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23.序章
しおりを挟む新垣 蒼 くんへ
まず、謝らせて下さい。
ごめんなさい。
私が貴方に手紙を書こうと思ったのは、貴方に謝らなければならないことがあったからです。
そして、それを、直接伝えられないと思ったから。
多分、私たちはもう二度と会えないでしょう。
でも、伝えないまま会えなくなるのは、耐えられませんでした。
これから、私の言い訳を聞いてください。
2017年4月、私は貴方を一目見て、話してみたいと思いました。
純粋な好奇心と言うか、話したい衝動に駆られたと言うか、そんな気持ちを抱いて、貴方に話しかけました。
そろそろ堅苦しいのは君らしくない、と言う声が聞こえてきそうだから、いつも通りにするね。(笑)
私は新垣くんと話すことが出来て嬉しかった。
新垣くんは誰とも話していなかったから、どんな人か気になった。 新垣くんは私が想像していた通り、すごくいい人だった。
話しているうちにどんどん惹かれていく自分がいて、気がついたら好きになってた。
その年の夏休み、一緒に遊園地に行ったよね。
私はすごく嬉しかった。人生で、一番嬉しかった。
好きな人とデートするってこんなに楽しいんだと思った。
夏休みが明けて文化祭。
私はまず、君にここで謝らないといけないね。
約束を破って、ごめんなさい。
朝井くんと2人で片付けを任せてしまって、本当に申し訳ないと思ってる。
(そう言えば聞いた?私と朝井くんが幼馴染みだーって話。 小さい頃から名前で呼びあってるので以後そう呼びます)
文化祭が終わって、私は君に話しかけることがなくなった。
文化祭の罪悪感、あとーーー
卒業式に会った、当時の彼氏がいたから。
卒業式の日、新垣くんは私に初めて告白してくれたよね。
本当は、私すごく嬉しかったの。
付き合って、って言われたら、即座に頷いてたかもってくらい(笑)
あの時は彼氏と付き合ってたけど、あの後振るつもりだったんだ。
その時に先に新垣くんに声かけられちゃって、でも新垣くんの誘いを断ることが出来なかったから、あんなことになってしまった。
ごめんなさい。
去り際の別れのキス、あれが私の気持ちでした。
何年越しかな?
私はこれを書いている今も、貴方が好きです。
あっ、でも新垣くんは他の人を好きになってね。
私みたいなだめな人間、好きになっちゃだめだよ?(笑)
一生、片想いでもいいやって思ったの。
君を思えただけで、幸せだって思えたから。
「……なんでこれを誠が持ってんの?」
「最後まで読めよ。 彼女はちゃんと書いてるはずだ。」
終わりだと思ったら、便箋の右端に少しだけ小さな字で書かれていた。
私は、今病気です。
病名は、難しいから、わかんないや。
あと、半年もてばいい方だとお医者さんに言われました。
(主治医は新垣くんのお兄さんだよ(´∀`) 文化祭の時一目見たの覚えてたから病院来た時びっくりした!)
この手紙が君の手に渡ったと言うことは、
私はもうここにいないということ。
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