異世界転生して謎のリングをアソコに装着したらエロ魔導士になりましたとさ

#125 幻界のミューズ⑤

　バイブが着弾して、大音響とともに、風貌ガラスが砕け散る。

　その時には私とソフィアはすでに、カニの甲羅の上に降り立っていた。

　覆いのなくなったコクピットから飛び出してきたのは、ボンテージスーツ姿のアラクネだ。

　どうやら逃げようという腹らしいが、そうはいかない。

　天誅バイブの機能は、そんな甘いものではないのだ。

　ミサイルなら標的に命中して爆発すればそれで終わりだが、これはそうではない。

　存在意義が根底からして違う。

　バイブは穴に挿入され、振動して相手に快感を与えるのが目的なのだ。

　つまり、穴にたどりつかない限り、追尾をやめないのである。

　こちらに背を向けて駆け出したアラクネを、背後からバイブが襲う。

　アラクネの下半身は、Tバックである。

　ぷりぷりした、敵のくせに意外に可愛らしいお尻をしている。

　その白桃のようなプリケツに、唸りを上げてバイブが突っ込んだ。

　なんせ、防弾ガラスすらぶち破ったバイブである。

　ボンテージ衣装の股の部分の革の生地に穴を開けるなんてことは、それこそ朝飯前だ。

「きゃふんっ！」

　バックから、大人の男の腕ほどの太さもあるバイブに貫かれ、カニの甲羅の端っこでアラクネが硬直した。

　操縦士を失ったカニ本体はすでに停止し、若干斜めに傾いたまま、固まってしまっている。

　私はその斜面を駆け上がりながら、アラクネに接近した。

　走りながら右手を振り、鞭を放つ。

　鞭が獲物を見つけた蛇のように伸び、アラクネの腰に巻きついた。

　その拍子に、先端のマスコット、しびれフグがアラクネのビスチェの胸の谷間に飛び込んだ。

「はひいっっ！」

　電撃を食らい、硬直したまま身体をくねらすアラクネ。

「あああああああんっ！」

　口から泡を吹き、仮面の中で眼球がぐるっと裏返る。

　あまりの快感に、失神したのだろう。

　鞭を回収すると、ソフィアがマネキンのように固まったアラクネを、軽々と肩に担ぎ上げた。

「連れて帰って、尋問しましょ。魔王軍の計画を、残らず吐かせるのよ」

「それがいいね。これ以上、この子に邪魔されるの、うっとうしいもんね」

　私はソフィアの肩でぐったりしているアラクネの顔を、下からのぞき込んだ。

　眼のあたりは仮面に隠れていてわからないが、思ったよりあどけない顔立ちをしているようだ。

　鼻も口も小づくりで、少しぽっちゃり気味の頬も、リンゴみたいにつやつやしている。

　お尻も胸もそんなに大きくないし、体つきは小柄で細身である。

　たぶん十代半ば、私とソフィアより少し年下ではないか。

　そんな感じがした。

　カニの足を伝って地面に下りると、ラルクと一平が待っていた。

「見事な連係プレイだ。ご苦労だった」

　ねぎらうラルクに、ソフィアが報告する。

「兄者、今度こそ、アラクネを捕まえたよ。一平に、尋問してもらいましょ」

「そうだな。ただし、先に鍵の在処を突き止めておきたい。それまでそいつは黄鶴楼に監禁してもらうとしよう」

　ラルクがそう答えた時である。

「ん？　あんたら、うちに何か用なのかい？」

　集まってきた野次馬たちの間から、小さな人影が進み出た。