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#48 奉仕する牝犬⑪
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手に付着した鶴松老人の精液を舐めていると、ドアががちゃりと開く音がした。
「こ、これは」
動揺した男の声。
びっくりして振り向くと、戸口に白衣を着た中年の医師が立っていた。
全裸の琴子を目の当たりにして、化石にでもなったかのように硬直している。
「あ、篠崎先生、ちょうどいい」
妙に明るい声で、和夫が言った。
「紹介するよ。もう知ってると思うけど、これが俺のかあさん、琴子って言うんだ」
もう知ってるとは、どういうことだろう?
ちらっとそんな疑念が脳裏をかすめたが、それより罪悪感のほうが先に立った。
いうまでもなく、琴子は全裸である。
おまけに部屋の中には濃厚に精液と汗の匂いが立ち込め、患者たちははだけた病衣の間から射精直後の性器を垂らしている。
よほど鈍感な人間でない限り、今までここで何が行われていたか、すぐに察するに違いない。
「あ、あなたたち、何を…?」
案の定、篠崎と呼ばれた医師が、喉に何かが引っかかったような口調で訊いてきた。
「まずいですねえ。これはまずい」
琴子が答える前に、安田が禿頭を撫でまわしながら、困惑したように言った。
「先生に見つかっちゃったんじゃ、明日からの楽しみがなくなってしまう」
「それは困る」
行為を済ませたばかりの鶴松老人が、安田のその言葉にきっと顏を上げた。
生涯の仇敵にでも出くわしたかのような眼で、じいっと篠崎医師を睨みつけている。
「なあ、みんな、そうじゃろう」
老人の呼びかけに、梶田が、そして最後に高木少年が、こっくりとうなずいた。
「先生なら、大丈夫だよ。前にちょっと手伝ってもらったこと、あるから」
が、動揺を隠せない琴子たちと反対に、なぜか和夫は余裕綽々の様子である。
「手伝ってもらったって、何を?」
ふと嫌な予感がして、琴子は木乃伊男然とした和夫に訊いた。
「リハビリルームの鍵、開いてたの、覚えてる?」
にたにた笑いながら、和夫が答えた。
「あの日の夜勤、篠崎先生だったんだ」
「じゃ、じゃあ・・・」
琴子は息を呑んだ。
そういうことだったのか。
あれは当直の看護師が鍵をかけ忘れたのではなかったのだ。
だとすると、あの時の手・・・。
目隠ししてトレーニングマシンに横たわった琴子の躰を、下着の下から撫でまわしたあの手は…。
すくなくとも、4本あったうちの2本は、この中年医師のものだったということになる・・・。
「先生がさ、いつもかあさんのスカートのパンティラインとか、透けて見えるブラとかに興奮してるみたいだったから、俺から誘いをかけてみたんだよ。そしたら、一発でOKが出てさ」
和夫がゲラゲラ笑い出した。
「それは・・・」
篠崎は、黒縁の眼鏡をかけ、頭髪を七三に分けた、四角い顔の見るからに真面目そうな男である。
その朴念仁そのものの中年医師が、首まで赤くなって琴子から視線を逸らしている。
「こうなったらさ」
和夫が笑いを止め、真面目な口調になって言った。
「先生にも、正式に仲間になってもらおうよ。ね、みんな、いいだろ? 先生が味方につけば、色々やりやすくなるしさ」
「いい考えだね」
真っ先に賛同したのは、安田だった。
「ではさっそく、先生にも楽しんでもらうとしましょうか。さ、先生、ドアを閉めてください」
「た、楽しむって、何をです?」
震える声で、篠崎医師がたずねた。
白衣の上からでも、ズボンの前が醜く膨らんでいるのがわかる。
安田がさわやかに笑い、そして答えた。
「決まってるでしょ? 琴子さんの躰を、ですよ」
「こ、これは」
動揺した男の声。
びっくりして振り向くと、戸口に白衣を着た中年の医師が立っていた。
全裸の琴子を目の当たりにして、化石にでもなったかのように硬直している。
「あ、篠崎先生、ちょうどいい」
妙に明るい声で、和夫が言った。
「紹介するよ。もう知ってると思うけど、これが俺のかあさん、琴子って言うんだ」
もう知ってるとは、どういうことだろう?
ちらっとそんな疑念が脳裏をかすめたが、それより罪悪感のほうが先に立った。
いうまでもなく、琴子は全裸である。
おまけに部屋の中には濃厚に精液と汗の匂いが立ち込め、患者たちははだけた病衣の間から射精直後の性器を垂らしている。
よほど鈍感な人間でない限り、今までここで何が行われていたか、すぐに察するに違いない。
「あ、あなたたち、何を…?」
案の定、篠崎と呼ばれた医師が、喉に何かが引っかかったような口調で訊いてきた。
「まずいですねえ。これはまずい」
琴子が答える前に、安田が禿頭を撫でまわしながら、困惑したように言った。
「先生に見つかっちゃったんじゃ、明日からの楽しみがなくなってしまう」
「それは困る」
行為を済ませたばかりの鶴松老人が、安田のその言葉にきっと顏を上げた。
生涯の仇敵にでも出くわしたかのような眼で、じいっと篠崎医師を睨みつけている。
「なあ、みんな、そうじゃろう」
老人の呼びかけに、梶田が、そして最後に高木少年が、こっくりとうなずいた。
「先生なら、大丈夫だよ。前にちょっと手伝ってもらったこと、あるから」
が、動揺を隠せない琴子たちと反対に、なぜか和夫は余裕綽々の様子である。
「手伝ってもらったって、何を?」
ふと嫌な予感がして、琴子は木乃伊男然とした和夫に訊いた。
「リハビリルームの鍵、開いてたの、覚えてる?」
にたにた笑いながら、和夫が答えた。
「あの日の夜勤、篠崎先生だったんだ」
「じゃ、じゃあ・・・」
琴子は息を呑んだ。
そういうことだったのか。
あれは当直の看護師が鍵をかけ忘れたのではなかったのだ。
だとすると、あの時の手・・・。
目隠ししてトレーニングマシンに横たわった琴子の躰を、下着の下から撫でまわしたあの手は…。
すくなくとも、4本あったうちの2本は、この中年医師のものだったということになる・・・。
「先生がさ、いつもかあさんのスカートのパンティラインとか、透けて見えるブラとかに興奮してるみたいだったから、俺から誘いをかけてみたんだよ。そしたら、一発でOKが出てさ」
和夫がゲラゲラ笑い出した。
「それは・・・」
篠崎は、黒縁の眼鏡をかけ、頭髪を七三に分けた、四角い顔の見るからに真面目そうな男である。
その朴念仁そのものの中年医師が、首まで赤くなって琴子から視線を逸らしている。
「こうなったらさ」
和夫が笑いを止め、真面目な口調になって言った。
「先生にも、正式に仲間になってもらおうよ。ね、みんな、いいだろ? 先生が味方につけば、色々やりやすくなるしさ」
「いい考えだね」
真っ先に賛同したのは、安田だった。
「ではさっそく、先生にも楽しんでもらうとしましょうか。さ、先生、ドアを閉めてください」
「た、楽しむって、何をです?」
震える声で、篠崎医師がたずねた。
白衣の上からでも、ズボンの前が醜く膨らんでいるのがわかる。
安田がさわやかに笑い、そして答えた。
「決まってるでしょ? 琴子さんの躰を、ですよ」
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