異世界転生して謎のリングをアソコに装着したらエロ魔導士になりましたとさ

戸影絵麻

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#45 忍び寄る影

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 ちゅうちゅうという音で目が覚めた。

 身体が重い。

 何かやわらかいものが、腹の上に乗っかっているのだ。

 薄目を開けると、ブロンドの髪の毛が視界に入ってきた。

 このカール具合。

 ソフィアである。

「何やってるの?」

 呆れて私は言った。

 あろうことか、ソフィアは下着姿だった。

 レース生地の純白のブラとパンティ。

 そしてガーターベルトと太腿まである白い網タイツ。

「あ」

 私の乳首から口を離し、ソフィアがぽかんとした顔を上げた。

 もう一方の乳房を手のひらで包みこみ、空いたほうの手で私の股間を撫でさすっている。

「ちょ、ちょっと、MP回復してあげようかなと思って」

 万引きの瞬間を見つかった小学生のように、きまり悪そうに私を見た。

「だって翔子ったら、すごい活躍だったでしょ? もうMPすっからかんじゃない」

 それはそうだ。

 ブレスレットで残量を確認しなくても、身体の調子でなんとなくわかる。

 脱力感が半端ないのだ。

 無理もなかった。

 ヴァギナカッター、アナルシュレッダー、乳首ミサイルといえば、最近覚えた魔法ばかりである。

 どれもMP消費量はそこそこ大きい。

 いくら”MP半減”のアビを併用したとはいえ、それを連射したのだからたまらない。

 MPだけでなく、HP、つまりライフポイントもかなり減ってしまっているようなのだ。

 つまり、早い話が半病人。

 これではいくら乳房や股間を愛撫されても、MP回復は望めない。

 疲労が勝って、快感がやってこないからである。

「あ、ありがとう」

 私はゆるゆるとかぶりを振った。

「でも、ダメみたい。HPが減りすぎて、回復が遅くなってる」

「みたいだね」

 ソフィアがため息をついた。

 私の上から降りると、薄物を肩から羽織り、地面に胡坐をかいた。

「ぜんぜん乳首もクリも勃起してこないもの」

「勃起とか口にするの、やめてくれない? なんか超がつくほど恥ずかしいんですけど」

「こんなジャングルの中なのに?」

 不思議そうに小首をかしげるソフィア。

「ジャングル? そういえば、ここ、どこなの?」

 今更ながらに、私は周囲を見回した。

 私たちがいるのは、オレンジ色のテントの中である。

 ゴーゴー音がするので見ると、ラルクが腕枕して眠っていた。

 まったく、半裸の美女ふたりとひとつ屋根の下に居て、こうも豪快に寝られるというのは、もともと同性愛者か不能なのかの、どっちかに違いない。

「川岸から少しジャングルに入ったところ。手頃な空き地を見つけたから、ラルクのボートで応急のテントをつくって張ってみたの。なかなかいい出来でしょ?」

 得意げにソフィアが言った。

「そうだね。ジャングルで寝るよりずっといいよ」

 中は8畳ほどの広さだから、大人3人は正直言ってきついことはきつい。

 でも、生身のまま外で寝ようものなら、蚊だのムカデだのヒルだのが大挙して押し寄せてきて、瞬く間にミイラにされてしまうに違いない。

「私、どれくらい気を失ってたのかな。今、何時頃?」

 そんなことを言いながら、テントの入口をふさぐカーテンを押しのけて、何気なく顔を出した時である。

「わ」

 私は思わず声を上げていた。

「どうしたの?」

 ソフィアが寄って来る。

「あ、あれ、何かしら?」

「あれって?」

 外は夜だった。

 それでも結構明るいのは、中天高く巨大な満月が出ているせいである。

 その月光に照らされて、目の前で奇妙な現象が起こっていた。

 正面の密林の入口あたり。
 
 そこから何か薄気味悪いものがぞろぞろ這い出てくるのだ。

 プリンみたいなぶよぶよの身体。

 ぬめぬめして光沢を放っている。

 クラゲかと思ったらそうではなかった。

 でっかい目玉がふたつ、正面についているのだ。

 一匹の大きさは子犬ほどだろうか。

 数えるのも嫌なほどたくさんいて、押し競まんじゅうよろしくひしめき合いながら移動してくる。

「やなもんに見つかっちゃったね」

 声を潜めてソフィアが言った。

「だから何なの? あの寒天みたいなの」

「知らないの? あ、そうか。翔子の世界にはいなかったのか」

「うーん、ゲームの中でなら、似たやつ見た気がするけど…。でも、まさかね」

「ゲームの中? よくわかんないけど、とにかくあれは」

 ソフィアが一瞬言葉を切った。

 横目で見ると、なぜだか心底嫌そうな顔をしている。

「スライムの大群だよ」


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