魔王にレイプされてゴミのように棄てられた女戦士は、悪役令嬢に生まれ変わって復讐します

戸影絵麻

文字の大きさ
297 / 471
第3章 魔獣の巣窟

#22 王立生物学研究所⑧

しおりを挟む
 それは、触手というより、もはや、鋼鉄製の鞭だった。

「苦しむがいい」

 牛男の野太い声と同時に、その鞭がピインと張り詰めた。
 
 肩と股関節に激痛が走った。

 あっと思った時には、ルビイの身体は宙に浮いていた。

 両手両足を大の字に広げた格好で、空中に固定されてしまったのだ。

「いひひひ。いい眺めじゃな」

 牛男の背後から、異様な風体のキメラが進み出た。

 床を這うような姿のその生き物は、顏だけ老人で、身体はキチン質の甲殻で覆われたサソリになっている。

 異様なのは、Uの字型を描いた尾部だった。

 股間から伸び出て尻の後ろで立ち上がったその尾に見える部分は、どうやら勃起した男性器のようなのだ。

 その証拠に、先についているのは毒針ではなく、赤黒く充血した亀頭だった。

「しぶといやつだ」

 牛男の躰からは、10本以上の鞭が生えている。

 だから、ルビイを拘束しても、まだ6本余りがある。

 その余った6本が、唸りを上げてルビイを打擲した。

 革の胴着がズタズタに引き裂かれ、その下から白い乳房がこぼれ出す。

 下半身も同様だった。

 ショートパンツが細切れになって弾け飛ぶと、秘部を覆った逆三角形の小さな下着が剥き出しになった。

「犯すか」

 サソリの形をした老人が言った。

「いや、まだだ」

 牛男が太い首を振る。

「犯すのは、こいつがバラバラになった後さ」

 四肢に絡んだ鞭に、凄まじい力がこもった。

「くそったれ! これでどうだ!」

「あうううつ!」

 あまりの痛みにルビイはのけぞった。

 めりめりと異音を発して、両腕と両脚のつけ根の部分が、徐々に関節から浮き上がっていく。

「死ねや!」

 牛男が咆哮したとたんー。

 肉の爆ぜる鈍い音が響き渡り、解体される昆虫の肢のように、ルビイの義手と義足が胴体から一気に引き毟られた。

 
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...