384 / 471
第5章 屑肉と化した女戦士は魔王討伐の夢を見るか
#20 禁断の地⑦
しおりを挟む
突然振られてエリスは喉を詰まらせた。
「え? は、はい」
マリウスとサトの会話は、半ばエリスの理解を超えていた。
わかったのは、どうやらマリウスが昨夜遅くルビイの死体を死姦したらしいこと。
更にそれだけでなく、病気で寝たきりだった王が起き出して、マリウスと一緒にルビイを凌辱したらしいこと。
その行為がきっかけでルビイが蘇生したというのなら不問に付すべきなのかもしれない。
が、エリスの常識からすれば、あまりにもひどすぎる。
しかし、だからといって、王と皇子を非難する勇気はエリスにはない。
権力者には女など所詮性欲処理の道具にすぎないのだ。
悲しいが、そう諦めるしかない、というのが、世間知らずのエリスの結論だったのだが…。
驚くべきは、マリウスに対するサトの態度だった。
サトは、身分としてはルビイの付き人で、その実、性奴隷だと聞いたことがある。
その最下層の住人であるべきサトが、皇子と対等に渡り合っているのだ。
性処理のための道具であるはずのサトが、身分違いのマリウスをやりこめるさまは、エリスに新鮮な驚きをもたらした。
世の中というものは、見かけほど単純なものではないのかもしれない。
もしかしたら、魔法学校の落ちこぼれの私でも、何かできることがあるのかもしれない…。
「王の病室に行きましょう。そこでふたり協力して、虫退治をするのです」
音もなくすり寄ると、エリスの手を握って意味ありげにサトがささやいた。
「え? は、はい」
マリウスとサトの会話は、半ばエリスの理解を超えていた。
わかったのは、どうやらマリウスが昨夜遅くルビイの死体を死姦したらしいこと。
更にそれだけでなく、病気で寝たきりだった王が起き出して、マリウスと一緒にルビイを凌辱したらしいこと。
その行為がきっかけでルビイが蘇生したというのなら不問に付すべきなのかもしれない。
が、エリスの常識からすれば、あまりにもひどすぎる。
しかし、だからといって、王と皇子を非難する勇気はエリスにはない。
権力者には女など所詮性欲処理の道具にすぎないのだ。
悲しいが、そう諦めるしかない、というのが、世間知らずのエリスの結論だったのだが…。
驚くべきは、マリウスに対するサトの態度だった。
サトは、身分としてはルビイの付き人で、その実、性奴隷だと聞いたことがある。
その最下層の住人であるべきサトが、皇子と対等に渡り合っているのだ。
性処理のための道具であるはずのサトが、身分違いのマリウスをやりこめるさまは、エリスに新鮮な驚きをもたらした。
世の中というものは、見かけほど単純なものではないのかもしれない。
もしかしたら、魔法学校の落ちこぼれの私でも、何かできることがあるのかもしれない…。
「王の病室に行きましょう。そこでふたり協力して、虫退治をするのです」
音もなくすり寄ると、エリスの手を握って意味ありげにサトがささやいた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
503
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる