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#127 狂った夫③
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口の中にたまった精液を、琴子は苦労して少しずつ呑み込んだ。
吐き出すと正一が怒ることを知っていたからだ。
正一の精液は、和夫のそれに比べると水のように薄く、なんだか不健康な味がした。
「おまえ、いつの間に…?」
ベッドの端に坐り込んだ正一は、気の抜けたような表情で、己の精液を飲む琴子を凝視している。
正一の言いたいことは、なんとなくわかった。
いつのまにそんなにフェラチオがうまくなったのか?
そう訊きたかったに違いない。
思い返してみれば、そうだった。
夫と定期的に性交渉があった頃、琴子はあまり熱心に口淫をしなかった。
性急な正一が、すぐに挿入を求めてきたせいもある。
だが、和夫の入院以来、琴子の性生活は大きく変わっている。
入院患者たちの餌食にされ、息子の和夫にも犯され、あまつさえ、隣人の仁美からも凌辱を受けた。
その過程で自然に身についたのが、このフェラチオのテクニックなのだ。
正一のペニスは先から精液の残滓をしたたらせ、すっかり元気をなくしている。
情けない男。
琴子はそんな正一を鼻で嗤ってやりたい気分だった。
ここ数ヶ月の琴子の奔放な性経験の中で、これほどあっけない相手はいなかったと思う。
たかがフェラチオだけで逝くだなんて。
しかも夫の未成熟な仮性包茎のペニスは、早くも萎びたあげく、また元の皮かぶりに戻っている…。
頃合いだと思った。
口の周りに付着した精液の残りを舌で舐め取ると、琴子は無言で立ち上がり、裸の上からルームウェアのショートパンツとトレーナーを身につけた。
下着はつけていなかったが、玄関先に出るだけならこれで十分だろう、と思った。
己の性器をティッシュで拭いている正一の前を素通りして、玄関口に続く廊下に向かおうとした時だった。
通りすぎかけた琴子の左手首を、やにわに正一がつかんできた。
「待てよ。どこへ行くつもりだ?」
「ご、ごめんなさい…。和夫を、中に…」
琴子は恐怖にすくみ上がった。
まだ足りないのだろうか。
いつもなら、一回出しただけで、すぐ寝てしまうほど弱いのに…。
「あんなやつ、放っておけ。それより、琴子、これはなんだ?」
正一が鼻先に突きつけてきたものを見て、琴子は顔から血の気が引いていくのを感じた。
バイブである。
和夫がベッドに放り出したままにしておいた、2本のバイブレーターだ。
「おまえたち、こんなものまで使っていたのか…。実の親子だっていうのに、けがらわしいっ」
正一が、憤懣やるかたないといった口調で、吐き捨てるように言った。
「そ、それは…」
二の句が継げなかった。
琴子は恥辱で真っ赤になった。
己の性器を見られるより、使用済みのバイブを見られるほうが、よほど恥ずかしかった。
「許せん」
正一が腰を上げた。
「そこに四つん這いになれ」
不思議なことに、貧弱なあのペニスが再び鎌首をもたげかけている。
「犬みたいに這いつくばって、俺にその尻を向けるんだ!」
2本のバイブを凶器のように両手に掲げ、鬼のような形相で、正一が命令した。
吐き出すと正一が怒ることを知っていたからだ。
正一の精液は、和夫のそれに比べると水のように薄く、なんだか不健康な味がした。
「おまえ、いつの間に…?」
ベッドの端に坐り込んだ正一は、気の抜けたような表情で、己の精液を飲む琴子を凝視している。
正一の言いたいことは、なんとなくわかった。
いつのまにそんなにフェラチオがうまくなったのか?
そう訊きたかったに違いない。
思い返してみれば、そうだった。
夫と定期的に性交渉があった頃、琴子はあまり熱心に口淫をしなかった。
性急な正一が、すぐに挿入を求めてきたせいもある。
だが、和夫の入院以来、琴子の性生活は大きく変わっている。
入院患者たちの餌食にされ、息子の和夫にも犯され、あまつさえ、隣人の仁美からも凌辱を受けた。
その過程で自然に身についたのが、このフェラチオのテクニックなのだ。
正一のペニスは先から精液の残滓をしたたらせ、すっかり元気をなくしている。
情けない男。
琴子はそんな正一を鼻で嗤ってやりたい気分だった。
ここ数ヶ月の琴子の奔放な性経験の中で、これほどあっけない相手はいなかったと思う。
たかがフェラチオだけで逝くだなんて。
しかも夫の未成熟な仮性包茎のペニスは、早くも萎びたあげく、また元の皮かぶりに戻っている…。
頃合いだと思った。
口の周りに付着した精液の残りを舌で舐め取ると、琴子は無言で立ち上がり、裸の上からルームウェアのショートパンツとトレーナーを身につけた。
下着はつけていなかったが、玄関先に出るだけならこれで十分だろう、と思った。
己の性器をティッシュで拭いている正一の前を素通りして、玄関口に続く廊下に向かおうとした時だった。
通りすぎかけた琴子の左手首を、やにわに正一がつかんできた。
「待てよ。どこへ行くつもりだ?」
「ご、ごめんなさい…。和夫を、中に…」
琴子は恐怖にすくみ上がった。
まだ足りないのだろうか。
いつもなら、一回出しただけで、すぐ寝てしまうほど弱いのに…。
「あんなやつ、放っておけ。それより、琴子、これはなんだ?」
正一が鼻先に突きつけてきたものを見て、琴子は顔から血の気が引いていくのを感じた。
バイブである。
和夫がベッドに放り出したままにしておいた、2本のバイブレーターだ。
「おまえたち、こんなものまで使っていたのか…。実の親子だっていうのに、けがらわしいっ」
正一が、憤懣やるかたないといった口調で、吐き捨てるように言った。
「そ、それは…」
二の句が継げなかった。
琴子は恥辱で真っ赤になった。
己の性器を見られるより、使用済みのバイブを見られるほうが、よほど恥ずかしかった。
「許せん」
正一が腰を上げた。
「そこに四つん這いになれ」
不思議なことに、貧弱なあのペニスが再び鎌首をもたげかけている。
「犬みたいに這いつくばって、俺にその尻を向けるんだ!」
2本のバイブを凶器のように両手に掲げ、鬼のような形相で、正一が命令した。
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