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#8 第一の刺客④
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「うわあっ! やめてええっ!」
閉まった板戸の向こうでオネエ言葉で怪人が絶叫しー。
ふいに、沈黙がやってきた。
しばらく待ったが、何の気配もなく、何の音も聞こえてない。
「おーい」
明は情けない声で呼びかけた。
「大丈夫かあ?」
我ながら間抜けな声だ。
ばたんっ。
それに応えるかのように、板戸が倒れた。
矩形に切り取られた明るい空間に、あの少女が立っている。
さっきまでと変わらぬ姿で、短すぎるスカートの裾から垂れた尻尾を、かすかに揺らしながら。
「ごめん、終わった」
何を謝っているのか、ぽつりと少女がつぶやいた。
「終わったって、どういう・・・?」
少女が脇にどくと、いきなりその惨状が視界に飛び込んできた。
明の家の前は、広い空き地になっている。
そこに、バラバラになった五本の”指”が、丸太をぶちまけたように野放図に転がっている。
指はどれも根元から引きちぎられていて、しかもなぜか、硫酸を浴びたみたいに半分溶けていた。
指が散らばったちょうど真ん中あたりに、頭から上を失った怪人の亡骸が倒れていた。
「こ、これ、き、君がやったのか?」
ちゅるっ。
ついに尿が漏れるのを感じながら、明はたずねた。
なんだ?
いったい、何がどうなってる?
これがもしこの娘の仕業だと言うのならー。
バイオノイドって、なんなんだ?
閉まった板戸の向こうでオネエ言葉で怪人が絶叫しー。
ふいに、沈黙がやってきた。
しばらく待ったが、何の気配もなく、何の音も聞こえてない。
「おーい」
明は情けない声で呼びかけた。
「大丈夫かあ?」
我ながら間抜けな声だ。
ばたんっ。
それに応えるかのように、板戸が倒れた。
矩形に切り取られた明るい空間に、あの少女が立っている。
さっきまでと変わらぬ姿で、短すぎるスカートの裾から垂れた尻尾を、かすかに揺らしながら。
「ごめん、終わった」
何を謝っているのか、ぽつりと少女がつぶやいた。
「終わったって、どういう・・・?」
少女が脇にどくと、いきなりその惨状が視界に飛び込んできた。
明の家の前は、広い空き地になっている。
そこに、バラバラになった五本の”指”が、丸太をぶちまけたように野放図に転がっている。
指はどれも根元から引きちぎられていて、しかもなぜか、硫酸を浴びたみたいに半分溶けていた。
指が散らばったちょうど真ん中あたりに、頭から上を失った怪人の亡骸が倒れていた。
「こ、これ、き、君がやったのか?」
ちゅるっ。
ついに尿が漏れるのを感じながら、明はたずねた。
なんだ?
いったい、何がどうなってる?
これがもしこの娘の仕業だと言うのならー。
バイオノイドって、なんなんだ?
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