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第8部 妄執のハーデス
#30 受動と能動
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「やめて」
杏里は純の手を押さえた。
「乱暴しないで。自分で脱ぐから」
嘘ではない証拠に、まずブレザーを脱ぎ、傍らの唯佳に渡した。
問いかけるような視線を、唯佳が向けてくる。
「汚れないように、私の席に置いておいて」
「う、うん」
唯佳が去るのを見届けると、机の上に腰をかけ、左右に大きく足を開いてみせる。
マイクロミニのスカートがたくしあがり、薄いパンティが丸見えになる。
生徒たちの間から、声にならぬどよめきがあがった。
左手を机の表面につき、杏里はわずかに腰を浮かせた。
そのまま、ゆっくり下半身をグラインドさせていく。
円を描くように尻を回しながら、徐々に腰を前に突き出していった。
その間も右手はブラウスにかかり、ボタンをゆっくりとはずし始めている。
やがてブラウスの前が完全にはだけ、小さな下着に押し上げられたたわわなふたつの果実が現れた。
ブラはかろうじて乳首が隠れるだけの面積しかないから、よく見ると乳輪が少しはみ出ているのがわかる。
「いいから、見てて」
純が手を伸ばすより早く、自分でブラを上にずらした。
重量感のある右の乳房がこぼれるように飛び出し、皿にあけたばかりのプリンのように小刻みに震えた。
すげエ…。
男子生徒のうちのひとりが、かすれた声でつぶやいた。
エロ動画より、ずっとすげえよ…。
ごくりと生唾を呑み込む音。
「誰から?」
周囲を見回して、杏里は訊いた。
見ると、放出のショックで床に倒れていたあの社会科教師が、いつのまにか起き上がり、輪に加わっていた。
生徒たちの暴走を止めるどころか、自分もこっそりご相伴にあずかろうという腹なのだろうか。
つくづく哀れな男、と杏里は思った。
男など、こと性欲に関しては、中学生も大人も大差ないというわけだ。
杏里の挑発に、すぐに応えようとする者はいなかった。
あの佐伯でさえ、突然、リアル娼婦と化した杏里を、声もなく呆然と見つめているだけだ。
「誰からでもいいのよ」
そっちが来ないなら、こっちから。
杏里は手近な男子生徒の腕をつかんで引き寄せた。
どことなく重人に似た、幼い感じの男の子だ。
見た感じ、小学6年生かせいぜい中学1年生にしか見えない。
「や、やだよ」
嫌がる素振りを見せる少年をぐっと抱き寄せ、その手を乳房の上に乗せてやる。
「あ」
小さく声を上げ、少年が静かになった。
「いいよ、触っても」
顔を寄せて、耳元でささやいた。
少年が、首の付け根まで赤くなる。
その頬を両手で挟み、更に顔を近づけていく。
「お口を開いて」
甘い吐息とともに、言った。
「え…?」
少年は震えているようだ。
それでも、不自然に固く目をつぶると、ぎこちなく口を開き始めた。
その中に、杏里は唾液をたっぷり包んだ舌を滑り込ませた。
媚薬成分の混じった唾液である。
「あう」
杏里の唾液をいっぱいに口に含むと、少年の震えが激しくなった。
舌を戻し、杏里は冷ややかな目で獲物を見た。
これまでタナトスは受動専門の存在だと思い込んでいた。
でも、美里がそうではないことを教えてくれたのだ。
能動的なタナトス。
そんなものがあってもいいのではないか。
杏里は今、徐々にそう思い始めている。
この教室は、いわばその実験台のようなものなのだ。
杏里は純の手を押さえた。
「乱暴しないで。自分で脱ぐから」
嘘ではない証拠に、まずブレザーを脱ぎ、傍らの唯佳に渡した。
問いかけるような視線を、唯佳が向けてくる。
「汚れないように、私の席に置いておいて」
「う、うん」
唯佳が去るのを見届けると、机の上に腰をかけ、左右に大きく足を開いてみせる。
マイクロミニのスカートがたくしあがり、薄いパンティが丸見えになる。
生徒たちの間から、声にならぬどよめきがあがった。
左手を机の表面につき、杏里はわずかに腰を浮かせた。
そのまま、ゆっくり下半身をグラインドさせていく。
円を描くように尻を回しながら、徐々に腰を前に突き出していった。
その間も右手はブラウスにかかり、ボタンをゆっくりとはずし始めている。
やがてブラウスの前が完全にはだけ、小さな下着に押し上げられたたわわなふたつの果実が現れた。
ブラはかろうじて乳首が隠れるだけの面積しかないから、よく見ると乳輪が少しはみ出ているのがわかる。
「いいから、見てて」
純が手を伸ばすより早く、自分でブラを上にずらした。
重量感のある右の乳房がこぼれるように飛び出し、皿にあけたばかりのプリンのように小刻みに震えた。
すげエ…。
男子生徒のうちのひとりが、かすれた声でつぶやいた。
エロ動画より、ずっとすげえよ…。
ごくりと生唾を呑み込む音。
「誰から?」
周囲を見回して、杏里は訊いた。
見ると、放出のショックで床に倒れていたあの社会科教師が、いつのまにか起き上がり、輪に加わっていた。
生徒たちの暴走を止めるどころか、自分もこっそりご相伴にあずかろうという腹なのだろうか。
つくづく哀れな男、と杏里は思った。
男など、こと性欲に関しては、中学生も大人も大差ないというわけだ。
杏里の挑発に、すぐに応えようとする者はいなかった。
あの佐伯でさえ、突然、リアル娼婦と化した杏里を、声もなく呆然と見つめているだけだ。
「誰からでもいいのよ」
そっちが来ないなら、こっちから。
杏里は手近な男子生徒の腕をつかんで引き寄せた。
どことなく重人に似た、幼い感じの男の子だ。
見た感じ、小学6年生かせいぜい中学1年生にしか見えない。
「や、やだよ」
嫌がる素振りを見せる少年をぐっと抱き寄せ、その手を乳房の上に乗せてやる。
「あ」
小さく声を上げ、少年が静かになった。
「いいよ、触っても」
顔を寄せて、耳元でささやいた。
少年が、首の付け根まで赤くなる。
その頬を両手で挟み、更に顔を近づけていく。
「お口を開いて」
甘い吐息とともに、言った。
「え…?」
少年は震えているようだ。
それでも、不自然に固く目をつぶると、ぎこちなく口を開き始めた。
その中に、杏里は唾液をたっぷり包んだ舌を滑り込ませた。
媚薬成分の混じった唾液である。
「あう」
杏里の唾液をいっぱいに口に含むと、少年の震えが激しくなった。
舌を戻し、杏里は冷ややかな目で獲物を見た。
これまでタナトスは受動専門の存在だと思い込んでいた。
でも、美里がそうではないことを教えてくれたのだ。
能動的なタナトス。
そんなものがあってもいいのではないか。
杏里は今、徐々にそう思い始めている。
この教室は、いわばその実験台のようなものなのだ。
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