私の王様

ポルテクト

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今日で終わり4

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「ねぇ、どこに走っているのよ」
私の手を握って走る冬秋は
「僕の家だよ。」

「待ってよ、ハァハァ。
いきなり来て、引っ張られて
私はあなたのことをあまり知らないのよ。
助けられる理由もない。
助けなんか求めてない。」

「僕が助けたいんだよ。
君に何も無ければ僕は、
最高に我儘なんだ。」

「なによそれ、ふふ。
どうしてそこまでしてくれるの。」
秋冬は照れ笑いをし
「僕は君に惚れているから。」
それにつられて
花夏も顔を赤くする。
「わたしは可愛くないし、
傷跡だってたくさんあるし、
それにもう」
秋冬はわたしを抱きしめる
「そんなことない。
そんなことないよ。
戻りたい、戻りたくない?
戻りたいなら僕は何もしないよ。
君を苦しめるだけだろうしね。
でも君を助けるのはやめないよ。
嫌われても嫌われても。」
私は涙腺が崩壊し、涙が止まらなくなった。
「私、あの学校にも家にも戻りたくない。
でも家出しても戻される。 
だから、迷惑になるし」

「そうか、家の方は同意書を、
君の親になった人に書かせるよ。」

「どうやって?」

「それは父さんにやってもらうよ。」

「あなたが勝手に決めていいの。」

「僕と交わした契約のひとつだからね。
5回までは無条件で許されるんだ。
もちろん犯罪以外ね。」

「まるで他人みたいな。」

「そうだね。」
冬秋はどうでも良さそうに返事をする
「ねえ、これから先
君は僕と住んでくれるの?」

「私がいたら迷惑になるし、
きっと嫌われるのよ。
それにSNSで拡散された私の裸や
学生証は
どこかしらで保存されて気づかない所で
拡散されて、
気づいた時には遅いのよ。
どんなに消しても消えてくれない。
悪口なども書かれるのよ。
私といたら君は不幸になるのよ。」
冬秋は私の手を握る。
「不幸だからって諦めればいいのかよ。
僕はそんな事で諦めれない。
そんな事より君といる瞬間が僕にとっては
大事なんだよ。
そんな事を言ってたら着いたよ。」
目の前には大きな家が、
「大きいなぁ。まさかこの家に住んでる
なんて。」
「そうか?取り敢えず中に入ろう。」
家の中に入り玄関には高そうな壷、
廊下には高そうな絵がズラーと並んでいて
キッチンはシンプルでベランダは
机と椅子だけしかない。
秋冬の部屋には
難しそうな本やパソコンが何台も置いてある
そのほかの部屋は筋トレルームや
カラオケルーム、プール、映画ルームなどの
部屋があった。
「何この家。」
花夏は目をキラキラしてはしゃいでいる。
「ははは」
「何笑ってるのよ。」
「だってさ、やっと楽しんでいる姿を
見れたからさ。
お腹が空いたらそこにあるカップラーメン
食べていいから、
冷蔵庫にジュースが入っているから
適当に飲んでいいよ。
冷凍庫にはアイスが入っているから、
僕は風呂掃除してくるから、
風呂が沸いたら先に風呂に入っていいよ」
私は食べていいと言われたが申し訳がなく
それに食欲があまりがなく食べずに
膝を抱えて床に座り込む

座り込んだ私を見て冬秋は
「食欲ないよな。
でも明日はちゃんと食べないとだめだよ。」
「わかったわ。
風呂に入りたいけど着替えがないの。」
「あっ」
慌てて冬秋はタンスを開け服を探す。
「ごめん。そこまで頭が回ってなかった
女性物の下着はないから、
本当にごめん」
申し訳なさそうに謝る冬秋に
「気にしないで本当に今日はありがとう
君が来てくれて本当によかった。」
こんな事している間に風呂が沸く。
赤くなって秋冬は花夏の方を見れなかった。
花夏が風呂に入っている間に父親に電話する
「もしもし、久しぶりです。お父様
大人の力を貸してください。
2回目と3回目の願いを使います。」
冬秋は父親に電話した。



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