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第1章
6話〜相沢先生と社長の過去〜
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どうも、天の声です。今までは「私」目線で語っていましたが、今回は「私」も知らないような話です。ってことでよろー。
…
相沢先生の祖父、相沢会長はアイドルプロダクション経営者である。そのアイドルプロダクションの社長こそ、お馴染みの「私」である。
相沢会長の本業はアイドルプロダクションであるが、相沢ホールディングスは他のビジネスも展開している。例を挙げると、たこ焼きチェーン店やファストフード店、福祉的事業であれば、福祉施設や病院、保育園運営も行っていた。
社長も時々ではあるが、そのビジネスの労働的手伝いをしていた。きっと相沢会長は、若くして社長となった「私」にもっと社会経験を積んで欲しかったのだろう。
孫の相沢先生も同様、裕福な家庭で育ってきた孫に、学校の教師以外の社会経験も培ってほしいというメッセージの上で、手伝いをさせていたのだ。
7月中旬…
そんなことが起きているとも知らず、二人は今日、保育園に手伝いに来ていた。
朝から手伝いに来ていた社長はどこもかしこも、高校の時の「のぶゆきくん」っぽさは一切ない。高校にいる時はコンタクトをし、髪はボサボサ、みんなと同じ制服を着るが、夕方から本業の仕事に向かわなければいけない彼の見た目は、社長モードである。メガネをし、髪は一丁前にセットされており、高そうなスーツ姿の上から保育園で貸してもらったエプロンを着ている。
同じく、相沢先生は朝から手伝いに来る予定であり、学校ではトゥルントゥルンな長髪姿で、スーツっぽい服を着ているが、今日に限っては髪は結んであり、保育士っぽい服をエプロンと合わせ、マスクもしている。
見た目の違いに、お互い初対面だと思っているのだ。相沢先生からは美しいオーラが漂っていたが、なぜか気付けない社長は保育士の相沢先生を見ると、
「おはようございます。新人ですね、私は保育園の手伝いを頼まれたので、来ています。22歳くらいの頃からよく手伝ったりしてるので、わからないことがあれば聞いてくださいね。」
と相沢先生に言うと、相沢先生が何か言う前にすぐ歩き去ってしまった。それを見た相沢先生は周りにいた保育士に、
「すごい素っ気ない方ですけど仕事ができそうな人ですね。偉い方か何かですか?」
と冗談っぽく聞いた。会社の社長をやっていると知らされると、素っ気なく別の手伝いをしに行った。
相沢先生は、一般的に社長や会長といった偉い方々はあまり好きではないのだ。
元々、英語教師になる前、20歳頃の相沢先生は保育園に勤務、保育士として働いていた。それも親が社長や会長ばかりの保育園であり、厳しい親が多かった。
その頃はよくドジをして、子供のカバンを間違えて渡したりしてしまい、親たちからはクレームの対象となってしまっていた。
「何度言ったらわかるんだッ!これはうちの娘のジャケットじゃないぞッ!!」
「ありえないよ本当に、、君はいつ学習するんだい。なんで子供がこんな泥まみれなんだ。」
「顔だけ良くても、この世の中やっていけないんだ。」
ひどい罵声を浴びせられる中、相沢先生は自分の不甲斐なさを理解させられた。しかし、子供たちと親の前では感情を出してはいけないと思い、誰もいなかった教室に行き、小さくなって泣き始めた。
すると、その教室にある男性が入ってきた。貫禄から社長のような見た目をしていたため、相沢先生はすぐに立ち上がると、こう言った。
「すみません、すみません。どうしましたか。」
彼女は涙を拭い、目の下は赤く腫れ上がっていた。すると男性は、いやいやと手を横に振る。手に持っているのは、ここの保育園のエプロンだった。
「ここには時々、手伝いに来ている者だ。先ほど、君が親から怒鳴られているのを見て、心配になっただけだ。」
「それは恥ずかしいところを見られてしまいましたね。」
「いや、恥ずかしくなんてない。むしろ怒鳴られるべきだ。怒られるべきだ。」
えっ、と驚いた表情で相沢先生は男を見る。
「そうですね、私は不甲斐ないです。全然仕事ができないからみんなに迷惑をかけてしまって、」
「いや、違う。そういう意味ではない。若い頃は怒られるべきなんだ。私もある会社の社長をやっているが、見込みのある社員にしか私は怒鳴らないし、怒りもしない。いいか、君がどこの誰だかわからない、興味も全くないが、君は勘違いをしている。怒られることは悪いことではない。だから自信を持ちなさい。」
男はそう言うとハンカチを渡して、教室を後にした。相沢先生はさらに目が腫れるほど泣いたが、自信がついたような目をしていた。
だから相沢先生は少しだけ社長や偉い人々に対して苦手意識を持っているのだ。
保育園が終わり、親が子供たちを迎えに来ていると、ある親が相沢先生の目の前に立つ。
「なあ、うちの子のカバンのシミ、なんで汚れてるんだッ!」
怒鳴る親に対して、一瞬怯む相沢先生。それを少し遠くで見ていたスーツ姿の社長はすぐさま駆けつけようとする。
「このシミは元々ついていたものです。元々ついていたもの文句を言うのはおかしいですよ。」
案外強く、勇敢に相沢先生はクレームをした親を反論する。それにびっくりした親は、少しびっくりした表情を浮かべ、
「そ、そうか。それはごめん、なさい。」
と素直に言う。少し強くなった相沢先生を見て、社長は会社に向かうために、秘書の七海が運転する黒いセダンに乗り込む。
…
相沢先生の祖父、相沢会長はアイドルプロダクション経営者である。そのアイドルプロダクションの社長こそ、お馴染みの「私」である。
相沢会長の本業はアイドルプロダクションであるが、相沢ホールディングスは他のビジネスも展開している。例を挙げると、たこ焼きチェーン店やファストフード店、福祉的事業であれば、福祉施設や病院、保育園運営も行っていた。
社長も時々ではあるが、そのビジネスの労働的手伝いをしていた。きっと相沢会長は、若くして社長となった「私」にもっと社会経験を積んで欲しかったのだろう。
孫の相沢先生も同様、裕福な家庭で育ってきた孫に、学校の教師以外の社会経験も培ってほしいというメッセージの上で、手伝いをさせていたのだ。
7月中旬…
そんなことが起きているとも知らず、二人は今日、保育園に手伝いに来ていた。
朝から手伝いに来ていた社長はどこもかしこも、高校の時の「のぶゆきくん」っぽさは一切ない。高校にいる時はコンタクトをし、髪はボサボサ、みんなと同じ制服を着るが、夕方から本業の仕事に向かわなければいけない彼の見た目は、社長モードである。メガネをし、髪は一丁前にセットされており、高そうなスーツ姿の上から保育園で貸してもらったエプロンを着ている。
同じく、相沢先生は朝から手伝いに来る予定であり、学校ではトゥルントゥルンな長髪姿で、スーツっぽい服を着ているが、今日に限っては髪は結んであり、保育士っぽい服をエプロンと合わせ、マスクもしている。
見た目の違いに、お互い初対面だと思っているのだ。相沢先生からは美しいオーラが漂っていたが、なぜか気付けない社長は保育士の相沢先生を見ると、
「おはようございます。新人ですね、私は保育園の手伝いを頼まれたので、来ています。22歳くらいの頃からよく手伝ったりしてるので、わからないことがあれば聞いてくださいね。」
と相沢先生に言うと、相沢先生が何か言う前にすぐ歩き去ってしまった。それを見た相沢先生は周りにいた保育士に、
「すごい素っ気ない方ですけど仕事ができそうな人ですね。偉い方か何かですか?」
と冗談っぽく聞いた。会社の社長をやっていると知らされると、素っ気なく別の手伝いをしに行った。
相沢先生は、一般的に社長や会長といった偉い方々はあまり好きではないのだ。
元々、英語教師になる前、20歳頃の相沢先生は保育園に勤務、保育士として働いていた。それも親が社長や会長ばかりの保育園であり、厳しい親が多かった。
その頃はよくドジをして、子供のカバンを間違えて渡したりしてしまい、親たちからはクレームの対象となってしまっていた。
「何度言ったらわかるんだッ!これはうちの娘のジャケットじゃないぞッ!!」
「ありえないよ本当に、、君はいつ学習するんだい。なんで子供がこんな泥まみれなんだ。」
「顔だけ良くても、この世の中やっていけないんだ。」
ひどい罵声を浴びせられる中、相沢先生は自分の不甲斐なさを理解させられた。しかし、子供たちと親の前では感情を出してはいけないと思い、誰もいなかった教室に行き、小さくなって泣き始めた。
すると、その教室にある男性が入ってきた。貫禄から社長のような見た目をしていたため、相沢先生はすぐに立ち上がると、こう言った。
「すみません、すみません。どうしましたか。」
彼女は涙を拭い、目の下は赤く腫れ上がっていた。すると男性は、いやいやと手を横に振る。手に持っているのは、ここの保育園のエプロンだった。
「ここには時々、手伝いに来ている者だ。先ほど、君が親から怒鳴られているのを見て、心配になっただけだ。」
「それは恥ずかしいところを見られてしまいましたね。」
「いや、恥ずかしくなんてない。むしろ怒鳴られるべきだ。怒られるべきだ。」
えっ、と驚いた表情で相沢先生は男を見る。
「そうですね、私は不甲斐ないです。全然仕事ができないからみんなに迷惑をかけてしまって、」
「いや、違う。そういう意味ではない。若い頃は怒られるべきなんだ。私もある会社の社長をやっているが、見込みのある社員にしか私は怒鳴らないし、怒りもしない。いいか、君がどこの誰だかわからない、興味も全くないが、君は勘違いをしている。怒られることは悪いことではない。だから自信を持ちなさい。」
男はそう言うとハンカチを渡して、教室を後にした。相沢先生はさらに目が腫れるほど泣いたが、自信がついたような目をしていた。
だから相沢先生は少しだけ社長や偉い人々に対して苦手意識を持っているのだ。
保育園が終わり、親が子供たちを迎えに来ていると、ある親が相沢先生の目の前に立つ。
「なあ、うちの子のカバンのシミ、なんで汚れてるんだッ!」
怒鳴る親に対して、一瞬怯む相沢先生。それを少し遠くで見ていたスーツ姿の社長はすぐさま駆けつけようとする。
「このシミは元々ついていたものです。元々ついていたもの文句を言うのはおかしいですよ。」
案外強く、勇敢に相沢先生はクレームをした親を反論する。それにびっくりした親は、少しびっくりした表情を浮かべ、
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