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神の弓-アポロンの弓編-

神の弓の力

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健一とロタが神の弓とフシャーナ
に触れようとすると跳ね返される。
今度は跳ね返されないように手を伸ばす。
「なんで触れない。」

「私も触れない、折角、会ったのに
何も出来ないなんて、このままじゃ
帰れないよ。」
ロタは涙を流す。
ハロメアはアワアワと慌てている。
「どうしましょう。どうしましょう」
健一はハロメアを落ち着かせる。

「どうしても神の弓が必要なんだよ。
ブラッドって奴が本当の事を言っているか
嘘を言っているのかは知らないが
あんたがここにずっと 
封印されている理由はもうないはずだ。
なんで触れない。」
封印が解かれることはない。
健一が集中している間に
ハロメアがフシャーナに近づくと、
すんなりとフシャーナに触ることが出来た

するとボロボロと結晶が溶け始める
「あれ、健一、触れました。」
健一とロタは驚いたように二度見をする

結晶から声が聞こえた。
「ふぅ、封印が解けてしまったのですね
どうやら今はいないようですね。
早くここから出ますよ。
話はここを出てからにしましょう。」

「そうだな、さっきの道が塞がれている」

「あいつは希望を掴ませ、そして絶望した
相手を楽しみながら殺すのよ。」

健一は剣で壁を切ろうとするが
厚くて傷はつくがあまり意味がない。
「神の弓、使える力一回ぐらいなら、
赤の紋章よ。神の弓に力に。」
フシャーナの紋章が神の弓に移る
フシャーナの体は赤く燃えている
真上に弓を放った瞬間に瞬く間に天井は
空になっていた。
フシャーナは疲れ果てて倒れ込む
「よかったわ、わたし以外にも、
ヴァルキリーがいて、
空飛んで逃げましょう
この衝撃だとバレているわ
よろしくね。後は」

「私には才能ないから、空を飛べないの
羽はあるのにおかしいよね。」

「いえ、貴方は飛べるのよ。
このお守りをいつから持ってたの?
お父さんはずっと守ってたのね。」

「えっ、どういうこと?
エスタフさんだよ。これ渡したのは」

「そうよ。知ってるわよ。
エスタフは旦那だもの。
このお守りは、身を守るためのお守りよ。
空だと見つかりやすいから、
あえて飛行能力を封じてるのよ」

「わたし、飛んだことないわよ。」

「ロタ、今はここから出ることだけを
考えて行き先は任せるわよ。」

ロタは健一達を地下から、
ゆっくりと地上へと、
空を飛んで地上に着くと
「随分と遅いんだな。」
健一が言うとグーで鼻を殴られる
「健一大丈夫なのですか?」

「いいのよ。気にしなくても、
ママ、健一、ハロメアすぐここを、
離れるわよ。
また変な赤いのに来られたら
いけないからね。」

健一はフシャーナとハロメアを抱えて、
ロタと一緒に走ってここを後にする。

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