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#28 肉欲の疼き⑪
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日が上るにつれ、気温の上昇も著しくなった。
梅雨が明け、ここ数日雨が降らないせいで、空気もカラカラに乾いている。
きのうおとといのように、スプリングコートを着て出かける気にはとてもなれなかった。
そんなことをすれば、病院に着くまでに汗だくになって、せっかくのインナーが台無しになってしまう。
考えた末、琴子はインナーの上に生地の薄いタイトミニを穿き、上半身には袖なしのカーディガンを羽織るだけにした。
それがいかにふしだらな格好かは、鏡を見なくてもわかっている。
カーディガンが少しでもめくれると、乳輪もあらわな胸が剥き出しになってしまうのである。
が、いつもより派手なメイクが琴子を大胆な気分にさせていた。
鮮やかな真紅のルージュに黒いシャドウ。
すごく挑発的で、まるで私じゃないみたい…。
鏡の前で、つい変身した自分の顔に見惚れてしまったほどだ。
時間があるので、バスで行くことにした。
久々にピンヒールの靴を履き、胸を張ってバス停まで歩く。
ベンチに座ってバスを待つことにした。
車道側に足を向け、高く組んでみる。
スカートがずり上がり、太腿がつけ根のあたりまで丸出しになった。
信号待ちの車から、視線を感じる。
バックミラー越しに、ドライバーたちが琴子の下半身を凝視しているのだろう。
その想像が心地よい。
さほど待つこともなく、バスはやってきた。
窓越しにも、かなり混んでいることがわかった。
ある期待で、トクンと、胸が鳴った。
琴子がタラップを上がっていくと、まず、運転手がぎょっとしたような顏をした。
琴子の胸の隆起から、悪いものでも見たようにそそくさと目を逸らした。
通路に立つと、男の乗客たちの視線が集中するのがわかった。
乳輪と乳首の透けて見える胸。
吊り輪を掴むために上げた右腕のつけ根からのぞく、すべらかな腋の下。
形のいいヒップにはりついたタイトスカート。
その下から伸びた肉感的な生足。
それらすべてに、舐めるようなまなざしが纏わりついてくるのだ。
バスには、大学生、サラリーマン、老人と、幅広い年齢層の男性が乗っている。
通勤通学の時間帯にあたっているせいか、女性よりも男性の数のほうが多い。
その誰もに見つめられているようで、吊り革につかまりながら、琴子は次第に妙に昂った気分になってきた。
窮屈なインナーにこすれて、乳首が疼く。
ただ疼くだけでなく、何もしていないのに、早くも硬くなり始めている。
触りたい。
いや、違う。
触ってもらいたい。
ふいに刺すような衝動が身体の芯を突き抜けた。
できるなら、ここで上着を脱ぎ捨て、このセクシーなインナーに包まれた身体をみんなに見てもらいたい。
不特定多数の、私の知らない男たちに…。
そうして、この卑猥な身体を見られながら、私はここで自ら乳首を弄り、股間に指を這わせ…。
そんな妄想すら、頭の中で渦巻いた。
意識の底に押し込めた夫への憎しみが、倒錯した嗜虐心となって琴子を支配しようとしていた。
どれほどの間、そんなふうに淫靡な妄想に耽っていたのか…。
バスが止まり、琴子ははっと我に返った。
車窓から、病院の白亜の建物が見えている。
着いた。
胸の鼓動が速くなる。
ステージに向かう女優の気分で、琴子は腰をくねらせながらバスを降りた。
梅雨が明け、ここ数日雨が降らないせいで、空気もカラカラに乾いている。
きのうおとといのように、スプリングコートを着て出かける気にはとてもなれなかった。
そんなことをすれば、病院に着くまでに汗だくになって、せっかくのインナーが台無しになってしまう。
考えた末、琴子はインナーの上に生地の薄いタイトミニを穿き、上半身には袖なしのカーディガンを羽織るだけにした。
それがいかにふしだらな格好かは、鏡を見なくてもわかっている。
カーディガンが少しでもめくれると、乳輪もあらわな胸が剥き出しになってしまうのである。
が、いつもより派手なメイクが琴子を大胆な気分にさせていた。
鮮やかな真紅のルージュに黒いシャドウ。
すごく挑発的で、まるで私じゃないみたい…。
鏡の前で、つい変身した自分の顔に見惚れてしまったほどだ。
時間があるので、バスで行くことにした。
久々にピンヒールの靴を履き、胸を張ってバス停まで歩く。
ベンチに座ってバスを待つことにした。
車道側に足を向け、高く組んでみる。
スカートがずり上がり、太腿がつけ根のあたりまで丸出しになった。
信号待ちの車から、視線を感じる。
バックミラー越しに、ドライバーたちが琴子の下半身を凝視しているのだろう。
その想像が心地よい。
さほど待つこともなく、バスはやってきた。
窓越しにも、かなり混んでいることがわかった。
ある期待で、トクンと、胸が鳴った。
琴子がタラップを上がっていくと、まず、運転手がぎょっとしたような顏をした。
琴子の胸の隆起から、悪いものでも見たようにそそくさと目を逸らした。
通路に立つと、男の乗客たちの視線が集中するのがわかった。
乳輪と乳首の透けて見える胸。
吊り輪を掴むために上げた右腕のつけ根からのぞく、すべらかな腋の下。
形のいいヒップにはりついたタイトスカート。
その下から伸びた肉感的な生足。
それらすべてに、舐めるようなまなざしが纏わりついてくるのだ。
バスには、大学生、サラリーマン、老人と、幅広い年齢層の男性が乗っている。
通勤通学の時間帯にあたっているせいか、女性よりも男性の数のほうが多い。
その誰もに見つめられているようで、吊り革につかまりながら、琴子は次第に妙に昂った気分になってきた。
窮屈なインナーにこすれて、乳首が疼く。
ただ疼くだけでなく、何もしていないのに、早くも硬くなり始めている。
触りたい。
いや、違う。
触ってもらいたい。
ふいに刺すような衝動が身体の芯を突き抜けた。
できるなら、ここで上着を脱ぎ捨て、このセクシーなインナーに包まれた身体をみんなに見てもらいたい。
不特定多数の、私の知らない男たちに…。
そうして、この卑猥な身体を見られながら、私はここで自ら乳首を弄り、股間に指を這わせ…。
そんな妄想すら、頭の中で渦巻いた。
意識の底に押し込めた夫への憎しみが、倒錯した嗜虐心となって琴子を支配しようとしていた。
どれほどの間、そんなふうに淫靡な妄想に耽っていたのか…。
バスが止まり、琴子ははっと我に返った。
車窓から、病院の白亜の建物が見えている。
着いた。
胸の鼓動が速くなる。
ステージに向かう女優の気分で、琴子は腰をくねらせながらバスを降りた。
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