魔王にレイプされてゴミのように棄てられた女戦士は、悪役令嬢に生まれ変わって復讐します

戸影絵麻

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第3章 魔獣の巣窟

#21 王立生物学研究所⑦

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 故意にタイヤをスリップさせ、モーターサイクルの後輪で玄関の樫の扉をぶち破った。

 マシンにまたがったまま、玄関ホールを突っ切って正面の階段を駆け上がる。

「私とサトは階上を探す。みんなはまず虱潰しに1階を」

「OK、わかった。済んだらそっちに行くから、それまで無茶するな」

 ルビイを振り仰ぎ、アニムスがいっぱしの口を叩く。

 バイクを走らせるには、さすがに通路は狭すぎた。

 鉄馬を置いて、ここからは徒歩で行くしかない。

 通路に沿って並ぶ扉を、ひとつずつ開けていく。

 2階は所員たちの居住スペースらしく、中にはベッドなどの調度類がそろっている。

 が、さっき外にあふれ出してきたキメラたちがここの住人だったのか、今はどの部屋も全く人の気配がない。

 通路の突き当りには、3階へ上がる階段が見えている。

「ルビイさま、お気をつけください。なんだかいやな予感がします」

 サトが怯えたように言い、ルビイの左腕にすがりつこうとした、その瞬間だった。

 ふいに頭上で何かが開くような音がしたかと思うと、鞭のようなものが降ってきた。

「うわっ!」

 四肢に何本もの太い触手のようなものが絡みつき、ルビイは思わず悲鳴を上げた。

 降りてきた時と同じ速さで、触手がルビイを引き上げる。

 天井に開いた穴を通り抜けると、広い空間に投げ出された。

 ルビイの自由を奪った触手の先に、雄牛のような体つきの全裸の巨漢が立っている。

 触手はそのキメラの肩と胸から生えているのだ。

 丸いドーム状のスペースに、ルビイを取り巻くようにして、キメラたちがひしめいている。

 どれも肉体の強化に特化した、不自然なほど発達した筋肉の持ち主ばかりだ。

 そして更に醜悪なのは、その誰もが剥き出しの下半身の中心に、極太の肉棒をそそり立たせていることだった。

 ルビイは顔から血の気が引くのを感じた。

 これは・・・罠?

 うかつだったと思う。

 せめて誰か、ほかのメンバーも連れてくるべきだったのだ。

「ふふ、かかったわね」

 筋肉男たちの間から、黒いドレスに身を包んだ若い女が歩み出た。

 顔に派手なメイクを施したアグネスである。

 太くて頑丈な触手に両手両足の自由を奪われ、床に跪いたルビイを見下ろして、憎々しげにアグネスが言った。

「2度と私に逆らえないように、20年前と同じ姿にしてあげる。そう、フリークス専門の娼婦、達磨女のルビイにね」

 


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