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第5章 約束の地へ
action 16 反撃
掌が冷めていた。
そうっとどけると、あずみの腹の傷口は綺麗に塞がっていた。
穴の開いていたあたりに、うっすらと白い線が見えるだけ。
「すごい…」
僕はまじまじと己の掌を見つめた。
効いたのだ。
マルデックのヒーラーの力は、本物だったのである。
あずみがむっくりと起き上がった。
「ひ?」
それまで大騒ぎしていた一平が、喉が詰まった時のような声を立てて、黙り込む。
「セーラー服が…」
上体を起こしたあずみが、少し悲しそうに言った。
当然のことながら、あずみは上半身裸である。
身に着けているのは、例のプラチナ製のブラジャーだけだ。
「あ、あずみちゃん…」
光が息を呑んだ。
サングラスを外し、ごしごし目をこする。
初めて見る光の素顔だった。
シャープな切れ長の目をしている。
アルビノらしく、瞳孔だけが血のように赤い。
「どうなってるの?」
「詳しい話はあとで。みんな、下がってて」
ガタガタ揺れているエアロックを目に留めると、あずみが低い声で言った。
ひと呼吸で立ち上がると、両足を軽く開き、ファイティングポーズを取る。
ドアが吹っ飛び、化け物が押し入ってきた。
節ごとにバラバラになっていた身体が、元に戻っている。
「とりゃあ!」
あずみの右脚が水平に上がり、次の瞬間、ミサイルのように怪物の顔面に炸裂した。
そこだけ人間の面影を残していた堂神仁の頭部が、ぐしゃりと柘榴のように割れ、灰色の脳漿と黒い体液を噴水よろしく噴き出した。
ドォォォン!
脳を失くした怪物の巨体が、前のめりに通路に突っ込んでくる。
「はや」
一平が呻いた。
「さすが巨乳星人」
「は? 巨乳星人って何?」
あずみの細い眉が吊り上がる。
「い、いや、なんでもない。それよかあずみ、お帰り!」
一平が、心の底から嬉しそうに笑った。
「ただいま」
あずみが微笑み返す。
「ごめんね、みんな。また心配かけちゃって」
「っていうか、何がどうなったのか、まるで話が見えないんだけど」
サングラスをかけ直すのも忘れるほど、光は混乱しているらしい。
「お兄ちゃんが、あずみを生き返らせてくれたんです」
ニコニコしながら、あずみが言った。
「アキラ君…が? いったい、どうやって?」
疑わしそうに眉をひそめる光。
「まあ、愛の力ってやつですかね」
説明するのも面倒なので、僕は適当に言い逃れることにした。
「僕の愛の力が、あずみの中のマルデックの力を呼び覚ましたんですよ」
てか、これ、けっこう当たってたりして?
「やっぱりそうだったんだ!」
あずみの顔がぱっと輝いた。
「これって、四字熟語にすると、きっと相思相愛っていうんだよね?」
そうっとどけると、あずみの腹の傷口は綺麗に塞がっていた。
穴の開いていたあたりに、うっすらと白い線が見えるだけ。
「すごい…」
僕はまじまじと己の掌を見つめた。
効いたのだ。
マルデックのヒーラーの力は、本物だったのである。
あずみがむっくりと起き上がった。
「ひ?」
それまで大騒ぎしていた一平が、喉が詰まった時のような声を立てて、黙り込む。
「セーラー服が…」
上体を起こしたあずみが、少し悲しそうに言った。
当然のことながら、あずみは上半身裸である。
身に着けているのは、例のプラチナ製のブラジャーだけだ。
「あ、あずみちゃん…」
光が息を呑んだ。
サングラスを外し、ごしごし目をこする。
初めて見る光の素顔だった。
シャープな切れ長の目をしている。
アルビノらしく、瞳孔だけが血のように赤い。
「どうなってるの?」
「詳しい話はあとで。みんな、下がってて」
ガタガタ揺れているエアロックを目に留めると、あずみが低い声で言った。
ひと呼吸で立ち上がると、両足を軽く開き、ファイティングポーズを取る。
ドアが吹っ飛び、化け物が押し入ってきた。
節ごとにバラバラになっていた身体が、元に戻っている。
「とりゃあ!」
あずみの右脚が水平に上がり、次の瞬間、ミサイルのように怪物の顔面に炸裂した。
そこだけ人間の面影を残していた堂神仁の頭部が、ぐしゃりと柘榴のように割れ、灰色の脳漿と黒い体液を噴水よろしく噴き出した。
ドォォォン!
脳を失くした怪物の巨体が、前のめりに通路に突っ込んでくる。
「はや」
一平が呻いた。
「さすが巨乳星人」
「は? 巨乳星人って何?」
あずみの細い眉が吊り上がる。
「い、いや、なんでもない。それよかあずみ、お帰り!」
一平が、心の底から嬉しそうに笑った。
「ただいま」
あずみが微笑み返す。
「ごめんね、みんな。また心配かけちゃって」
「っていうか、何がどうなったのか、まるで話が見えないんだけど」
サングラスをかけ直すのも忘れるほど、光は混乱しているらしい。
「お兄ちゃんが、あずみを生き返らせてくれたんです」
ニコニコしながら、あずみが言った。
「アキラ君…が? いったい、どうやって?」
疑わしそうに眉をひそめる光。
「まあ、愛の力ってやつですかね」
説明するのも面倒なので、僕は適当に言い逃れることにした。
「僕の愛の力が、あずみの中のマルデックの力を呼び覚ましたんですよ」
てか、これ、けっこう当たってたりして?
「やっぱりそうだったんだ!」
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「これって、四字熟語にすると、きっと相思相愛っていうんだよね?」
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