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2. 私の小説スタイル

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 ところで、途中まで書いた2つの小説は今どうしているのか。
 ……実は、なにかのタイミングで恥ずかしくなったのか疾うの昔に処分してしまった。
 今思うと残しておけば良かったとひどく後悔している。
 当時小学生の私が、どんな構成で、どんな地の文を書き、どんなセリフを書いていたのか、ものすごく気になる。

 今でも1つ共通していることと言えば、地の文を一人称で書きがちだということ。
 比喩を使いこなし、美しく情景を表すような地の文ではなく、セリフ扱いでもいいような心の声を混ぜながら書いていく手法。
 この手法は、私にとってはものすごく筆が進みやすくなる。

 そして今、私が小説を書く上で起きている現象。
 それは、作中のキャラクターの感情や出来事はややノンフィクションの傾向にあるということ。
 怒り、寂しさ、不満、理不尽、正義、矛盾。
 これらのキーワードは私の小説によく出てくる。
 出しているというより、自然と湧き出てくる。
 おそらくそういった感情を現実世界で持って生きているからだと思うし、作中のキャラクターが話す内容も実体験だったりすることも多い。
 少し歪んだ感情で地の文を書く時、自分自身と共鳴すればするほど兎に角執筆が捗る。
 現実世界での愚痴や不満をキャラクターに喋らせる時、まぁこれでもかと喋る喋る。
 その行為は、私にとって感情の吐き出しに近いのかもしれない。
 それで文字数を稼ぐことが出来るなら万々歳である。

 私は最近流行りの悪徳令嬢、転生、異世界、婚約破棄などのライトノベルを書いたことがない。
 ランキングにずら~っと並んでいるものはほとんど上記のキーワードが含まれたもので、どれから読んでよいのかも分からず……
 正直に言うと、読んだことすらない。
 気が向いた時にでも、どんな風に皆さんが書いているのか読んでみよう……とは思っている。
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