激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【官能編】

戸影絵麻

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第8部 妄執のハーデス

#36 愉楽の代償

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 このまま終わらせてしまってはいけない。

 私はまだオルガスムに達してはいないのだ。

 こんな中途半端な状態で終わってしまったら、それこそ気が狂ってしまうに違いない。

 崩れそうになっている唯佳の上体を起こし、杏里はその顔の上にまたがった。

 中腰になった杏里の股間を、のけぞった唯佳の口がすっぽりと覆う。

「まだイッちゃだめ。さあ、吸ってごらんなさい。さっきより、もっと強く」

 杏里は唯佳の頬を両の手のひらで挟むと、その顔を太腿と太腿の間にぐっと押しつけた。

 杏里の叱責に目が覚めたのか、唯佳の舌と唇が再び動き始める。

 己の乳房を鷲掴みにして、激しく揉みながらしとどに濡れた杏里の割れ目を舐め始めたのだ。

 その固く尖った舌の先端を襞の内側に感じ、杏里は下半身を震わせた。

 唯佳の舌が動くたび、とろりとした新たな汁があふれ出す。

  透明な汁は唯佳のなめらかな頬を伝い、ふっくらした胸の谷間に溜まっていく。

「あんたに、言われるまでも、ないよ」

 背後では、純が立ち直っていた。

 性経験が豊富なだけに、他の生徒ほどヤワではないようだ。

 杏里の前に回ると、両手の指でおもむろに杏里の乳首をつまみ、上下に勢いよく振り始める。

「ほら、どうしたの? あんた、ここ、ビンビンに立ってるじゃない。こんなになって、恥ずかしくないの?」

 純の手の動きに合わせて、上向きに突き出した杏里の丸い乳房がぷるぷる揺れる。

「はうっ!」

 痺れるような快感。

 杏里は無意識のうちに胸を突き出し、らせんを描くように腰をうねらせていた。

 突き出した胸を反らすと、順につままれた乳首が信じられない長さに伸び、更なる快感を紡ぎ出す。

「ううん…」

 ぬるぬるになった肉の”唇”を顔一杯にこすりつけられ、唯佳がうめく。

 大量の淫汁を呑み込んだせいだろう。

 喉の奥でごぼごぼ音を立てると、そのまま横倒しに倒れてしまった。

 バランスを崩し、杏里は唯佳の脇に尻もちをついた。

 唯佳は仰向けに倒れたまま、白目を剥いて小刻みに全身を痙攣させている。

 色白の餅のような肌が、薄桃色に染まっていた。

 こっちは、もうだめね。

 唯佳に見切りをつけると、杏里は尻もちをついたままの姿勢で、純のほうに向け、股を開いた。

「来て」

 上ずった声で言う。

「どうするつもり?」

 警戒心も露わに純が訊く。

「一緒に、気持ちよくなるの」

 後ろ手を突き、順に濡れた股間を見せつけて、杏里は誘った。
 
「どうしたの? 怖いの?」

 純の切れ長の目が怪しい光を帯びた。

「馬鹿にしないで」

 怒ったように言い、ショートカットの髪を大きく振ると、杏里の上にまたがってきた。

 そのまま体を百八十度回転させると、発達した尻を杏里のほうに向けてくる。

 目と鼻の先に、純の体毛に覆われた会陰部が来た。

 体毛はほどよい濃さで、無駄な部分は奇麗に剃られているようだ。

 杏里は純の筋肉質の尻の肉を両手でつかむと、ぐいと手元に引き寄せた。

 舌を伸ばし、にこ毛の間に見える肉の亀裂に射し込んだ。

 鼻に毛が当たり、くすぐったい。

 が、なんとかこらえて、舌先を奥まで突っ込んでいく。

 そこはひどく濡れていて、まったく抵抗というものがなかった。

 純が非処女というのはどうやら本当のようだ。

 やがて肉の壁が収縮してきて、生き物みたいに杏里の舌に絡みついた。

 はあはあはあはあ…。

 荒い息を吐きながら、しかし純も負けてはいなかった。

 上からのぞき込むような姿勢を取ると、次の瞬間、いきなり杏里の太腿のつけ根に顔をうずめてきたのだ。

 次の瞬間、熱く長い舌が杏里を貫いた。

「あんっ」

 太腿をこじ開けられ、杏里は半ば腰を浮かせている。

 獲物をむさぼる肉食獣のように、その中心で純の唇が動く。

 また声が漏れそうになり、杏里はあわてて純の股間に顔を埋め戻した。

 大柄な純に組み伏せられ、杏里の身体がうねる。

 懸命に右手を伸ばして相手の乳房を握りしめ、立てた指先で乳首を押し込んでやる。

 純は杏里の太腿を両肩に乗せ、じゅぶじゅぶといやらしい音を発しながらその秘肉を貪っている。

 じんわりした愉悦の波動が、体の芯から同心円状に杏里の全身に広がっていく。

 身体中がオイルにまみれたようにぬらぬらと光っているのは、杏里が興奮の極みに達しかけた証拠である。

「いい…もっと…」

「好き…なの? あんた…こんな、恥ずかしいこと、されるのが…」

「す…好きよ…大好き…」

 上になり、下になりしながら、ふたりは床を絡み合った芋虫のように転がった。

「もっと…もっと…気持ちよく、して、あげる…」

 挿入した舌で蜜壺の内部を攪拌しながら、左手の指でその上座にある充血した突起をつまむ。

 と、純も杏里の”そこ”に同じ行為をやり返してきた。

 陰核を弄り回しながら、壺の中を舌先で蹂躙し、もう一方の手で乳房を責め苛んできたのだ。

 杏里の陰核は、美里の調教のせいで、ひと一倍感じやすくなっている。

 肥大した陰核を親指と人差し指でつまみ上げ、純が強くひねった。

 敏感すぎる蜜壺の裏側を舌先で舐め上げられ、腫れあがった左の乳首に鋭い爪を立てられた。

「やんっ!」

 3点同時に責め込まれ、思わず叫ぶ杏里。

 その瞬間、脳裏で白い閃光が走り、米つきバッタのように、全身で大きく杏里は跳ねた。

「ああああっ!」

 上に折り重なった純が、雄たけびを上げる海獣のように、激しく上体を反り返らせる。

 そして、足を指先までつっぱると、どさりと重い体を杏里の上に投げ出してきた。

 杏里と時を同じくして、純も達してしまったのだろう。

 動かなくなった純のたくましい太腿の間に顔をうずめ、杏里は身体中の細胞に沁み渡る多幸感に酔いしれた。

 久しぶりの快楽だった。

 やっと私も、絶頂を迎えることができたのだ…。

 ほっと安堵のため息をついた、その時である。

 突然、痛みに似た思念が頭の中に割り込んできた。

 重人のものとも違う、ひどく硬質で冷たい思念だった。

 -はっ! それだけがんばって、やっとひとりかい。ったく、見ちゃいられないね。いいかい? 杏里、おまえのやり方は間違ってる。言っとくけど、そんなことでは、今度の”研修”はパスできないよ!ー

 
 



 

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