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葛藤
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夕方18時、日が暮れるのも随分と早くなった。
真っ暗な部屋の中、電気も付けず私はぼんやりと携帯の画面を眺めていた。
何度も何度も読み返したトーク履歴はもう残っていない。
私が自ら断ち切った関係だ。
それでも時々、
『せめてもう一度だけ声が聞ければ』
とどうしようもない感情に苛まれる時がある。
トーク履歴を消すという決断に至るまで、かなりの時間を要した。
次は連絡先を消す…
早くそうしてしまいたい気持ちと、本当に二度と会えなくなるのではないかという未練がましい思いが交差して、苦しくなる。
苦しい。
苦しくて、息が浅くなる。
軽い過呼吸だ。
時々こうしてトラウマかのように発作が起きる。
ただ静かに、時が過ぎていくのを息を止めるようにしてじっと堪えて待つしかない。
そんな時に限って、過去の映像がフラッシュバックしぐるぐると脳内再生を繰り返す。
その度にまだ"過去"に出来ていないのだと痛感して、苦しさが増す。
『あの時、もしあの話をしていなければ…』
ただの現実逃避に過ぎないタラレバと、走馬灯のように甦る記憶は、また私の決断を鈍らせ、連絡先まで削除するという勇気をいとも簡単に消し去っていく。
苦しい。
今私が1番欲しているのは、空気か、それとも。
真っ暗な部屋の中、電気も付けず私はぼんやりと携帯の画面を眺めていた。
何度も何度も読み返したトーク履歴はもう残っていない。
私が自ら断ち切った関係だ。
それでも時々、
『せめてもう一度だけ声が聞ければ』
とどうしようもない感情に苛まれる時がある。
トーク履歴を消すという決断に至るまで、かなりの時間を要した。
次は連絡先を消す…
早くそうしてしまいたい気持ちと、本当に二度と会えなくなるのではないかという未練がましい思いが交差して、苦しくなる。
苦しい。
苦しくて、息が浅くなる。
軽い過呼吸だ。
時々こうしてトラウマかのように発作が起きる。
ただ静かに、時が過ぎていくのを息を止めるようにしてじっと堪えて待つしかない。
そんな時に限って、過去の映像がフラッシュバックしぐるぐると脳内再生を繰り返す。
その度にまだ"過去"に出来ていないのだと痛感して、苦しさが増す。
『あの時、もしあの話をしていなければ…』
ただの現実逃避に過ぎないタラレバと、走馬灯のように甦る記憶は、また私の決断を鈍らせ、連絡先まで削除するという勇気をいとも簡単に消し去っていく。
苦しい。
今私が1番欲しているのは、空気か、それとも。
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