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第7部 蹂躙のヤヌス

#67 監禁調教⑪

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 それは、これまでのものとは桁違いの太さだった。

 肉襞を巻き込んで蜜壺内に侵入してくる極太の異物に、杏里は思わず悲鳴を上げた。

 しかも、それは振動も輪をかけて強烈だった。

 ただ表面が震えるだけでなく、竿自体が生きているかのように首を振りたくるのだ。

 杏里は”中”を極限まで押し広げられるのを感じていた。

 出産を前提としているから、もとより膣壁の伸縮率はかなり高い。

 胎児の身体を外へ押し出すほどの広さにまで伸びる。

 生殖不能のタナトスでさえ、人間の女性の肉体を土台にしているから、それは変わらない。

 しかし、それにも限度があった。

「だ、だめ!」

 泣きながら叫んだ。

「杏里、壊れちゃう!」

 が、もちろん、そのくらいのことで手を緩める美里ではない。

 膣を貫いて子宮の入り口でバイブが止まってしまうと、不満そうに舌打ちした。

「もっと中まで入らないのかしら? まったく、しょうがないわね」

 美里が立ち上がり、杏里の肩をつかんだ。

「立ちなさい」

「…え?」

 杏里は涙で濡れた顔を上げた。

「いいから、立つの」

 命令口調でダメ出しされ、股間からバイブをぶらさげたまま、よろよろと立ち上がる。

「こっちに来て」

 美里が杏里をいざなったのは、部屋の中央だった。

「ここに、座りなさい。バイブが床に立つようにしてね」

 背の高い美里が、小柄な杏里の両肩をつかんで、ぐいと下に押し下げた。

「あ」

 和式の便器にまたがるような格好で、畳の上にしゃがみこむ杏里。

 ”口”から飛び出したバイブがつっかえ棒になり、杏里の体重の一端を支える形になる。

「そのままゆっくり、腰をふってごらん。それが、もっと奥まで入るように、体重をかけながらね」

 杏里は恐る恐る、陰部から突き出て床と自分をつないでいる疑似ペニスに体重をかけてみた。

 ぬるり。

 肉襞を巻き込んで、真下からバイブが一段と深く蜜壺を突き上げてくる。

「こ、こんな、ひどい…」

 最初は抵抗を覚えた杏里だったが、その違和感もほんのわずかの間のことだった。

 すぐにこみ上げる快感に我を忘れてしまった。

 自分で強さを調整できるだけに、他人に挿入されるより、ずっと気持ちがいいのである。

「あっあっあっあっあっ」

 じきに杏里の喉から愉楽の喘ぎがほとばしり始めた。

 尻をこねまわすみたいに振りたくりながら、極太バイブをずぶずぶと体内に取り込んでいく。

 体重をかけたせいで、狭い子宮の入口が強引に押し開かれ、亀頭部分をすっぽりと飲み込んだ証拠だった。

 膣からはみ出たバイブの竿の部分を、白濁した液体がぬるぬると伝い降りていく。

 時折それとは別の透明な汁が接合部分から噴出するのは、潮吹きの兆候だろうか。

 杏里は今や、パンパンに張り切った両の乳房を、自分の手でわしづかみにしていた。

 人差し指と中指で勃起してカチカチになった乳首を挟みながら、手のひら全体で肉の球を引きちぎらんばかりの勢いで揉みしだく。

 あまりにも激しく動いたせいで、時にはバランスを崩して転びそうになった。

 膝が砕けるたびにバイブに余計な負荷がかかり、いっそう深く杏里の体内にずぶりとめり込んだ。

「ああ、もう、こんなところまで!」

 下腹が異様に膨れ上がるのを目の当たりにして、杏里は驚愕に目を見開いた。

「あ、あれが、こんな奥まで入ってきてる!」

 膣だけでなく、子宮までもが今にも破裂しそうに膨らんでいるのだ。

「だからいいんでしょ?」

 美里が杏里の背後に回った。

 両肩にまた手をかけられた。

「だったら一気に食べちゃうってのはどうかしら?」

 からかうように、美里が言い放つ。

 肩に予想外に強い力がかかった。

 美里が全体重をかけてきたのだ。

 ずぶり。

 またしても、肉に太い棒がめり込む鈍い音。

 ずぶっ。

 汁がほとばしる。

「あああああっ!」

 めくるめく快感に、全身を痙攣させて咆哮する杏里。

 膝が砕け、今にも畳につきそうなほど、尻が下がってしまっている。

「あんっ! だめえ! そ、それ以上押したら、杏里のおまんこ、壊れちゃう!」

「試してみましょ」

 美里が微笑んだ。

 そして、更に押し込んだ。

 ぐしゅ。

 何か柔らかいものがつぶれるような、嫌な音が響いた。

「あうううううううっ!」

 杏里の悲鳴が長い尾を引き、消えていく。

 快感が頭の中心で閃光を放って、杏里の意識を真っ白に塗り替えた。

 眼球が眼窩からせり出し、口の端から舌が飛び出した。

 杏里はすでに、完全に畳の上に尻をつけてしまっている。

 その尻と畳の接点から、赤い液体がじわじわと流れ出ている。

 杏里の体内で、どこかがひどく破壊されたのだ。




 

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