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27. 美奈への約束【完】
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大沢先生に忠告された『感情を抑え込まない方がいい』というのは本当だった。
押し殺していた思いが、美奈を取り巻く『理不尽』に共鳴し過ぎてしまったのだと思う。
私は、一線を越えることでしか、美奈を救えなかった。
美奈と出会った頃に時間を巻き戻せたとして、それでもやっぱり私は美奈を放っておくことは出来ないと思う。
あの日私が一緒に住もうと誘ったこと、何も後悔してないよ。
もしまた出逢えたら、美奈が間違った道に進もうとしても、次こそ正しい道に導けるように守ってあげられるように、手を引っ張ってあげたいと思う。
でも、本当はやっぱり、全部間違えてないよって美奈のことを全肯定してあげたい。
私は良くも悪くも前ばかり向いて歩いていけるタイプじゃないし、立ち止まって後ろを振り返って、自分が歩いてきた足跡をみて『どこで間違えたのかな?どこで道草くったのかな?』ってすごく考えてしまうから。
だからこれからも、そうやって美奈と過ごした時間を毎日噛み締めて、時々泣いたり怒ったり叫んだりしながら生きていくんだと思う。
もっと話し合ったり、お互いのこと、根掘り葉掘り話し合うべきだったね。
ごめんね、本当の苦しみに気付いてあげられなくて。
美奈、私はもう一度自分の感情に素直になってみるよ。
ちゃんと生き抜いてみるよ。
命を懸けて私に気付かせてくれたこの思いは絶対無駄にしないから、気長にそっちで待っててね。
私は、泣きながら美奈との約束を思い出していた。
この手が治ったら、絵描いてあげるって言ってたのになぁ……
見せてあげたかった。
見て欲しかった。
こんな形でしか救ってあげられなくて本当にごめんね。
約束の絵、ちゃんと描くからね。
美奈への愛情が完全に消えることはないのかもしれない。
それがたとえ植え付けられたものだとしても、私はその歪んだ愛情ごと美奈を愛したことを忘れたくないと思った。
色んな後悔と罪悪感も全て受け入れる。
毎晩悪夢を見せてくれたっていい。
最期にしたキスの罪を、一生かけて背負っていくから。
美奈、ちゃんと愛してたよ。
「大沢先生……私、可哀想ですよね?」
---終---
押し殺していた思いが、美奈を取り巻く『理不尽』に共鳴し過ぎてしまったのだと思う。
私は、一線を越えることでしか、美奈を救えなかった。
美奈と出会った頃に時間を巻き戻せたとして、それでもやっぱり私は美奈を放っておくことは出来ないと思う。
あの日私が一緒に住もうと誘ったこと、何も後悔してないよ。
もしまた出逢えたら、美奈が間違った道に進もうとしても、次こそ正しい道に導けるように守ってあげられるように、手を引っ張ってあげたいと思う。
でも、本当はやっぱり、全部間違えてないよって美奈のことを全肯定してあげたい。
私は良くも悪くも前ばかり向いて歩いていけるタイプじゃないし、立ち止まって後ろを振り返って、自分が歩いてきた足跡をみて『どこで間違えたのかな?どこで道草くったのかな?』ってすごく考えてしまうから。
だからこれからも、そうやって美奈と過ごした時間を毎日噛み締めて、時々泣いたり怒ったり叫んだりしながら生きていくんだと思う。
もっと話し合ったり、お互いのこと、根掘り葉掘り話し合うべきだったね。
ごめんね、本当の苦しみに気付いてあげられなくて。
美奈、私はもう一度自分の感情に素直になってみるよ。
ちゃんと生き抜いてみるよ。
命を懸けて私に気付かせてくれたこの思いは絶対無駄にしないから、気長にそっちで待っててね。
私は、泣きながら美奈との約束を思い出していた。
この手が治ったら、絵描いてあげるって言ってたのになぁ……
見せてあげたかった。
見て欲しかった。
こんな形でしか救ってあげられなくて本当にごめんね。
約束の絵、ちゃんと描くからね。
美奈への愛情が完全に消えることはないのかもしれない。
それがたとえ植え付けられたものだとしても、私はその歪んだ愛情ごと美奈を愛したことを忘れたくないと思った。
色んな後悔と罪悪感も全て受け入れる。
毎晩悪夢を見せてくれたっていい。
最期にしたキスの罪を、一生かけて背負っていくから。
美奈、ちゃんと愛してたよ。
「大沢先生……私、可哀想ですよね?」
---終---
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初感想失礼致します。
胸に刺さる書き出しです。
事なかれ主義でいることは楽だけど、何か信念を持ってがんばっている人にはかなわないと、勝手に思っています。
感想ありがとうございます。
本当に仰る通りだと思います💦
問題を避けて通るのも自己防衛にはなりますが、後のことを考えるとどうなんだろうな?と思ったり思わなかったり(笑)