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第5章 屑肉と化した女戦士は魔王討伐の夢を見るか
#21 禁断の地⑧
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ふたりはマリウスに続いて議員会館を出た。
エリスの前を、サトが歩いている。
白いレースで縁取られたサトの黒いフレアスカートは、丈が短すぎて、足を交差させるだけで危うく下着が見えそうだ。
何よりも、スカートとハイソックスの間のむっちりした艶めかしい絶対領域が、エリスの目には眩しすぎる。
乳白色の長石を敷き詰めた道を、王宮を右手に臨みながら歩くと、木漏れ日の中に所々、衛兵が立っているのが見えた。
マリウスに気づくと、衛兵たちは一様に直立不動の姿勢を取り、その後に続く若い女のふたり連れを見てこぞって目を丸くした。
遊水路にかかった小さな橋を渡る。
その正面を遮る花々に囲まれた白亜の建物が、かの王立記念病院である。
受付カウンターに歩み寄ると、受付嬢と二言三言会話を交わし、マリウスはすぐにエリスたちを奥の通路へといざなった。
「ここだ」
マリウスが立ち止まったのは、通廊を二度ほど曲がった病院の最深部だった。
階が異なることを別にすれば、ルビイの病室とほぼ同じ位置である。
ルビイが収容されているのは、ちょうどこの病室の真上の部屋なのだ。
病室の前には、衛兵がふたり、剣を腰に差して立っていた。
「しばらく外してくれ」
不審顔の衛兵たちに、有無を言わせぬ口調でマリウスが命令する。
「王に、新たな治療法を試してみたいんだ」
「呪術的療法なので、近くに人がいると困るのです」
すかさずサトが補足する。
なるほどサトの露出過多なメイド服は、魔女の装いに見えないこともない。
さすればエリスは、さしずめお付きの看護師といった風情だろう。
「わかりました。執政官さま。では、われらは控え室で待機しておりますゆえ、ご用がお済みの際は、どうかひと声、お声がけを」
年上らしきほうがお辞儀をし、呆気にとられている部下を引きずるようにして通廊を去って行く。
扉には鍵はかかっていなかった。
中に入ると、そこはルビイの病室の二倍はありそうな広い部屋だった。
壁の装飾、踏み心地のいいカーペット、天蓋付きのベッドからして、とても病室とは思えない豪華さだ。
その天蓋の下、シーツが人の形にこんもりと盛り上がっている。
「では、サト、まかせたぞ」
壁際に退いて、マリウスが言った。
「了解しました」
うなずいたサトが次に取ったのは、エリスの度肝を抜くような行動だった。
いきなりベルトを外すと、ワンピース型のメイド服をするりと脱いでしまったのだ。
下から現れたのは、白いレースの下着で胸と局部を隠しただけの、豊満な肢体である。
下着は申し訳程度の面積しかなく、発達した乳房と尻が半ば以上はみ出てしまっている。
「お、おい、サト、おまえ、何を…?」
マリウスがあわてふためいて抗議しかけた時、サトがエリスのほうを振り向いて、強い口調で命令した。
「さあ、エリスさま、お部屋の気温を上げてくださいな」
エリスの前を、サトが歩いている。
白いレースで縁取られたサトの黒いフレアスカートは、丈が短すぎて、足を交差させるだけで危うく下着が見えそうだ。
何よりも、スカートとハイソックスの間のむっちりした艶めかしい絶対領域が、エリスの目には眩しすぎる。
乳白色の長石を敷き詰めた道を、王宮を右手に臨みながら歩くと、木漏れ日の中に所々、衛兵が立っているのが見えた。
マリウスに気づくと、衛兵たちは一様に直立不動の姿勢を取り、その後に続く若い女のふたり連れを見てこぞって目を丸くした。
遊水路にかかった小さな橋を渡る。
その正面を遮る花々に囲まれた白亜の建物が、かの王立記念病院である。
受付カウンターに歩み寄ると、受付嬢と二言三言会話を交わし、マリウスはすぐにエリスたちを奥の通路へといざなった。
「ここだ」
マリウスが立ち止まったのは、通廊を二度ほど曲がった病院の最深部だった。
階が異なることを別にすれば、ルビイの病室とほぼ同じ位置である。
ルビイが収容されているのは、ちょうどこの病室の真上の部屋なのだ。
病室の前には、衛兵がふたり、剣を腰に差して立っていた。
「しばらく外してくれ」
不審顔の衛兵たちに、有無を言わせぬ口調でマリウスが命令する。
「王に、新たな治療法を試してみたいんだ」
「呪術的療法なので、近くに人がいると困るのです」
すかさずサトが補足する。
なるほどサトの露出過多なメイド服は、魔女の装いに見えないこともない。
さすればエリスは、さしずめお付きの看護師といった風情だろう。
「わかりました。執政官さま。では、われらは控え室で待機しておりますゆえ、ご用がお済みの際は、どうかひと声、お声がけを」
年上らしきほうがお辞儀をし、呆気にとられている部下を引きずるようにして通廊を去って行く。
扉には鍵はかかっていなかった。
中に入ると、そこはルビイの病室の二倍はありそうな広い部屋だった。
壁の装飾、踏み心地のいいカーペット、天蓋付きのベッドからして、とても病室とは思えない豪華さだ。
その天蓋の下、シーツが人の形にこんもりと盛り上がっている。
「では、サト、まかせたぞ」
壁際に退いて、マリウスが言った。
「了解しました」
うなずいたサトが次に取ったのは、エリスの度肝を抜くような行動だった。
いきなりベルトを外すと、ワンピース型のメイド服をするりと脱いでしまったのだ。
下から現れたのは、白いレースの下着で胸と局部を隠しただけの、豊満な肢体である。
下着は申し訳程度の面積しかなく、発達した乳房と尻が半ば以上はみ出てしまっている。
「お、おい、サト、おまえ、何を…?」
マリウスがあわてふためいて抗議しかけた時、サトがエリスのほうを振り向いて、強い口調で命令した。
「さあ、エリスさま、お部屋の気温を上げてくださいな」
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