようとしている。
「き、君は、確かに魅力的だよ」
やっとのことで、重人が答えた。
「ぼ、僕、い、今まで、君の悪口、いろいろ言ったけど、間違ってたって、今は思ってる…」
「うれしい」
杏里は微笑んだ。
かさかさに乾いた重人の唇に、そっと自分の濡れた唇を押しつける。
「じゃ、触ってくれる?」
重人の右手を引き寄せて、ワンピースの上から胸のふくらみに当ててやる。
「あ、杏里…」
「知ってるでしょ? 私がどんな女かってこと」
餌をついばむ小鳥のように、唇の先で重人の唇に触れながら、杏里は言った。
「私が、何をされれば悦ぶかってことも…」
「待てよ…そんなの、できないよ」
重人がゆるゆるとかぶりを振った。
頬が紅潮して、まるで熱病にでもかかったみたいに全身を震わせている。
「こんなに、硬くなってるのに?」
杏里は左手で重人のペニスをぎゅっと握りしめた。
「くう」
丸椅子に座ったまま、腰を浮かせる重人。
「だ、だめだよ、そ、そんなことされたら、また…」
「また、どうなるの?」
杏里の愛撫は執拗だ。
ズボンの生地を通しても、男を絶頂に導くなどわけはない。
「出ちゃうよ…」
「出ちゃう? 出ちゃうって、何が?」
「そ、そんなの、恥ずかしくて、言えないよ…」
「ふふ、いつも強気の重人君は、どこいったの?」
「だ、だって…これは、僕の領分じゃない」
「ねえ、私としたい?」
だしぬけに杏里は言った。
「きのう、見たでしょ? いずなちゃんとつながるときに、私の頭の中も」
「あ、ああ」
「とっても恥ずかしい私の姿、いっぱい見ちゃったのよね?」
「う、うん…」
「だからこんなに感じ易くなっちゃったんだ。ずっと不感症だったのに」
「不感症は、ひどいな…。僕はただ、目覚めてなかっただけなんだ」
重人の瞳には、何かに憑かれたような光が宿っている。
それを杏里は見逃さなかった。
「この身体、重人の思い通りにさせてあげる」
妖艶に微笑んで、杏里はささやいた。
右手はすでに重人のズボンの中に入り込んでいる。
「あ、杏里…」
生でペニスを握られて、重人が切なそうにため息をつく。
「その代わり、協力してほしいの」
亀頭の裏側を撫でさすりながら、杏里は言った。
「勇次や冬美には内緒で」
手のひらでペニスを包み込み、睾丸まで指を伸ばしていく。
「な、何だよ…」
重人の瞳が宙を泳いだ。
快感ですっかり上の空になってしまっている。
「美里先生のこと。先生は、私がこの手で仕留めたい」
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