打ち上がれ、恋。

kids

文字の大きさ
2 / 5

高校3年生 初春 2

しおりを挟む
コツコツすることが勝つコツ

朝練の後、教室に入り、後ろのロッカーに荷物を置きに来た
私の目に真っ先に入ってきた、この標語。思わず、ぷっと笑ってしまった。
多分誰も気づかんやろうな。黒板のすみっこに小さく書いてあるもん。
私も自分のロッカーがこの位置じゃなかったら気づかんかったろうな。
っていうか昨日はあったっけ?誰が書いたんかいな。男子?女子?
丸字のような、角張っているような、なんとも言えない味のある字。
んんっと首を傾げている私のところに親友がやってきた。

「グッドモーニング、さくらこっ」
「おはよ、マル。今日も朝からテンション高いやん」
「月曜日の朝からメランコリー感じてるわけ?そんなんナンセンスよ」
「朝から難しいよ、マル」
「物事はイージーよりもディフィカルトの方が萌えるでしょ」
「あーそんくらいなら分かる。っていうか今日行く?」
「そのクエスチョンは必要?」
「いーや、ナッシングです」
「さくらこ、今の返し、ベリィ、グッド」

ルー小柴みたいなマル。本当は圓子。
小学校からずっと一緒。最初はなんて読むのかも分からなかった。
まるこっていう名前が漢字もダサくて古くて私にはマッチしてないと
マルがいつも言っている。
でも、私は漢字の圓子はかっこよくて凛々しく感じている。
マルには伝えていないし、これからも伝えることはないんだろうけど。
マルは根っからの百合女子。マルがルー小柴みたいになってしまったのは
小沢彌生先生のせいだろう。小沢先生の描く漫画にどっぷりとハマっている。
今日はアニメイトンでマルが好きなマンガの新刊発売日のイベントがある。
私も天神まで一緒に行って、新しいグリップを買おうと思っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

あなたの愛はいりません

oro
恋愛
「私がそなたを愛することは無いだろう。」 初夜当日。 陛下にそう告げられた王妃、セリーヌには他に想い人がいた。

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...