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報告書16「遭遇、突然の爆発と発砲には要注意な件について」
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今回任務の目的地、千葉駅ダンジョン地下1階、通称ペリチカへと到達できたが、そこは周囲から雨水が濁流となって流れ込む、とてもじゃないが室内とは思えない、沼地のような場所だった。
「イクノ、目的地に到着したわ。ただやっぱり雨のせいで水位がいつもより高いようね」
<<こちらでも映像で確認したがそのようじゃの。サーペントの水中からの奇襲には充分気をつけるのじゃぞ>>
水蛇型リソーサー、サーペントの武器は頭部のドリル型掘削機、食いつかれたら機動鎧甲と言えどもただじゃ済まない。
<<それと……さきほどヘリ型トランスポーター"セキブネ"が飛び立つのを確認したんじゃが、調べても所属不明での。単なる同業者だと思うんじゃが、一応気をつけるんじゃぞ>>
「所属不明機……」
来る時に聞こえたヘリの音は気のせいじゃなかったのか。なんだか悪い予感がする。
「りょーかい。それじゃ周囲を警戒しつつ資源回収に移るわよ」
そう言うと腰のホルスターからブラスターピストルを抜くチトセ。俺も腰の刀の柄に手を掛け、ゆっくりと進む。
「前方に反応、サーペントよ!」
「前方?何も見えないぞ?」
「バカね!水中よ!」
すると目の前から突然海蛇型リソーサー、サーペントが飛びかかって来たのだ!
「うおっ!」
咄嗟に抜いた刀で受け止めるが、口部の高速回転するドリルが刃に当たり、甲高い音と共に火花を散らした。
「こんのぉ!」
なんとか刀を振り切り水中に落とすが、この濁った水に潜られると位置が分からない。
「周りを見て!囲まれたわ!」
水面スレスレを波紋を立てながら泳ぐサーペントをチトセがブラスターで撃つが、撃破する前に潜られてしまったようだ。
「あぁもう!仕方ない、壁まで全力疾走よ!」
そう言うと破片手榴弾を2つ、ピンを抜いて水中に落とすチトセ……って、おいおい!マジかよ!?慌てて向かいの壁まで走ると、背後からドォンドォンと2回、爆発音が聞こえ、それと共に上がった水飛沫を被ってしまった。なんとか爆発にも巻き込まれず2人とも壁際まで走れたが、本当に危なかった!
「手榴弾使うんなら使うって先に言えよ!死ぬとこだったぞ!」
「仕方ないでしょ。何もしないで走ってたら背中から串刺しにされてたわよ。でもここなら背後から攻撃されなくて済むわ。と、来たわよ!」
素知らぬ顔で答えるチトセの言う通り、水中からサーペントが次々に飛び出してきた。チトセはそれをブラスターで撃ち落としていき、俺もその横でサーペントを次々に斬り伏せていく。斬って斬って、ようやく攻撃が止んだかなと思った矢先、背後で爆発音が。
「きゃあ!」
悲鳴で振り向くと、ブラスターで撃たれ火花を散らしながらも顔面に迫るサーペントを、チトセが両手で必死に抑えているところだった。
「こんにゃろ!」
左腕の義手でそのサーペントを掴みチトセから引き離すと、その身体を刀で両断。ついで水中に落としても未だに動いている頭部に刀を突き立て、ようやく完全に動きを止めた。
「とりあえずはこれで最後のようだな」
「んもう!もう少しで死ぬ所だったわよ!」
「はいはい、それはお互い様だろ」
ぴーぴーうるさいチトセを適当に流しながら、周囲に散らばったサーペントの残骸を引き上げプラズマナイフで解体していると、奥から爆発音が聞こえてきた。
「何かしら?同業者?」
「のようだが救難信号も出てるし行ってみよう」
「そうね。助けたお礼に回収した資源の半分は貰いましょう」
全くこのごうつくばりは。とにかく音がした方向に向かうと、壁際に人影が。スキャナーの反応からも同業者のようだ。近付くと、力なく座り込み壁にもたれかかっていた。大きく破損した機動鎧甲からも、戦闘で負傷したのは明らかだ。
「おい、大丈夫か?リソーサーにやられたのか?」
「うぐぐ……違う、襲われたんだ。同業者に……」
「同業者に!?一体どういうことだ?」
「分からない……いきなり……あぐっ!」
「おいっ!おいっ、しっかりしろ!」
スキャナーから消える信号。
「ダメね……それにしても同業者に襲われたって……」
すると奥の暗くなっている所から、水を踏み付ける音と同時に重々しい稼働音が聞こえてきた。音の大きさからも、大型のリソーサーか何からしい。俺はヒトマルを抜きプラズマ刃を起動、チトセはブラスターピストルを音のする方角に構えた。
「あれは……!」
奥から姿を現したのは、なんとリソーサーでは無く、俺たちよりも一回りも二回りも大きな黒い機動鎧甲を全身にまとった紛れも無いスペキュレイター、同業者だった。しかし、本来所属企業などが表示されるスキャナーには、不明としか出ていない。一体何なんだあいつは!?
「こちらロックフォール3、作戦領域にまた障害物だ。これから排除に移る」
<<了解、ロックフォール3。目撃者は残すな>>
不穏な通信の後、その同業者は手に持ったこれまた大型の銃器をこちらに向け、発砲してきた。
「イクノ、目的地に到着したわ。ただやっぱり雨のせいで水位がいつもより高いようね」
<<こちらでも映像で確認したがそのようじゃの。サーペントの水中からの奇襲には充分気をつけるのじゃぞ>>
水蛇型リソーサー、サーペントの武器は頭部のドリル型掘削機、食いつかれたら機動鎧甲と言えどもただじゃ済まない。
<<それと……さきほどヘリ型トランスポーター"セキブネ"が飛び立つのを確認したんじゃが、調べても所属不明での。単なる同業者だと思うんじゃが、一応気をつけるんじゃぞ>>
「所属不明機……」
来る時に聞こえたヘリの音は気のせいじゃなかったのか。なんだか悪い予感がする。
「りょーかい。それじゃ周囲を警戒しつつ資源回収に移るわよ」
そう言うと腰のホルスターからブラスターピストルを抜くチトセ。俺も腰の刀の柄に手を掛け、ゆっくりと進む。
「前方に反応、サーペントよ!」
「前方?何も見えないぞ?」
「バカね!水中よ!」
すると目の前から突然海蛇型リソーサー、サーペントが飛びかかって来たのだ!
「うおっ!」
咄嗟に抜いた刀で受け止めるが、口部の高速回転するドリルが刃に当たり、甲高い音と共に火花を散らした。
「こんのぉ!」
なんとか刀を振り切り水中に落とすが、この濁った水に潜られると位置が分からない。
「周りを見て!囲まれたわ!」
水面スレスレを波紋を立てながら泳ぐサーペントをチトセがブラスターで撃つが、撃破する前に潜られてしまったようだ。
「あぁもう!仕方ない、壁まで全力疾走よ!」
そう言うと破片手榴弾を2つ、ピンを抜いて水中に落とすチトセ……って、おいおい!マジかよ!?慌てて向かいの壁まで走ると、背後からドォンドォンと2回、爆発音が聞こえ、それと共に上がった水飛沫を被ってしまった。なんとか爆発にも巻き込まれず2人とも壁際まで走れたが、本当に危なかった!
「手榴弾使うんなら使うって先に言えよ!死ぬとこだったぞ!」
「仕方ないでしょ。何もしないで走ってたら背中から串刺しにされてたわよ。でもここなら背後から攻撃されなくて済むわ。と、来たわよ!」
素知らぬ顔で答えるチトセの言う通り、水中からサーペントが次々に飛び出してきた。チトセはそれをブラスターで撃ち落としていき、俺もその横でサーペントを次々に斬り伏せていく。斬って斬って、ようやく攻撃が止んだかなと思った矢先、背後で爆発音が。
「きゃあ!」
悲鳴で振り向くと、ブラスターで撃たれ火花を散らしながらも顔面に迫るサーペントを、チトセが両手で必死に抑えているところだった。
「こんにゃろ!」
左腕の義手でそのサーペントを掴みチトセから引き離すと、その身体を刀で両断。ついで水中に落としても未だに動いている頭部に刀を突き立て、ようやく完全に動きを止めた。
「とりあえずはこれで最後のようだな」
「んもう!もう少しで死ぬ所だったわよ!」
「はいはい、それはお互い様だろ」
ぴーぴーうるさいチトセを適当に流しながら、周囲に散らばったサーペントの残骸を引き上げプラズマナイフで解体していると、奥から爆発音が聞こえてきた。
「何かしら?同業者?」
「のようだが救難信号も出てるし行ってみよう」
「そうね。助けたお礼に回収した資源の半分は貰いましょう」
全くこのごうつくばりは。とにかく音がした方向に向かうと、壁際に人影が。スキャナーの反応からも同業者のようだ。近付くと、力なく座り込み壁にもたれかかっていた。大きく破損した機動鎧甲からも、戦闘で負傷したのは明らかだ。
「おい、大丈夫か?リソーサーにやられたのか?」
「うぐぐ……違う、襲われたんだ。同業者に……」
「同業者に!?一体どういうことだ?」
「分からない……いきなり……あぐっ!」
「おいっ!おいっ、しっかりしろ!」
スキャナーから消える信号。
「ダメね……それにしても同業者に襲われたって……」
すると奥の暗くなっている所から、水を踏み付ける音と同時に重々しい稼働音が聞こえてきた。音の大きさからも、大型のリソーサーか何からしい。俺はヒトマルを抜きプラズマ刃を起動、チトセはブラスターピストルを音のする方角に構えた。
「あれは……!」
奥から姿を現したのは、なんとリソーサーでは無く、俺たちよりも一回りも二回りも大きな黒い機動鎧甲を全身にまとった紛れも無いスペキュレイター、同業者だった。しかし、本来所属企業などが表示されるスキャナーには、不明としか出ていない。一体何なんだあいつは!?
「こちらロックフォール3、作戦領域にまた障害物だ。これから排除に移る」
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