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第3章 イオン奪還
action 8 銃撃
照準を合わせ、トリガーを引く。
銃声。
肩に重い衝撃。
竜司がこちらを振り仰いだ。
いかん。当たってない。
遠すぎるのだ。
明らかに僕の腕では遠すぎる。
銃の性能の問題ではなく、間違いなく僕の技術の問題だった。
竜司の反撃が始まった。
右腕を伸ばし、撃ってきた。
すぐ近くで連続して銃弾が跳ね、僕は飛び上がった。
まずい。
このままではハチの巣にされるのがオチじゃないか。
急いで腹ばいになり、手すりの鉄の棒の隙間から、銃身だけを出す。
くらえ!
2発目、3発目を連射した。
床が反動を吸収し、ぶれずに撃つことができた。
なのにどこへ飛んでいったのか、弾はいっこうに当たった気配がない。
その間にも竜司の射撃は続く。
カンカンとあちこちで銃弾が跳ねまわり、僕は首をすくめた。
生きた心地がしなかった。
恐怖で目の前が暗くなった。
その時、視界の隅に、フードコートの真上に差しかかったあずみの雄姿が入ってきた。
竜司は僕に気を取られて、まだあずみに気づいていないようだ。
僕はほっとした。
弾を当てることはできなかったが、とりあえずやつの注意をこっちに引きつけることだけは、なんとか成功したようだった。
走りながらポールを床に突き立て、あずみが跳躍した。
空中で身体をひねるさまは、まるで月面宙返り。
そのまま錐もみ状態で2階に落ちていったと思ったら、宙で体勢を立て直し、腰をかがめてキックの体勢に入った。
竜司の頭上であずみの長い右脚と左足が交差し、連続で繰り出された強烈な前蹴りがその右手から拳銃を弾き飛ばす。
やった!
僕は跳び起きた。
拳銃さえなければ、後は何とかなる。
エスカレーターを駆け下り、あずみの元に急ぐ。
3階まで降りると、さっき襲いかかってきたゾンビ女がのびていた。
その背中を踏みつけて、更に2階へと駆け下りる。
2階へたどり着いた時、1階からのエスカレーターを駆けあがってくる小さな人影が見えた。
背中にレールガンを背負ったTシャツ半ズボン姿のチビ。
一平である。
「何モタモタしてんだよ! おいらがいないとやっぱだめだな!」
僕の顔を見るなり、ムッとした顔でそんな生意気なことを言った。
「しょうがないだろ? 俺は素人なんだから」
「ったくもって、アキラのポンコツぶりには頭が下がるぜ!」
「何とでも言え。とにかく今は、あずみに加勢するんだ。左京は倒した。次はあいつだ」
「合点承知の助だい! おいらに任せな!」
小学生のくせに、一平は俊足だった。
みるみるうちにコーナーを回って、フードコートに接近していく。
あずみと竜司は今や接近戦にもつれこんでいた。
あずみの激しい蹴りとパンチを、竜司が必死にかわしている。
さすが元アマチュアボクシングのチャンピオンだけあって、よく耐えているといえそうだ。
が、その劣勢はすでに火を見るよりも明らかだった。
ハーフゾンビのあずみの反射神経は、確実に竜司のそれを上回っている。
そこに、一平がスライディングを敢行した。
床を滑りながら、レールガンを両手に構え、撃った。
ギュイイイイイン!
高速回転する鉄ゴマが飛び出し、緩やかな弧を描きながら竜司の足元に襲いかかった。
「ぐあ!」
右足首を独楽に切断され、鮮血を撒き散らしてバランスを崩す竜司。
「とりゃああっ!」
その下顎に、身を沈めたあずみが真下から繰り出した渾身のアッパーカットが炸裂する。
瞬間、竜司の身体が浮いた。
そして、正面から4トントラックにでもはねられたかのように、フードコートの分厚いガラスをぶち破って店内にすっ飛んでいった。
「やったね! あずみ!」
駆け寄った一平を見て、あずみが破顏した。
「一平ちゃん! 無事だったんだ!」
飛び上がって、ハイタッチを交わすふたり。
あずみの胸がぽよんと上下に揺れ、短すぎるスカートの下から紺のブルマがチラ見えする。
「みんな、よくがんばったね。1階もそろそろ決着がつきそうだよ」
背後から光の声がした。
振り返ると、相変わらずのクールなサングラス顏で、腰に両手を当てたコート姿の光が仁王立ちになっていた。
銃声。
肩に重い衝撃。
竜司がこちらを振り仰いだ。
いかん。当たってない。
遠すぎるのだ。
明らかに僕の腕では遠すぎる。
銃の性能の問題ではなく、間違いなく僕の技術の問題だった。
竜司の反撃が始まった。
右腕を伸ばし、撃ってきた。
すぐ近くで連続して銃弾が跳ね、僕は飛び上がった。
まずい。
このままではハチの巣にされるのがオチじゃないか。
急いで腹ばいになり、手すりの鉄の棒の隙間から、銃身だけを出す。
くらえ!
2発目、3発目を連射した。
床が反動を吸収し、ぶれずに撃つことができた。
なのにどこへ飛んでいったのか、弾はいっこうに当たった気配がない。
その間にも竜司の射撃は続く。
カンカンとあちこちで銃弾が跳ねまわり、僕は首をすくめた。
生きた心地がしなかった。
恐怖で目の前が暗くなった。
その時、視界の隅に、フードコートの真上に差しかかったあずみの雄姿が入ってきた。
竜司は僕に気を取られて、まだあずみに気づいていないようだ。
僕はほっとした。
弾を当てることはできなかったが、とりあえずやつの注意をこっちに引きつけることだけは、なんとか成功したようだった。
走りながらポールを床に突き立て、あずみが跳躍した。
空中で身体をひねるさまは、まるで月面宙返り。
そのまま錐もみ状態で2階に落ちていったと思ったら、宙で体勢を立て直し、腰をかがめてキックの体勢に入った。
竜司の頭上であずみの長い右脚と左足が交差し、連続で繰り出された強烈な前蹴りがその右手から拳銃を弾き飛ばす。
やった!
僕は跳び起きた。
拳銃さえなければ、後は何とかなる。
エスカレーターを駆け下り、あずみの元に急ぐ。
3階まで降りると、さっき襲いかかってきたゾンビ女がのびていた。
その背中を踏みつけて、更に2階へと駆け下りる。
2階へたどり着いた時、1階からのエスカレーターを駆けあがってくる小さな人影が見えた。
背中にレールガンを背負ったTシャツ半ズボン姿のチビ。
一平である。
「何モタモタしてんだよ! おいらがいないとやっぱだめだな!」
僕の顔を見るなり、ムッとした顔でそんな生意気なことを言った。
「しょうがないだろ? 俺は素人なんだから」
「ったくもって、アキラのポンコツぶりには頭が下がるぜ!」
「何とでも言え。とにかく今は、あずみに加勢するんだ。左京は倒した。次はあいつだ」
「合点承知の助だい! おいらに任せな!」
小学生のくせに、一平は俊足だった。
みるみるうちにコーナーを回って、フードコートに接近していく。
あずみと竜司は今や接近戦にもつれこんでいた。
あずみの激しい蹴りとパンチを、竜司が必死にかわしている。
さすが元アマチュアボクシングのチャンピオンだけあって、よく耐えているといえそうだ。
が、その劣勢はすでに火を見るよりも明らかだった。
ハーフゾンビのあずみの反射神経は、確実に竜司のそれを上回っている。
そこに、一平がスライディングを敢行した。
床を滑りながら、レールガンを両手に構え、撃った。
ギュイイイイイン!
高速回転する鉄ゴマが飛び出し、緩やかな弧を描きながら竜司の足元に襲いかかった。
「ぐあ!」
右足首を独楽に切断され、鮮血を撒き散らしてバランスを崩す竜司。
「とりゃああっ!」
その下顎に、身を沈めたあずみが真下から繰り出した渾身のアッパーカットが炸裂する。
瞬間、竜司の身体が浮いた。
そして、正面から4トントラックにでもはねられたかのように、フードコートの分厚いガラスをぶち破って店内にすっ飛んでいった。
「やったね! あずみ!」
駆け寄った一平を見て、あずみが破顏した。
「一平ちゃん! 無事だったんだ!」
飛び上がって、ハイタッチを交わすふたり。
あずみの胸がぽよんと上下に揺れ、短すぎるスカートの下から紺のブルマがチラ見えする。
「みんな、よくがんばったね。1階もそろそろ決着がつきそうだよ」
背後から光の声がした。
振り返ると、相変わらずのクールなサングラス顏で、腰に両手を当てたコート姿の光が仁王立ちになっていた。
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