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13 口淫

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 私の上に馬乗りになると、マリが無言で顔を寄せてきた。

 まずはお決まりのキス。

 マリの唇はやわらかく、甘香りがする。

 だから、何度貪っても、足りない気がする。

 私たちはお互い舌をからめ、唾液を交換し合った。

 それだけでもう、私はイキそうになる。

 私の性体験は、貧しいものだ。

 24歳の今、さすがに処女ではないけれど、男性との性交で絶頂に達したことなど一度もない。

 せいぜい、たまにするオナニーで、小爆発程度のエクスタシーを味わうくらい。
 
 それが、今は違った。

 マリが私の肌を舐め始めるにつれ、私は未知の興奮にぞくぞくし始めた。

 予感が、あった。

 愛するマリが、ここまでしてくれるなんて。

 そう思うだけで、股間が濡れてくる。

 それにしても、と思う。

 私より更に奥手だと思っていたマリの、この解き放たれたような積極性はなんだろう。

 しかも、マリの舌遣いは、驚くほど慣れたものだった。

 私は舌先で乳首をつつかれ、小さく声を上げた。

 思わず身体がのけぞるのがわかった。

 仰向けになったまま胸を突き出すと、マリが指と舌で両方の乳首を責めてきた。

 弾かれ、よじられ、引っ張られ、吸われた。

 はん…。

 熱い吐息が漏れてしまう。

 マリの愛撫はおそろしいほどこなれている。

 まるで私の性感帯を知り尽くしているかのように。

「もうこんなになって」

 私の乳首を交互に吸いながら、上目遣いにマリが私の顔を見る。

「ナナったら、乳首、コチコチだよ」

 ほら、と小声で言って、爪の先でぴんと弾いてきた。

「き、気持ち、いい…」

 無意識のうちに、背中が反り返る。

 マリが身体をずらし、開いて立てた私の太腿の間に入った。

「舐めていい?」

 私の膝に手をかけ、熱く火照った股間を覗き込むと、かすれた声でマリが訊いてきた。



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