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第4章 魔獣地帯
action 7 大顎
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車体はほぼ60度、斜めに傾いて止まった。
あずみの下から這い出して、運転席と助手席の間から顏を出すと、フロントガラスの外を何やら長い影が横切っていくのが視界に飛び込んできた。
「何だろう?」
僕のつぶやきに、斜めに傾いたまま、持ち前のクールな口調で光が反応した。
「あの尻尾の形状とサイズからして、おそらく正体はイリエワニ。最大で全長7メートルにも成長する人食いワニね。アメリカの自然公園では毎年必ず数人は犠牲者が出てるらしいわ。ちなみに2頭いるから気をつけて。わかると思うけど、水牛を池の中に引きずり込んだやつと、今この車にぶつかったやつ。つがいの可能性もあると思う。さて、どうするかだね」
衝撃があってから車が傾くまでの短い時間にそこまで分析するとは、さすが理系の三十路女である。
「車を水牛と間違えたのかな。そそっかしいワニだね」
僕の横から頸を出してきたあずみは、相変わらずのん気なものだ。
「水牛を丸呑みにするなんて、それ最早ワニっていうより怪獣じゃね?」
女ふたりに比べると、この一平の反応のほうがむしろ正しい気がするのだが。
「あんまりゆっくりしてる暇はなさそうだよ。ほら」
光がそう言ったとたん、戻ってきた尻尾が唸りを上げてフロントガラスを叩いた。
ピシッ。
分厚いガラスに蜘蛛の巣状の細かいひびが走る。
ついで恐竜のようなワニの頭部がぬうっと出現したかと思うと、耳まで裂けた大口を開けて、がぶりと車のボンネットに噛みついた。
「後ろだ! バックドアから外に出ろ!」
一平がわめきながら後部座席に飛び込んできた。
「うは」
またしても八墓村状態になったところを、半ズボンの吊りバンドを引っ張って助けてやる。
ドゴーンとすごい音がしたのは、あずみが右足でバックドアを蹴り開けたせいだ。
「光さん、早く!」
僕は光の腕をつかみ、座席を乗り越えるのを手伝った。
4人固まって転がるように外に飛び出すと、車の前を回ってワニが顔を突き出してきた。
でかかった。
体長は、市バス一台分ほどもあるだろうか。
その前三分の一が口である。
眼はもちろん裏返っていて、典型的なゾンビ顏になっている。
ゾンビゴリラの次はゾンビワニ。
つくづく僕はツイてない。
「あの巨体でワニってかなり素早いから、油断は禁物よ」
ヨーヨーを両手に構え、光が注意を促した。
「俺の武器は効きそうにないなあ。なんかあいつ、相当固そう」
一平がぼやくのも無理はない。
今僕らの目の前に腹ばいになっているこの怪物は、全身鎧に覆われているようなものなのだ。
ニホンザルはともかく、ゴリラに効かなかった一平のレールガンの貫通力では、かすり傷ひとつつけられない可能性が高い。
「こういう時に備えて、あれ持ってきたんでしょ?」
光に言われ、
「あ、そっか。その手があるか」
一平がトランクルームから自分のリュックを引きずり出す。
中を探ってつかみ出したのは、パイナップル型の手榴弾である。
「これさ、親父の試作品。1個しかなかったけど」
「爆竹ならたくさんあるけど、花火程度の火力では、トドメはさせないもんね」
「問題は、どうやって口を開けさせるかだな」
僕が言うと、
「それならあずみに任せて」
マイクロミニの下で形のいい尻を左右に振りながら、ためらうことなくあずみが前へと進み出た。
「お、おい」
僕の声をかき消すように、ワニが動いた。
短い四肢を高速で動かしながら突進を開始したのだ。
限界まで口を開いて、あずみに跳びかかった。
が、あずみの垂直ジャンプのほうが早かった。
たわわなバストが上下に激しく揺れ、スカートが腰の上までめくれ上がる。
「うほっ! 見えた!」
一平が歓喜の声を上げた。
ワニの上を飛び越し、空中で向きを変えると、両膝をそろえてその頭部めがけて落下する。
ニードロップが決まり、ワニがのけぞった。
その瞬間を、あずみは見逃さなかった。
ワニの肩の上に立ち、上顎に両手をかけると、ボートのオールでも漕ぐような感じで、一気にぐわっと上へと引き上げたのだ。
すさまじい怪力だった。
みしっと嫌な音がして、ワニの顎が根元から外れた。
「今よ! 一平ちゃん!」
あずみが叫ぶ。
口の端から白い泡を吹き、長い尻尾で地面を叩いて身悶えする巨大ワニ。
「おーし! 見てろよお!」
ロックを外し、一平が大げさなオーバースローで手榴弾を投げ込んだ。
ぽとん。
ワニのピンクの舌の上に爆弾が落ちた。
だが、何も起こらない。
「いけねー、不発弾かよ。古すぎて腐ってるのかも」
ペロッと舌を出す一平。
「ばーか。爆弾が腐りますかって。かくなる上はアキラ君、あなたの出番よ」
光が僕の肩を叩いて言った。
「え?」
「え? じゃないわよ。あなたのM19で手榴弾を狙い撃ちして爆発させる。それしかないでしょ」
「ま、マジですか」
僕は怯んだ。
さっきの失敗の記憶が頭の中に蘇る。
「早くしないとあずみちゃんが危ない。わかってるわね」
嘘ではなかった。
ワニはその尻尾の強力な一撃で、背後からあずみを狙うことに決めたようだった。
ゴジラの尾そっくりな長い尻尾が、高々と宙に持ち上がる。
僕はあわててホルスターから銃を抜き、構えた。
胸がドキドキする。
手の震えが止まらない。
ただ的を外すだけならまだいい。
あずみに当たってしまうのが怖かった。
「お兄ちゃん!」
その時、あずみが僕を見た。
そして、勇気づけるように言ったのだ。
「自分を信じて、頑張って」
と、そうひと言。
手の震えが止まったようだった。
僕は大きく息を吸い、狙いを定めてゆっくりと人さし指に力を込めた。
あずみの下から這い出して、運転席と助手席の間から顏を出すと、フロントガラスの外を何やら長い影が横切っていくのが視界に飛び込んできた。
「何だろう?」
僕のつぶやきに、斜めに傾いたまま、持ち前のクールな口調で光が反応した。
「あの尻尾の形状とサイズからして、おそらく正体はイリエワニ。最大で全長7メートルにも成長する人食いワニね。アメリカの自然公園では毎年必ず数人は犠牲者が出てるらしいわ。ちなみに2頭いるから気をつけて。わかると思うけど、水牛を池の中に引きずり込んだやつと、今この車にぶつかったやつ。つがいの可能性もあると思う。さて、どうするかだね」
衝撃があってから車が傾くまでの短い時間にそこまで分析するとは、さすが理系の三十路女である。
「車を水牛と間違えたのかな。そそっかしいワニだね」
僕の横から頸を出してきたあずみは、相変わらずのん気なものだ。
「水牛を丸呑みにするなんて、それ最早ワニっていうより怪獣じゃね?」
女ふたりに比べると、この一平の反応のほうがむしろ正しい気がするのだが。
「あんまりゆっくりしてる暇はなさそうだよ。ほら」
光がそう言ったとたん、戻ってきた尻尾が唸りを上げてフロントガラスを叩いた。
ピシッ。
分厚いガラスに蜘蛛の巣状の細かいひびが走る。
ついで恐竜のようなワニの頭部がぬうっと出現したかと思うと、耳まで裂けた大口を開けて、がぶりと車のボンネットに噛みついた。
「後ろだ! バックドアから外に出ろ!」
一平がわめきながら後部座席に飛び込んできた。
「うは」
またしても八墓村状態になったところを、半ズボンの吊りバンドを引っ張って助けてやる。
ドゴーンとすごい音がしたのは、あずみが右足でバックドアを蹴り開けたせいだ。
「光さん、早く!」
僕は光の腕をつかみ、座席を乗り越えるのを手伝った。
4人固まって転がるように外に飛び出すと、車の前を回ってワニが顔を突き出してきた。
でかかった。
体長は、市バス一台分ほどもあるだろうか。
その前三分の一が口である。
眼はもちろん裏返っていて、典型的なゾンビ顏になっている。
ゾンビゴリラの次はゾンビワニ。
つくづく僕はツイてない。
「あの巨体でワニってかなり素早いから、油断は禁物よ」
ヨーヨーを両手に構え、光が注意を促した。
「俺の武器は効きそうにないなあ。なんかあいつ、相当固そう」
一平がぼやくのも無理はない。
今僕らの目の前に腹ばいになっているこの怪物は、全身鎧に覆われているようなものなのだ。
ニホンザルはともかく、ゴリラに効かなかった一平のレールガンの貫通力では、かすり傷ひとつつけられない可能性が高い。
「こういう時に備えて、あれ持ってきたんでしょ?」
光に言われ、
「あ、そっか。その手があるか」
一平がトランクルームから自分のリュックを引きずり出す。
中を探ってつかみ出したのは、パイナップル型の手榴弾である。
「これさ、親父の試作品。1個しかなかったけど」
「爆竹ならたくさんあるけど、花火程度の火力では、トドメはさせないもんね」
「問題は、どうやって口を開けさせるかだな」
僕が言うと、
「それならあずみに任せて」
マイクロミニの下で形のいい尻を左右に振りながら、ためらうことなくあずみが前へと進み出た。
「お、おい」
僕の声をかき消すように、ワニが動いた。
短い四肢を高速で動かしながら突進を開始したのだ。
限界まで口を開いて、あずみに跳びかかった。
が、あずみの垂直ジャンプのほうが早かった。
たわわなバストが上下に激しく揺れ、スカートが腰の上までめくれ上がる。
「うほっ! 見えた!」
一平が歓喜の声を上げた。
ワニの上を飛び越し、空中で向きを変えると、両膝をそろえてその頭部めがけて落下する。
ニードロップが決まり、ワニがのけぞった。
その瞬間を、あずみは見逃さなかった。
ワニの肩の上に立ち、上顎に両手をかけると、ボートのオールでも漕ぐような感じで、一気にぐわっと上へと引き上げたのだ。
すさまじい怪力だった。
みしっと嫌な音がして、ワニの顎が根元から外れた。
「今よ! 一平ちゃん!」
あずみが叫ぶ。
口の端から白い泡を吹き、長い尻尾で地面を叩いて身悶えする巨大ワニ。
「おーし! 見てろよお!」
ロックを外し、一平が大げさなオーバースローで手榴弾を投げ込んだ。
ぽとん。
ワニのピンクの舌の上に爆弾が落ちた。
だが、何も起こらない。
「いけねー、不発弾かよ。古すぎて腐ってるのかも」
ペロッと舌を出す一平。
「ばーか。爆弾が腐りますかって。かくなる上はアキラ君、あなたの出番よ」
光が僕の肩を叩いて言った。
「え?」
「え? じゃないわよ。あなたのM19で手榴弾を狙い撃ちして爆発させる。それしかないでしょ」
「ま、マジですか」
僕は怯んだ。
さっきの失敗の記憶が頭の中に蘇る。
「早くしないとあずみちゃんが危ない。わかってるわね」
嘘ではなかった。
ワニはその尻尾の強力な一撃で、背後からあずみを狙うことに決めたようだった。
ゴジラの尾そっくりな長い尻尾が、高々と宙に持ち上がる。
僕はあわててホルスターから銃を抜き、構えた。
胸がドキドキする。
手の震えが止まらない。
ただ的を外すだけならまだいい。
あずみに当たってしまうのが怖かった。
「お兄ちゃん!」
その時、あずみが僕を見た。
そして、勇気づけるように言ったのだ。
「自分を信じて、頑張って」
と、そうひと言。
手の震えが止まったようだった。
僕は大きく息を吸い、狙いを定めてゆっくりと人さし指に力を込めた。
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