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#31 サポートジョブ選び
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その夜はさすがに疲れていて、夜中にソフィアに夜這いをかけられることもなく、ぐっすりと朝まで眠った。
「あーあ、せっかくのチャンスだったのに」
起きるとソフィアが未練たっぷりににらんできたけど、私としては熟睡できて満足だった。
「旅立つ前に村に戻って、サポをつけましょう」
セーラー服に着替え、身支度を整えると、ソフィアが言った。
「翔子はもちろん踊り子でしょ? 私は竜騎士にしようと思うの」
「竜騎士?」
そんなものもあるんだ。
私は感心した。
ますますゲームの世界である。
「戦士は2次元平面での戦闘には強いけど、3次元的な攻撃には弱いの。でも、竜騎士なら大ジャンプできるから。それに、いざという時には、槍も使えるしね」
食堂で簡単な朝食をとっていると、寝ぼけ顔のラルクが入ってきた。
他の若者たちはすでにみんな、訓練のために外に出ているというのに、いいご身分である。
「これからいったん村に戻って、翔子とふたり、ギルドでサポをつけてもらおうと思うの。村の砂漠側の出口で正午に待ち合わせ、でどうかしら」
ソフィアが言うと、
「私は別にかまわんが…しかし、これからポラリスまで旅をするかと思うと、正直ぞっとするな」
やせた肩をすくめて、アメリカ人っぽく両手を広げてみせた。
どうやら、昨夜のうちに、将軍から話が行っていたようだ。
「そうね。でも、どうせ誰かが行かなきゃならないもの。私の武術、翔子の魔法、兄者の頭脳があれば、たいていのことは何とかなると思うし。それでね、私たちがサポをつけてもらってる間に、兄者には旅の支度を調えておいてほしいの。お父様から伝令が行ってるはずだから、どこのお身でも無償で協力してくれるはずよ」
「わかった。任せとけ。できるだけ快適な旅になるように、最高の装備をそろえておいてやるから」
「うん、お願いね」
こいつに任せて、本当に大丈夫?
ちらっと頭の隅で思ったけど、ソフィアの手前、口には出さないで置くことにした。
ギルドは今日で2回目だったけど、
「サポートジョブを」
そうソフィアが要件を告げると、カウンターのヤンキー風兄ちゃんは引っ込んで、代わりに奥から白い顎ひげを蓄えた魔法使いみたいな爺さんが姿を現した。
「おお、メインジョブがレベル30を超えたか。それはおめでとう」
「サポートジョブって、どうやって習得するんです?」
ふと不安にかられ、私はたずねた。
「まさかまた別のジョブをレベル1から育て直すとか」
そんな面倒なRPGがかつてあった気がしたからだ。
「なあに、造作もないことじゃて」
老人が笑った。
「ジョブチェンジの部屋に入って、好きなジョブの光を浴びるだけじゃよ」
「ギルドには、各ジョブの能力を封印した光輝石が保管してあるの。そこからエネルギーを取り出し、人の肉体に植え付けるってわけ」
要は、ジョブの情報を、なんらかの手段で被験者のDNAに転写するというわけか。
ありえないと思うけど、踊り子人生をレベル1からやり直すよりはずっといい。
「では、ふたりとも、そこで服を脱いでこちらへ」
老人がカウンターの奥の更衣室を指さした。
カーテンで仕切られた部屋は、ひとつしかないようだ。
「一緒に入ろう」
ソフィアが身を摺り寄せてきた。
瞳が潤んでいるように見えるのは、私の気のせいか。
ていうか、セーラー服の上から乳を揉んでくるの、やめてほしいんですけど。
「夕べ寝ちゃったから、ちょっとだけなら、いいでしょ?」
ソフィアが耳元でささやいた。
「そ、そういう場合じゃないと思うけど」
一応、抗議した。
でも、ばれていた。
「ふふ、本当は翔子もしたいくせに。だってほら」
薄い生地の上からいきなりボッチをつままれ、私は、
「あふん」
と息を漏らした。
「乳首、カチコチじゃない」
そんな私の顔を見上げ、勝ち誇ったように、ソフィアが言った。
「あーあ、せっかくのチャンスだったのに」
起きるとソフィアが未練たっぷりににらんできたけど、私としては熟睡できて満足だった。
「旅立つ前に村に戻って、サポをつけましょう」
セーラー服に着替え、身支度を整えると、ソフィアが言った。
「翔子はもちろん踊り子でしょ? 私は竜騎士にしようと思うの」
「竜騎士?」
そんなものもあるんだ。
私は感心した。
ますますゲームの世界である。
「戦士は2次元平面での戦闘には強いけど、3次元的な攻撃には弱いの。でも、竜騎士なら大ジャンプできるから。それに、いざという時には、槍も使えるしね」
食堂で簡単な朝食をとっていると、寝ぼけ顔のラルクが入ってきた。
他の若者たちはすでにみんな、訓練のために外に出ているというのに、いいご身分である。
「これからいったん村に戻って、翔子とふたり、ギルドでサポをつけてもらおうと思うの。村の砂漠側の出口で正午に待ち合わせ、でどうかしら」
ソフィアが言うと、
「私は別にかまわんが…しかし、これからポラリスまで旅をするかと思うと、正直ぞっとするな」
やせた肩をすくめて、アメリカ人っぽく両手を広げてみせた。
どうやら、昨夜のうちに、将軍から話が行っていたようだ。
「そうね。でも、どうせ誰かが行かなきゃならないもの。私の武術、翔子の魔法、兄者の頭脳があれば、たいていのことは何とかなると思うし。それでね、私たちがサポをつけてもらってる間に、兄者には旅の支度を調えておいてほしいの。お父様から伝令が行ってるはずだから、どこのお身でも無償で協力してくれるはずよ」
「わかった。任せとけ。できるだけ快適な旅になるように、最高の装備をそろえておいてやるから」
「うん、お願いね」
こいつに任せて、本当に大丈夫?
ちらっと頭の隅で思ったけど、ソフィアの手前、口には出さないで置くことにした。
ギルドは今日で2回目だったけど、
「サポートジョブを」
そうソフィアが要件を告げると、カウンターのヤンキー風兄ちゃんは引っ込んで、代わりに奥から白い顎ひげを蓄えた魔法使いみたいな爺さんが姿を現した。
「おお、メインジョブがレベル30を超えたか。それはおめでとう」
「サポートジョブって、どうやって習得するんです?」
ふと不安にかられ、私はたずねた。
「まさかまた別のジョブをレベル1から育て直すとか」
そんな面倒なRPGがかつてあった気がしたからだ。
「なあに、造作もないことじゃて」
老人が笑った。
「ジョブチェンジの部屋に入って、好きなジョブの光を浴びるだけじゃよ」
「ギルドには、各ジョブの能力を封印した光輝石が保管してあるの。そこからエネルギーを取り出し、人の肉体に植え付けるってわけ」
要は、ジョブの情報を、なんらかの手段で被験者のDNAに転写するというわけか。
ありえないと思うけど、踊り子人生をレベル1からやり直すよりはずっといい。
「では、ふたりとも、そこで服を脱いでこちらへ」
老人がカウンターの奥の更衣室を指さした。
カーテンで仕切られた部屋は、ひとつしかないようだ。
「一緒に入ろう」
ソフィアが身を摺り寄せてきた。
瞳が潤んでいるように見えるのは、私の気のせいか。
ていうか、セーラー服の上から乳を揉んでくるの、やめてほしいんですけど。
「夕べ寝ちゃったから、ちょっとだけなら、いいでしょ?」
ソフィアが耳元でささやいた。
「そ、そういう場合じゃないと思うけど」
一応、抗議した。
でも、ばれていた。
「ふふ、本当は翔子もしたいくせに。だってほら」
薄い生地の上からいきなりボッチをつままれ、私は、
「あふん」
と息を漏らした。
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