打ち上がれ、恋。

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高校3年生 初春 3

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昼休みの始まりはだいたい一人ぽっち。

マルは、今日はどこに呼び出されているのかな。
中庭?体育館?テニスコート?
まぁいいや。先にご飯でも食べよう。
学食に買いに行こうかなと思っている時にマルが帰ってきた。

「早かったね、今日」
「オフコース。ノーって言うだけだもん」
「いつももう少し長いじゃん?」
「友達からでもとか言って粘るパーソンがたまにね」
「人は見た目が9割ってよく言うじゃん。マル本当に可愛いもん。友達でもいいからって
思っちゃう気持ちは何となく分かるなぁ」
 
マルは根っからの日本人なのに、パリーポッターのマーハイオニーみたいな
お人形さんのように整った顔をしている。そして背もすらっと高く
髪の毛も柔らかい茶色でサラサラときてる。男子が放っておくわけないのだ。

「さくらこ、何言ってんの。さくらこだってクールよ」
とマルはいつも慰めてくれる。
傷んだ茶髪。短髪。年中日焼け。
っていうかが靴下焼けが半端ない。
でもソフトテニス部の宿命だから仕方ない。

「さくらこのこと好きな子だってたくさんいるじゃん」
ほら、今日もきてるよと言って顎で教室のドアの方をマルが指した。

「あれは女の子じゃんか」
「平成も今年で終わりなのに、今時そんなこと言ってんのはナンセンス」
「別にそういうことじゃなくてっさ、もっと普通のやつ求めるんだって」
「女同士はノーマルじゃないわけ?さくらこだってBL好きなくせに」
「あれは、なんかこう2次元だからいいんだよ。なんか自分がそうなるってのは実写化できん」
「まあ、言いたいことは分からんでもないけどさ...私は割とイメージできるけどな、さくらことわ」
 
マルがなにか言いかけたけどチャイムが鳴ったから、そのまま終わりになってしまった。
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