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第8部 妄執のハーデス
#106 最終決戦⑮
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「こっちもね」
零が言い、今度はこれ見よがしに杏里の左の乳房を持ち上げた。
杏里の顎の高さまで下乳を支えて持ち上げると、少し顔を横に倒して、斜め下から乳首に顔を寄せていく。
零の唇が乳首に覆いかぶさるや否や、またしても愛撫が始まり、杏里はびくんと上体を震わせた。
零の蛇のような舌が、根元にきつく絡みついてきた。
ふたつに割れたその先が乳頭を舐め始めると、もういけなかった。
乳首を噛みちぎられた右の乳房はじんじん痛んでいるというのに、杏里の意志とは無関係に、左の乳首が硬くなっていく。
痛みと快感がない混ぜになって押し寄せてきた。
頃合いの硬さになったところで、勃起しきった乳首を零が噛む。
杏里からよく見える角度で噛んでいるため、零の白い歯の間で伸び切った乳首が痛々しい。
やがて、肉がちぎれる音とともに、口の端から血の筋を引いて、零が大きく顔をのけぞらせた。
「ぎゃあっ!」
激痛に痙攣する杏里。
膀胱が緩み、尿道が熱くなるのがわかった。
止めようがなかった。
「ああうっ」
噴出する尿が、傷口に染みて痛んだ。
膀胱が空になった脱力感と、新たに乳首を失った喪失感で、杏里は倒れこむように壁に寄りかかった。
太腿を伝い落ちた尿が、ぽたぽたと床に黄色い水たまりを作っていく。
アンモニアの臭気がつんと鼻をついた。
「あらあら、お漏らししちゃったの?」
そんなみじめな杏里の姿を眺めて、口に頬張った乳首を美味そうに噛みながら、零が楽しげに言った。
息遣いが荒くなっているのは、かなり興奮してきているからだろう。
その証拠に、零の黒いレースの下着を通して、オレンジ色がぼんやりと現れ始めていた。
両の乳房の頂と、ショーツの股のあたり。
やっと性感帯が現れたのだ。
触手を使うべきだろうか。
痛みに気を失いそうになりながら、朦朧とした頭で、杏里は思った。
でも、それで一時的に零の意識を逸らせたとしても、そのあとは…?
頼みの由羅は、向こうの壁に張り付けにされたまま、ぴくりとも動かない。
避雷針は心臓を外れているので、死んではいないだろう。
でも、たとえ由羅が目を覚ましたとしても、あの状態では、杏里を助けにくる余力などとてもなさそうだ。
「かわいい。杏里って、ほんと、可愛い」
失禁して、おびえた小動物のごとくぶるぶる震える杏里の全身を満足そうに眺め渡し、零が言う。
「じゃあ、そろそろ、そのプリンちゃんをいただこうかな」
にやにや笑いながら、再び爪を伸ばしてきた。
杏里の乳房は、今や、先に赤い花が開いたような様相を呈している。
そこから流れ出した血が、柔らかな乳房を、バニラアイスの上にかかったストロベリーのシロップのようにまだらに染め上げている。
右の乳房のつけ根、自分でつけた”切り取り線”に、零が人差し指の爪を当てた。
「痛かったら、泣きわめいてもいいのよ。何なら、もっとお漏らししても」
ぶすり。
杏里の柔肌に、刃物のような爪の先が食い込んだ。
乳房全体の神経が、乳首を失った衝撃で麻痺してしまったのか、不思議と痛みは感じなかった。
が、そのありえない眺めに、杏里ははあはあ過呼吸気味に息を漏らした。
深く肉に食い込んだ爪が、バターを切るように、乳房のつけ根をするすると動き始めたのだ。
「うわあ、なんて柔らかいの」
零が歓声を上げた。
「いや…」
杏里は硬く目を閉じた。
そしてふと、この地獄はいつまで続くのだろう、と思った。
零が言い、今度はこれ見よがしに杏里の左の乳房を持ち上げた。
杏里の顎の高さまで下乳を支えて持ち上げると、少し顔を横に倒して、斜め下から乳首に顔を寄せていく。
零の唇が乳首に覆いかぶさるや否や、またしても愛撫が始まり、杏里はびくんと上体を震わせた。
零の蛇のような舌が、根元にきつく絡みついてきた。
ふたつに割れたその先が乳頭を舐め始めると、もういけなかった。
乳首を噛みちぎられた右の乳房はじんじん痛んでいるというのに、杏里の意志とは無関係に、左の乳首が硬くなっていく。
痛みと快感がない混ぜになって押し寄せてきた。
頃合いの硬さになったところで、勃起しきった乳首を零が噛む。
杏里からよく見える角度で噛んでいるため、零の白い歯の間で伸び切った乳首が痛々しい。
やがて、肉がちぎれる音とともに、口の端から血の筋を引いて、零が大きく顔をのけぞらせた。
「ぎゃあっ!」
激痛に痙攣する杏里。
膀胱が緩み、尿道が熱くなるのがわかった。
止めようがなかった。
「ああうっ」
噴出する尿が、傷口に染みて痛んだ。
膀胱が空になった脱力感と、新たに乳首を失った喪失感で、杏里は倒れこむように壁に寄りかかった。
太腿を伝い落ちた尿が、ぽたぽたと床に黄色い水たまりを作っていく。
アンモニアの臭気がつんと鼻をついた。
「あらあら、お漏らししちゃったの?」
そんなみじめな杏里の姿を眺めて、口に頬張った乳首を美味そうに噛みながら、零が楽しげに言った。
息遣いが荒くなっているのは、かなり興奮してきているからだろう。
その証拠に、零の黒いレースの下着を通して、オレンジ色がぼんやりと現れ始めていた。
両の乳房の頂と、ショーツの股のあたり。
やっと性感帯が現れたのだ。
触手を使うべきだろうか。
痛みに気を失いそうになりながら、朦朧とした頭で、杏里は思った。
でも、それで一時的に零の意識を逸らせたとしても、そのあとは…?
頼みの由羅は、向こうの壁に張り付けにされたまま、ぴくりとも動かない。
避雷針は心臓を外れているので、死んではいないだろう。
でも、たとえ由羅が目を覚ましたとしても、あの状態では、杏里を助けにくる余力などとてもなさそうだ。
「かわいい。杏里って、ほんと、可愛い」
失禁して、おびえた小動物のごとくぶるぶる震える杏里の全身を満足そうに眺め渡し、零が言う。
「じゃあ、そろそろ、そのプリンちゃんをいただこうかな」
にやにや笑いながら、再び爪を伸ばしてきた。
杏里の乳房は、今や、先に赤い花が開いたような様相を呈している。
そこから流れ出した血が、柔らかな乳房を、バニラアイスの上にかかったストロベリーのシロップのようにまだらに染め上げている。
右の乳房のつけ根、自分でつけた”切り取り線”に、零が人差し指の爪を当てた。
「痛かったら、泣きわめいてもいいのよ。何なら、もっとお漏らししても」
ぶすり。
杏里の柔肌に、刃物のような爪の先が食い込んだ。
乳房全体の神経が、乳首を失った衝撃で麻痺してしまったのか、不思議と痛みは感じなかった。
が、そのありえない眺めに、杏里ははあはあ過呼吸気味に息を漏らした。
深く肉に食い込んだ爪が、バターを切るように、乳房のつけ根をするすると動き始めたのだ。
「うわあ、なんて柔らかいの」
零が歓声を上げた。
「いや…」
杏里は硬く目を閉じた。
そしてふと、この地獄はいつまで続くのだろう、と思った。
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