最強への道 〜努力は俺を裏切らない

ペンギン

文字の大きさ
1 / 70
1章 始まりの街

0話 異変

しおりを挟む
はぁー眠い。

昼飯後のデスクワークは眠気との戦いだ。
俺の名は宮川ミヤカワ  シュウ
入社5年目で与えられる責任も増えて、仕事量も倍増。
慢性的な寝不足で常に眠たい……

だが今日の睡魔は格段手強そうだ。

ほんと会社に隕石でも落ちないかなぁ
でも実際隕石が落ちれば、会社は倒産、俺は職を亡くし、貧乏生活……やっぱ隕石はダメだな
うん、やっぱ宝くじだな
宝くじで5億を当てよう!

眠気がピークに達し、意味の分からない事を考えてしまう

もう無理……寝てしまう

俺が眠りにつく瞬間、辺りに電子音が鳴り響いた。
はっ!目が覚めた。スマホのアラームか?

"ピリリリリリリ"

鳴り続ける電子音、他の社員達もざわついている。
何故なら音の所在がわからないからだ。

"裏世界と表世界の境界が失われます"

なんだ、抑揚のない声が頭に直接流れた。
俺の頭にSiriが入り込んだのか?

周りの反応を見るに俺以外にも聴こえているみたいだ。
オフィス全体が騒然とし出す。
中にはPCで検索し始める人も。

俺もPCで調べてみようと思った瞬間、電源が落ちた。
加えて部屋の電気も消えている。
おそらくブレーカーが落ちたのだろう。

だが、タイミングが良すぎないか?
現在のテクノロジーでは考えられない現象。
俺だけなら眠さによる幻覚で済むが、いや済まないか

と考えていたら、地面が揺れた。
今度は地震か!?

しかも、徐々に揺れが大きくなっている。
ヤバイ、立ってられない。
俺は何とか転がるように机の下に入る。

揺れにより机本体が揺れ動き、俺の身体を強く打ち付ける。
俺は頭を抱えて、亀のように丸まりおさまるのを待つ。
激しい轟音、悲鳴、衝撃、これほどに死を身近に感じた事など今まで無かっただろう

俺は身体に加わる痛み、衝撃に耐え続けた。

*****

「はっ!?」

目が覚めた。
どうやら俺は気絶していたらしい。
どれぐらい経ったのだろうか?
同じ体勢を取りすぎたせいか身体が固まって動けない
それよりも全身が痛すぎる、あまりの衝撃で気を失ったのか?

俺は身体に鞭を打ちながら、机の下から出る。

「なんだ…これは……?」

2階建てだったはずなのに空が見える。
辺りは瓦礫が散らばっており、通い慣れた建物が今では見る影もない。

「うっ!!」

見てしまった。
瓦礫の隙間や辺りに目を向けると人の手らしきものがはみ出ている。辺りを注意深く見てみると机ごと瓦礫に潰されて死んでる人など、まさに地獄だ。

中には見知った顔の社員がいる。

苦しい、冷や汗が止まらない、辛すぎる。
でも、俺の脳は冷静に現在の状況を知る必要があると言ってくる。

まずは他に生存者がいないかを探す事に
声かけをしながら歩き回る

しかし、声は一向に帰ってこない。
俺はふと腕につけている時計に目を向けた。

"時刻は13時30分"

そんなに経っていなかったのか?
ーーいや、待て!思い出せ

お昼休憩明けが13時、そこから1時間ほどは仕事を進めたはずだ。
背筋が凍る。俺はどうやら丸一日気を失っていたようだ。
そうであれば生存者がいない状況も納得できる。

ならば、ここにいてもしょうがない。
俺は移動しようと、何か引っかかった。
それは社員の死体だった。

しかし、腹部が大きく抉れている。
まるで何者かに齧られたかのように

「悪い予感がするな……あの脳内に響いた謎の声が原因なのか?」


一体何が起きているんだろうか
通常であれば、もう少しサイレン音や人の声が聞こえてきてもおかしくないはずだ。

明らかに静かすぎる。
スマホは壊れているし、俺が気を失っていたのは本当に1日なのか?

いや、考えても仕方がない

俺は頭を支配する不安を吹き飛ばして、まずは自宅に向かうことにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...