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25.崩壊
しおりを挟む次のページの半ページ分が、黒く塗りつぶされていた。
鉛筆と言えど、かなり濃く擦ったようだ。全く見えない。
まずは黒く塗られていない半ページに目を落とした。
同年9月29日
文化祭初日!
今日はずっとシフト、疲れたなぁ。
新垣くんのお兄さんが来た。
一目見て、絶対そうだって思った。
自己紹介だけし合った。
なんだか不思議な人だと思った。
同年9月30日
2日目。
私は最低なことをした。
友達に言われた言葉に血迷った。完璧に血迷った。
でも言ったことなんか取り消せない。
私は鈴木 琳と
この先は読めなかった。
でも想像がつく。
あの時彼女が僕の元に来なかったのは、後の彼氏の元へ行っていたからだ。
あの時の謎が解けてほっとして、少し苛立った。
彼女が何を血迷ったか僕はわからないが、何があっても僕の元へ来て欲しかった。
今更ながら、悔しさが溢れてくる。
同年10月2日
今日は彼に話しかけなかった。
これが私なりの彼に対する覚悟だった。
彼のことを好きな気持ちを封印して、鈴木くんの事だけを考えた。
鈴木くんは、すごく優しく私を扱ってくれた。
それがまた、辛かった。
同年10月8日
放課後鈴木くんと一緒に帰った。
初めて手を繋いだ。
心臓が飛び出るかと思った…
初めて琳と名前を読んだ。
どれもこれも、くすぐったかった。
うまく、忘れられる気がした。
同年12月24日
クリスマスイヴ。デートした。
少し遠出して、イルミネーションを見て、たくさんお喋りした。
少しずつ少しずつ、琳に惹かれる自分がいる。
琳と一緒にいると楽しい。嫌なことも忘れられる。
…嫌なことってなんだっけ。
2018年1月2日
琳と初詣に行った。
おみくじは吉だった。琳は大吉が出て喜んでいた。
帰りに映画を見た。
超話題作。俗っぽい(笑)
でもすごく面白かった。
少しだけ、古傷に触れたけど。
同年2月14日
バレンタイン。
琳とデートに行った。
佐々木さんと彼が付き合っていると知った。
彼自体を久しぶりに見た。
圭くんにいつから付き合っているのかこっそり聞いたら、「邪魔しないでやって」とやんわり釘を刺された。
同年3月19日
誕生日だった。
琳の家でパーティーをしてくれた。
すごく嬉しかった。
初めて、琳と…
同年4月8日
新クラスになった。
琳とは離れた。仲のいい友達も離れた。
1から自分をやり直すのに、いい機会かもしれない。
同年5月16日
何の変哲もない日。
でも、何故か、彼のことをずっと考える日が多くなってきて、すごく焦る。
同年7月22日
終業式。
昨年の今頃は、彼とテストの勝負してたなぁ。
夏休みはデートにも行ったっけ
なんでわたし、こんなこと思い出すんだろう?
同年9月18日
彼のことが、好きかもしれない。
2019年3月19日
卒業式だった。
新垣くんに、告白された。
琳と別れた。
どっちも好きだったけど、私は新垣くんがやっぱり忘れられなかった。
琳、利用してごめんなさい。
少なからず、私は貴方が好きだった。
それは紛れもない事実。
でも、私は、新垣くんとは幸せになれない。
佐々木さんと一緒にいる時の新垣くんを見てしまったから。
笑わせてみたかった彼の笑顔は、彼女の物になっていたから。
彼を笑顔に出来るのは、私じゃなかった。
私はまたきっと彼を振り回してしまう。
最後の最後の甘えで、キスをしてしまった。
自分の気持ちがわからなくなった。
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