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22.回帰
しおりを挟む2027年4月13日。
僕はとある日記を見つけた。
表紙には“2017”と書かれてある。
「うわ…懐かし…」
僕はそう呟いて表紙を開いた。
懐かしい17の記憶。
あの頃の僕らはまだ子供で、不器用ながらに真っ直ぐ生きていた。
今はそれがやや眩しく感じる。
まだまだ未熟だけど、僕はあの頃よりは大人になった。
これを書き始めた10年前の僕は、こんなに誰かに恋焦がれ、夢中になることを知らなかっただろうな。
日記をぱらぱらと読み漁っていると、時計は13時を回っていた。
「やばい、もう出ないと」
僕は床に広がるいくつものダンボール箱を避けて玄関を飛び出した。
「よっ、蒼、久しぶりだな元気だったか?」
白衣を纏った兄がこっちに向かってきた。
「うん、まぁそれなりに。」
「で、今日はどうしたんだ、俺に話なんて…」
「あ、今日は…」
と言いかけた所で兄に遮られた。
「と言いたい所だが。俺もお前に話がある。先に聞いてほしい」
いつになく兄があまりにも真面目な顔をするので僕は不審に思った。
「え…なに、そんな怖い顔して」
「……俺はある人から預け物を受け取った。お前宛だ」
そう言って、兄は僕に1冊の手帳と手紙を差し出した。
「え…こんなの心当たりないよ、誰から…?」
「まず手紙、読んでみろ」
封を切ろうと封筒を裏返したその時。
僕の脳が痺れた。
「え…これって…?」
差出人の名前が書かれていた。
その名は、 永田 美波。
「なんで…美波の手紙を誠が…」
急いで封を切って便箋を開いた。
そこには、彼女の筆跡がびっしりと残されていた。
僕は最初の文字を目に落とした。
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