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第8部 妄執のハーデス
#14 豚女の虜囚③
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それを失ったタナトスがいかにもろいものか。
そのことを思い知らされる気分だった。
脳が痺れるほどの激痛に、杏里は身をよじり、うめいた。
乳首を失った乳房の先からあふれ出る鮮血が、だらだらと鎖骨を伝い、顎から口に流れ込んでくる。
杏里の胸元から顔を上げたふみのたらこ唇の間から、千切れた乳首がはみ出ていた。
それをぺろりと口に入れると、くちゃくちゃおぞましい音を立てて、ふみが咀嚼を始める。
「こりこりしてて、おいしいよお」
舌なめずりして、言った。
「なんかね、ちょっとモツに似た味だね」
ふみは太っているだけでなく、上背もある。
身長180センチを超えるだろう、大女だ。
見上げるほどのその怪物が、食いちぎった杏里の乳首を、さも美味そうに食べているのだった。
「狂ってる」
杏里はその醜い顔面に、唾を吐きかけた。
怒りがこみあげてくる。
怒りで目の前が赤く染まる。
「そんなこと、平気でするなんて、あんた、絶対、狂ってる」
「あらあら、気の強い女だこと」
にたりと笑うふみ。
杏里の罵詈雑言も、どこ吹く風だ。
「じゃあ、これはどう?」
キイキイ声で言い、
ふみが血まみれの口を、あんぐりと開けた。
黄色い乱杭歯が不揃いに並んだ、化け物みたいな口だ。
吐き出す息が、たまらなく臭い。
「な、何する気?」
杏里が身を引こうとするより早く、ふみが傷ついた乳房に吸いついてきた。
ぶおう、ぶおう。
豚の鳴き声そのものの鼻息を立てながら、がむしゃらに杏里の乳房を吸い始めた。
ふみの口は予想以上に大きかった。
Gカップの杏里の乳がすっかり吸い込まれてしまうほどの大きさだ。
「い、いやあああっ!」
乳房全体を口に含まれて、その中で更に舌で傷口をつつかれ、杏里はたまらず悲鳴を上げた。
ふみはわざと傷口を開き、新たな血をあふれさせ、それを口いっぱいに含んで飲んでいるのだった。
杏里は青ざめた。
自分が今相手にしているのが、普通の人間ではないことに気づいたからだ。
ふみは食人鬼と吸血鬼の素質を併せ持った怪物だ。
話してわかる相手ではない。
そこに、面白がっているような璃子の声が聞こえてきた。
「さあ、どうだい? いい加減、吐く気になったか? ふみはあたしがやめろと言わない限り、とことんおまえを痛めつけるよ。おまえも気づいた通り、この子は生まれつきイっちゃってるからさ。それが嫌なら、話すがいい。美里がいなくなった日、おまえはどこにいた? ひょっとして、美里と一緒だったんじゃないのかい?」
「し、知らない」
半裸で逆さに吊るされ、右の乳房から血を吸われながら、杏里はのろのろとかぶりを振った。
あの時の出来事を話したら、それは美里の正体を暴露することになる。
美里の正体を晒すことは、杏里自身の正体をも明かすことでもある。
それだけは避けたかった。
タナトスが何者であるかということは、一般人に知られてはならないのだ。
それは、杏里が”ヒト”でなく、”家畜”の仲間だと宣伝するようなものだから。
「仕方ねえな。どれ、確かめてやる」
璃子が動く、衣ずれの音がした。
「おい、ふみ、遊びはそのくらいにして、そいつを全裸に剥いてやれ」
杏里はまだブラウスとパンティを身につけている。
それをもはぎ取って、どうするというのだろう。
「あいよ」
璃子の命令には、ふみは素直だった。
脱がせるのではなく、片手で両足首をつかんで杏里を逆さ吊りにしたまま、空いたほうの手で残りの服と下着をびりびりと破り捨てていく。
杏里が全裸に剥かれるのを見届けると、竹刀を肩に担いで、璃子が命じた。
「よし、じゃ、今度はそいつの股をおっぴろげて、こっちに向けな。おま〇この中がよーく見えるように、思いっきり足を開いて、な」
それを失ったタナトスがいかにもろいものか。
そのことを思い知らされる気分だった。
脳が痺れるほどの激痛に、杏里は身をよじり、うめいた。
乳首を失った乳房の先からあふれ出る鮮血が、だらだらと鎖骨を伝い、顎から口に流れ込んでくる。
杏里の胸元から顔を上げたふみのたらこ唇の間から、千切れた乳首がはみ出ていた。
それをぺろりと口に入れると、くちゃくちゃおぞましい音を立てて、ふみが咀嚼を始める。
「こりこりしてて、おいしいよお」
舌なめずりして、言った。
「なんかね、ちょっとモツに似た味だね」
ふみは太っているだけでなく、上背もある。
身長180センチを超えるだろう、大女だ。
見上げるほどのその怪物が、食いちぎった杏里の乳首を、さも美味そうに食べているのだった。
「狂ってる」
杏里はその醜い顔面に、唾を吐きかけた。
怒りがこみあげてくる。
怒りで目の前が赤く染まる。
「そんなこと、平気でするなんて、あんた、絶対、狂ってる」
「あらあら、気の強い女だこと」
にたりと笑うふみ。
杏里の罵詈雑言も、どこ吹く風だ。
「じゃあ、これはどう?」
キイキイ声で言い、
ふみが血まみれの口を、あんぐりと開けた。
黄色い乱杭歯が不揃いに並んだ、化け物みたいな口だ。
吐き出す息が、たまらなく臭い。
「な、何する気?」
杏里が身を引こうとするより早く、ふみが傷ついた乳房に吸いついてきた。
ぶおう、ぶおう。
豚の鳴き声そのものの鼻息を立てながら、がむしゃらに杏里の乳房を吸い始めた。
ふみの口は予想以上に大きかった。
Gカップの杏里の乳がすっかり吸い込まれてしまうほどの大きさだ。
「い、いやあああっ!」
乳房全体を口に含まれて、その中で更に舌で傷口をつつかれ、杏里はたまらず悲鳴を上げた。
ふみはわざと傷口を開き、新たな血をあふれさせ、それを口いっぱいに含んで飲んでいるのだった。
杏里は青ざめた。
自分が今相手にしているのが、普通の人間ではないことに気づいたからだ。
ふみは食人鬼と吸血鬼の素質を併せ持った怪物だ。
話してわかる相手ではない。
そこに、面白がっているような璃子の声が聞こえてきた。
「さあ、どうだい? いい加減、吐く気になったか? ふみはあたしがやめろと言わない限り、とことんおまえを痛めつけるよ。おまえも気づいた通り、この子は生まれつきイっちゃってるからさ。それが嫌なら、話すがいい。美里がいなくなった日、おまえはどこにいた? ひょっとして、美里と一緒だったんじゃないのかい?」
「し、知らない」
半裸で逆さに吊るされ、右の乳房から血を吸われながら、杏里はのろのろとかぶりを振った。
あの時の出来事を話したら、それは美里の正体を暴露することになる。
美里の正体を晒すことは、杏里自身の正体をも明かすことでもある。
それだけは避けたかった。
タナトスが何者であるかということは、一般人に知られてはならないのだ。
それは、杏里が”ヒト”でなく、”家畜”の仲間だと宣伝するようなものだから。
「仕方ねえな。どれ、確かめてやる」
璃子が動く、衣ずれの音がした。
「おい、ふみ、遊びはそのくらいにして、そいつを全裸に剥いてやれ」
杏里はまだブラウスとパンティを身につけている。
それをもはぎ取って、どうするというのだろう。
「あいよ」
璃子の命令には、ふみは素直だった。
脱がせるのではなく、片手で両足首をつかんで杏里を逆さ吊りにしたまま、空いたほうの手で残りの服と下着をびりびりと破り捨てていく。
杏里が全裸に剥かれるのを見届けると、竹刀を肩に担いで、璃子が命じた。
「よし、じゃ、今度はそいつの股をおっぴろげて、こっちに向けな。おま〇この中がよーく見えるように、思いっきり足を開いて、な」
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