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冒険者として

第4話 カラの洞窟

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ブランはある目的地へと歩いていく。
辿り着いたのは洞窟だった。

そこは、昔2人で冒険した時に通った洞窟
「久しぶりだな、
ここの洞窟に来るの」

「ああ、そうだな。それよりなんで、
ここに来たんだい?」
パレトが聞く。

「確認したいことがあってな。」

「確認したいって遺跡を見にいくのか?」

「よくわかったな。さすがはパレト。」
と洞窟の中へと入って行く。

「遺跡か、前に見たときは、
全く分からなかったが、
何か秘密があるのか?」
とパレトが聞く。

「昔来た時は小さかったから
何も分からなかったが今なら分かるかも
秘密が隠されているはずだ。
パレトの魔法を使って欲しい。
あの時使えなかった魔法を」

「了解」
パレトは手から火の玉を出した。
洞窟の中が明るくなる

「おお、明るくなったな、
ありがとパレト。」

「ブラン、冒険家なのに、
まだ魔法が使えないのかい。」 
パレトが言った。

「魔法は苦手だな。
それに、魔法は、パレトお前がいるから
大丈夫。」
パレトの肩を叩く。

「いやいやブラン、
君も魔法を使えた方がいいよ。」

歩いていると、綺麗な水溜りがあった。

「水溜りなんてこの洞窟にあったか?」
水溜りの中へ入るブラン。

歩こうとするが、水に絡まり動けない。
「あれ、動かねえ。
水に絡まれたりとかあり得るのか?」
パレトに聞いた。

「ないと思うけど、これは多分、魔術だよ。本で見たことあるよ。
解除魔法・解(かい)」
ブランから水を離した。

「おお、ありがとパレト。」
ブランは、水を避けながら後ろに下がった。

「ブラン、この魔術の使い手は、
近くにいるはずだよ。
洞窟の中にいるかもしれない。
油断はしちゃダメだよ。」
水がブラン達に向かって
玉の形になって襲ってくる

「うわっ」ブランは、水を避ける。
ザシュと、水を切るが、また、
元どおりになり玉になり再び水が襲う。

「仕方ない。ここで使いたくないけど、
行くぞ。剣舞豹斬(けんぶひょうざ)」
技名を言いかけたところで慌てて 
パレトが止める。

「まて、ブラン、なぜこの技をこの場所で
使うのか。
遺跡まで傷が付いて、文字がわからなくなるぞ。水なら、僕が片付ける。
蒸発魔法・気化(きか)」と言い水を蒸発させた。

「パレト、
蒸発魔法も使えるようになったのか。」
ブランが驚いた。

「僕も色々成長したんだよ。」と
髪をファサとする。
ブランは、それを無視する。
パレトは少し寂しそうな顔をする

そうこうしている内に
洞窟の奥へとたどり着く

「久しぶりだな。頼むぞ。」と
ブランは、遺跡を見て言った。

「この魔法が役立つとは分からないな。
写像魔法・鏡像(きょうぞ)」
言いかけたところに水がパレトに向かって
飛んできた。

「なんだ、出てこい。
どこにいるんだ。」ブランは洞窟全体に
響く声で問いかけた。

気づいたら、水たまりが沢山あった。

「ブラン、逃げよう。
こんなに水が多いと蒸発魔法じゃ 
対処しきれない時間がかかる。」
とブランに提案する。

「だめだ、
遺跡を写す為にここに来たんだよ。」
ブランが、言う。

「分かったよ。どうするんだブラン。」

「水を吹き飛ばす。」
ブランは、遺跡に背を向けた。

「水を吹き飛ばすために遺跡を壊したら」

「わかってる。
遺跡の方へは斬撃は当てないようにすれば
いいだけだ。
剣舞豹斬(けんぶひょうざん)」
剣の衝撃が豹になり、水を吹き飛ばす。

「よし水を、吹き飛ばしたぞ、パレト。」

「ブラン、君は、相変わらずだね。
写像魔法・鏡像(きょうぞう)と言い遺跡を光で包み込み読み込んだ。

「よし、この洞窟を出るか。パレト」

「ああ、早く出よう」
振り返ると、水が一箇所に集まっていた。

「まだ攻撃してくるなら
もう一回、やるしかねえな。」
剣の柄を取るが水が手に絡まり手の動きが
止められる。

水が、人間の形へと変わってゆく。
「やあ、はじめまして、そしてさようなら。」と黒づくめの男が姿を現わす。
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