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22話 補佐官 ※
しおりを挟む「最近、凄くお疲れですね……」
湯浴みを終え、ベッドに突っ伏したレオンを覗き込み、声をかける。ここ一ヶ月程仕事の帰りが遅く、彼の目の下にはクッキリとした隈が出来ていて、疲労が蓄積しているのが見て取れた。
「実は補佐官のミラードが、家の事情で休みを取っているんだ。いつもギリギリの人数で業務をしているから、キツくてね」
「臨時職員を募集することはできないのですか?」
「いや、私の見目のせいもあって、募集をかけてもなかなか応募が来ないんだよ」
またもや、容貌のせいでレオンが苦労していることに、さくらは憤りを感じる。
今休暇を取っているのは、ヴィンセン伯爵家三男のミラードだ。長雨の影響で領地が水害被害に遭い、ヴィンセン伯爵は対応に追われ、兄弟達も呼び戻されたのだとか。
――そうだ! 私がお手伝いに行けば良いんだわ! 何故かこの世界の字の読み書きも出来るし、少しは役に立てるかも!
「では、私が臨時補佐官として騎士団に通うのはどうでしょう。この世界に来た時、国王様も第五騎士団で雇ってはとおっしゃっていましたし」
「サクラが?」
「はい。早くこの隈を治さなきゃいけません」
レオンの上に伸し掛かると、目の下の隈を指でなぞる。近くで見ると、余計黒く見え、どんどん心配になってきたさくらは、彼に肌掛け布団を掛けると、レオンにピトリとくっついて横になった。
「とりあえず、疲労には睡眠が一番です! 今日はゆっくり寝ましょう」
「えっ……」
「……こんなに疲れているのに、イチャイチャしたら、もっと疲れちゃいますよ?」
「……サクラに触れたほうが、元気になるのだが……」
レオンはシュンとしながら、素直に目を瞑る。
――何、この旦那様! 可愛いぃぃぃっ! でも、……手の動きが妖しいんですけど。
さくらの薄い夏用のネグリジェの上から、レオンは妖しく尻や太腿を撫でる。いつもレオンに可愛がられているさくらの体は、彼から与えられる刺激に従順に反応してしまう。
暫く気付かないフリをして放置してみるものの、下着の中に手が入り込むとそうはいかない。クチュクチュと濡れた音が静かな寝室に響き、さくらは彼の指から逃れるべく起き上がった。
さくらは暫く考え込み、チラリと彼を見やると囁いた。
「……今日は私が頑張るから……レオン様はジッとしていて下さいね?」
「頑張る……?」
レオンの腰辺りに跨ると、既に熱量を増した彼の昂りを感じる。下履きを下げ、彼の昂りをそっと手を這わせ、包み込むように上下させると、更に質量は増した。レオンはさくらの言葉の意味を理解したようで、頰を紅潮させ、時折艶かしい息遣いをするが、動かずにいてくれる。
「レオン様……気持ちい?」
「はぁ……。気持ち良いよ。だが……」
「ひゃっ……」
レオンは起き上がるとさくらをベッドへ縫い付け、大きく足を開かせた。ネグリジェの裾は乱れ、彼からは下着が丸見えになっているに違いない。羞恥に頬は真っ赤に染まり、必死で抵抗して足を閉じようとするが、鍛えられた彼の腕には敵わない。
「やっ! レオン様!?」
「妻を喜ばせるのが夫の仕事だよ」
「んんっ」
レオンは優しく微笑みながら、さくらの下着の紐を解いた。淡い茂みに隠された小さな粒を見つけると、レオンは硬く尖らせた舌で甘い刺激を与える。
蜜口からは止めどなく蜜は溢れ、ヒクヒクと彼を誘った。
「ダメっ……、レオン様、疲れてるのに……、ぁあっ、んっ」
「サクラは私の唯一の癒しだ。駄目なんて言わないで……」
レオンの懇願のような眼差しに、さくらの下腹部はズクリと疼く。大好きな彼のおねだりに、逆らうことなんて出来ない。
さくらが足の力を弱めると、レオンは再び足の間に顔を埋め、秘芽をねっとりと刺激し始めた。蜜口には既に何本も指を挿れられ、弱い部分ばかり刺激する。
もうそうなると、何も考えられなくなって、快感に身を任せるばかりだ。
「あっ、れおんさま……、きもちい……」
朦朧とする中、彼の手でうつ伏せにされたと思ったら、さくらはお尻を高く持ち上げられ四つん這いの姿勢にされた。
朦朧としていた意識は一気に浮上し、振り返ろうとすると、後ろから剛直がゆっくりと侵入した。コツリと奥に到達すると、レオンは腰を更に押し付け、グチュグチュと最奥を擦り上げる。
「えっ!?、ひぁっ、奥、深……ぃ、ぁあ……んっ、それダメ、奥、グリグリされたらイッちゃ……っっ」
「サクラ、可愛い……、突くたび黒髪が乱れて……、はぁ……、そそられるな」
「んっ、あぁ……」
「サクラ、君に攻められるのも良いが、……私は攻め入る方が好きなようだ」
抽送は徐々に速いものとなり、さくらは嬌声をあげる。奥を突かれるたび、痺れるような快感が這い上がる。
「サクラ……、いくよ……」
レオンは後ろから抱きしめたまま腰を揺らす。一際強く奥を突かれたかと思うと、中に熱い飛沫を感じ、さくらはそのまま深い眠りについた。
……☆☆……
それから。
第五騎士団にて、臨時補佐官として勤めることが正式に決定した。
さくらは、騎士団の紺色の上着に、白いシャツに黒いズボンを着用する。ピッタリとしたサイズの制服は身体のラインが浮き彫りとなるものの、いつものワンピースやドレスと比べると格段に動きやすく快適だ。
長い黒髪は上の方で一つにまとめ、銀色のリボンで結んでいる。リボンはレオンからのプレゼントで、見る方向によっては七色に輝く美しい品だ。『騎士団棟では、いつも私の色を身につけてくれ』と真剣に告げる彼の独占欲を目の当たりにし、さくらは嬉しいような、恥ずかしいような、むず痒い思いをした。
レオンと共に騎士団棟に出勤し、初めは緊張の連続だったが、徐々に仕事にも慣れ始めた。
山積みとなった書類を、もう一人の補佐官 セイロン・ドリトナーに教わりながら処理していく。セイロンは商家の四男で、自分の食いぶちは自分で稼ぐ為、騎士団の補佐官を希望したらしい。
商家の生まれで、様々な性格や容姿の人と関わる機会が多かったので、第五騎士団のレオンの元で働くのも抵抗感は無いようだ。人懐っこい性格で、笑顔の絶えないセイロンには、好感が持てた。
「いやー、サクラ夫人が来てくれて本当に助かりました! 団長と二人では仕事が終わらなくて。これでレオン団長も、騎士団の訓練に参加する時間が持てます」
「レオン様が騎士団の訓練に?」
「はい。時々騎士達の相手をするんです」
――レオン様が剣を握るところ、見たい!!
レオンのほうを見やると、パチリと目が合う。レオンはペンを置くと、瑠璃色の瞳を細め、柔らかく微笑んだ。
「サクラは剣術に興味があるのかい?」
「剣術というか、レオン様が剣を握る姿が見たいです!」
「そ、そうか……。なら、次の公開訓練は見学に来ると良い」
「レオン様の格好良い姿、楽しみにしていますね」
さくらの言葉にレオンは頬を染め、照れ笑いを浮かべる。夜はちょっと狼に変身してしまう彼だが、毎日一緒にいるのに、こうした表情を見せるレオンが可愛くて仕方ない。
レオンを時折盗み見しながら、セイロンと共に書類を種類毎に整理し、期限の近いものから優先順位を付けて執務机に並べていく。また、購入希望品や購入品、遠征費用など、伝票を元にどんどん処理する。パソコンや電卓など無いので時間は掛かるものの、さくらはミスが無いよう確かめ算をしながら、丁寧に行った。
――なんだか懐かしいな。ちょっと前までは、毎日仕事していたのに……。
「サクラ夫人は計算が早いですね。素晴らしいです」
「本当ですか? 計算は小さな頃から得意なんです。暗記とかは得意じゃないけど、数学って、数式を当てはめると、きっちり答えが導き出せる所が好きなんです」
「分かります! 難解な問題の答えが出た時、スッキリしますよね」
「そうなんです!」
「……こうやって仕事を一緒にしてみると、サクラの意外な一面が見られて良いな」
書類に目を通しながらポソリと呟いたレオンの言葉に、さくらは頬を染める。
――これって…元の世界で憧れてたいた職場恋愛じゃない!? 部長と部下……、いや、社長と平社員? ……良い!!
口元が緩むのを止められなくて、セイロンが「私も可愛いお嫁さんが欲しいッス……」と涙目で拗ねてしまい、さくらは公私混同しないよう気を引き締め直したのだった。
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